パソコン部員の超薔薇
作者の趣味とは異なるジャンルです。
作者の趣味とは異なるジャンルです。
大事なことなので2回言いました。
「いきなりじゃ、刺激が強すぎるよねー」
「………………うぅ」
先ほど私が読んだのは、いわゆるBLというジャンルだった。
男性同士の恋愛やその絡みを描いたものらしく、一定の人々によって熱く支持されているそうだ。
また、男性同士があるということは、女性同士というものもあるということだ。
なんというか、人間の性癖の限界のなさを知った。
「パソコン部には、こういった趣味の人いないんだ」
「うぅーん……。私は違うし、千夏ちゃんがそういうのが好きだとは聞いたことないし……。男の上野先輩は論外として、尾鷲先輩もそんなこと聞いたことないなー」
というか、尾鷲先輩はパソコンにすでに、18禁としか思えない作品(異性同士)を書いてあるから、きっとそんな趣味は持ち合わせていないのではないかと思う。
「興味とかない!?」
「うぅ、えっと、あまり、ないかなー……。私には刺激が強すぎて……」
「そっかぁ。それもそうかもね」
彼女がちょっと残念そうな表情を浮かべた。
とはいえ、私にはこの世界に踏み入るのにまだ早かったのだ。
「そうかー。そうなると、やっぱり普通の作品にするしかないかー」
「えっ。もしかして、二人でBLを描くつもりだったの!?」
「そうだよー。でも、さすがに初心者じゃ、難しいよねー」
衝撃の真実である。
「でも、BL以外のものは、私描いたことないんだよなー」
今度は彼女が描けないという状況。
「そんなにBLが好きなの?」
私は聞いてしまった。
だって、普通に考えて、男性同士の恋愛なんて、普通ならありえない。
というか、普通は同性同士で恋愛なんてできないだろう。
社会的にも、日本はまだ冷たいし、私に言わせれば、生命の理に反しているという思いさえあるのに。
「もう大好きよー!!やっぱり恋愛って言ったら、男同士のこんな恋愛だよー」
「えっ」
「三次元の恋愛なんて、みんな幻なんだから!!結局、BLにはかなわないの!!」
「そ、そう……」
彼女の表情がいきいきと輝く。
この表情は、エガ動に投稿してるときの千夏や、小説を書いてるときの尾鷲先輩を思い起こさせた。
「私が一番好きなのはね。このバトル漫画にでてくるキャラクターの二次創作なんだけど――――」
それは、とある有名な少年誌に掲載されているはずの漫画の単行本だった。
内容はごく普通の少年向けのもので、熱い主人公がみんなを引っ張る、そんな感じの内容。
あまり少年漫画を読まなくても、なんとなく雰囲気で察することができた。
「この赤い髪の男の子と、青い髪の男の子の絡みが一番好きなんだーー!!」
そこにあったのは、さっきの少年向けの雰囲気とはうって変わって、ただの恋愛漫画、いや、それもかなり偏ったそれがあった。
こ、こんなの、は、恥ずかしい、よ――――
どうしたんだよ。本当は「こういうの」好きなんだろ?――――
んっ――――す、好き、だよ――――
「――――――――!!!!」
またさっきのような、キスシーンに向かう。
どうやら、こういった漫画での、キスはかなり定番らしい。
それも、ディープキス、というやつ。
片方が女性なら、こういうのも悪くないかもしれないが、これはちょっと。
「この二人、原作でも、どう見たってカップルみたいな発言ばかりしてたから、カップリングのなかでもかなり人気なんだー」
「カップリング……」
「そう。原作のセリフでね、『お前のことを、一番分かってやれるやつになりたい』っていうんだよ。かっこよくない?」
「あぁー。確かにかっこいいね」
その原作のシーンを見せてもらう。
なんでだよ。なんで、俺の居場所が分かったんだ――――
仲間をかばうため、わざわざ味方を裏切ってまでこんなことをしたんだろ。それくらいお見通しさ――――
…………どうしてわかった?――――
俺たち、昔からの付き合いだろ?3年前に誓ったじゃねーか。『お前のことを、一番分かってやれるやつになりたい。だから、お前も、俺を一番理解してくれる人間になってくれ』って――――
…………そうか。確かに。でも、今度の闘いは、俺たち兄弟の闘いだ。お前は……俺の仲間を守ってくれ――――
どうしてああなった、と言わざるを得ない。
原作のシーンから察するに、どうやら絆を確かめるシーンなんだろうと思う。
だが―――
「こんなの、完全に告白にしか聞こえないよねー」
「そ、そう……?」
やはり私には、まだ手の届かないジャンルのようだ―――――




