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PC☆レボリューション  作者: ポーラ・ポリタス
第四章 ~岡崎夕貴 沙夜~
39/42

稲辺春香の謝罪 〈3〉

とりあえず、一度様子見回

水曜日――――


私はまた学校に行くことができなかった。


もう4日も経つのに、私はまだ傷が治っていないと嘘をついていた。


本当は、学校に行くのが怖いだけなのだ。



『今日、あんたの家、寄っていい?」



「………あんた一人?」



『一人に決まってんじゃん。他に誰を連れてくの?』



「…………」



『私はあんたの味方だって言ってるでしょ?』



「…………わかった」



優華の優しさに少し癒されたあと、私は優華を待ち続けた。





1時間後、優華はやってきた。


学校帰りということで制服。


そして、近所にあるスーパーの袋を持っていた。



「どう?調子は?」



「……ん」



「思ったよりも顔はきれいじゃん」



セリフだけ抜き出せばただのプレイボーイのセリフだが、彼女はどうやら私のことを心配していてくれたらしい。



「で?……いつ学校に行くの?」



「…………」



「無理して来いとは言わないけど…。春香は私が守るって言ってるじゃない」



「………………うん。わかってるよ……」



それでも、私は怖くなっていた。


同じ学校に、私に敵意を向けている人がいる。



「いじめをされてるときは………、あのときも怖かったけど、全然違うんだ。怖かったけど、みんな、私をいじめることを楽しんでただけだった…。だから、私が泣いたり、苦しんだりすればよかったんだ……。でも………夕貴ちゃんも沙夜ちゃんも、自分が満たされたいわけじゃないんだ。私を憎みたいんだ……」



「なんでそんなこと……」



「沙夜ちゃんの目がそう言ってたから。私のことを、本気で憎んでたから……」



小学生のころ、全身に痣ができるくらいいろんな人に殴られたのに、彼女に一発殴られる方が怖かった。


いろんな人に「犯罪者の娘」だと嘲笑の対象にされたけど、彼女に言われた時の方が怖かった。



「…………。あんたのこと憎んだって意味ないでしょ。悪いのはあんたのお父さんであって」



「それは関係ないよ…。被害者からしてみれば、家族全員加害者側だもん」



「……でも」



「どこかに被害者がいるってこと、わかってたのに、私は知らないふりしてた。これは私のせいだ」



どこか納得のいかないような表情の優華だが、これは譲れない思いだった。



「だったら……どうしたらいいのよ」



「分かんないよ。分かんないから、こうやって苦しんでるんだ」



これから私たちはどうしたらいいんだろう。


これから先のことがまったくわからない状態になっていた。



「分かった…。もうこの話は一旦おしまい!今日は私がご飯作ってあげるから、栄養のある食べ物食べな。どうせカップラーメンばっかりだったんでしょ?」



「悪かったね。カップラーメンばかりで」



食事をすることで、なんとか二人とも落ち着くことができた。










カチッ………カチッ……カチカチカチカチ……。


沙夜は爪を噛み続けていた。


土曜日からずっと、彼女はこの部屋に閉じこもりっきりだった。



父親を殺しておきながら、春香は、何事もなかったかのように生きていた。


沙夜はこれが許せなかった。


私の苦労を知らないからだ。


私の苦労を知りもしないでいるから、こんなことを言えるのだ。


子どもは時にして残酷だ。


沙夜の苗字が、「高山」から「岡崎」に変わった時、彼女には好奇の言葉が大量に届いた。


同級生で同じ苗字、家まで一緒なのに、「誕生日」が違うだけで、夕貴も同じ目にあった。


沙夜が何をしたというか。彼女に何か悪いことでもあったのか。


理由もなしに彼女は、ひどい誹謗中傷を受けていた。


人は、「自分とは違った同種族」を異端の目で見るものなのだろう。


それに、純粋な「好奇心」が混じった子どもは、時にして残虐な行いをすることだってある。



「沙夜……ご飯」



「オネエチャン……、ゴハン ソコニ オイトイテ……」



「沙夜……」



沙夜の心は、完全に壊れてしまった。


彼女の心には、深く悲しい傷が作られていた。



「春香…………。よくも……私の妹を………」



そしてそれはやがて、夕貴の心にも影響していたのだ。

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