パソコン部員の出会
お久しぶりです。
次の日の学校―――――
「はぁぁ…明日からテストかー」
「はぁぁって。あんた勉強なんかどうせ私がいないとまったくやらないでしょう」
授業も終わり、本来なら部活の時間。
だが、テスト期間である現在は、部活時間はあまりない。
運動部も文化部も早い時間に切り上げる形となる。
パソコン部の部室に入ると、そこにはいつもの顔ぶれがあった。
新部長の上野先輩、そして千夏。
そして―――あれ?
「あれ?どちらさま?」
いつもは見ない顔ぶれがあった。
熱心にパソコンに向かって何かをしている。
私に気付いたのか、彼女は私に話しかけてきた。
「あっ、どうも。放送部の者です」
「放送部…?どうしたんですか?放送部がこんなところに?」
放送部は、普段は昼休みの放送をしたり、全校集会のときの司会をしたりしている。
「今度、コンクールに出す作品の編集をしなくちゃいけなくて……。放送部の部室は違うことに使ってるんで」
「あぁ。なるほど。どうぞ。好きなだけ使っててください」
こうやって、何かに取り組んでみるというのも大変なんだなと思った。
かくいう私たちは特に何かするわけでもなく毎日雑談ばかりだ。
「で、稲辺ちゃん。どれくらい小説は進んだの?」
「……うーん。どんな作品にしようかっていうのもまだ明確には決まってなくて……。異世界ものをやろうとは決めてるんですけど」
「異世界かー。異世界って言ってもいろいろあるしなー」
「魔法とか使える世界って素敵だなーって思うんですけど」
「魔法、か。確かに使えたらかっこいいよねー。メラゾーマとか」
「今のはメラゾーマではない、メラだ的なやつですか?」
「いや、なんていうか……そういった感じの攻撃的なやつじゃなくって、もっとメルヘンな魔法がいいですけど」
あまり戦いの話は書きたくないなぁと思う。
とりあえず、下書きレベルではあるが、一応あらすじはできているので見せてみた。
一人の少年が、科学ではなく魔法が一般常識の世界に転生してしまう。そんな世界で魔法も使えず、学校では落ちこぼれだった主人公が恋をしたのは、学校で1、2位を争う魔法力と知識を持つ少女だった―――――
というなんともベタな恋愛ものだが。
「恋愛ものかー。転生ものだけど、冒険ものでも戦闘ものでもないんだね」
「恋愛って、ちょっと難しくない?」
少女漫画くらいなら、多少読んだことはあるから、どんな話にしたらいいかくらいわかる。はず。
「まぁ。一回これで作品を書いてみたらいいんじゃない?最初から面白い作品なんて、みんな作れるはずないんだから」
それもそうだとは私も思う。
第一、かいてみないと面白いか面白くないかもわからないじゃないか。
私はパソコンのメモ帳を開き、そこに文字を打ち始めた。
「おまたせー」
パソコン部の部室を開くと、編集をしている子が見えた。
私たちが頼んでおいたところまで、無事に完了しているようである。
「大体できた感じなんですけど」
「うん。いい感じだと思うよ。そうだなー、ここをもう少しこうやってー」
今度のコンクールでは、全国に行くレベルの作品を作ろうとみんなで誓い合ったのだ。
だから、少しでもよりよくしなくちゃいけない。
「パソコン部の人たちにもお礼言っておかなくちゃね」
とりあえず、何かをやっているパソコン部の人たちのところに挨拶を
「すみません。パソコン使わせてもらって」
「いいよいいよ。気にしないで」
部長さんであろう、男子が答えた。
「でも、もう少しで終わりますので」
「ううん。もっと長いこといていいんだよー」
次に答えたのは、隣に座ってる女子だった。
少し背が小さい感じの、かわいい系の少女だ。
あれ?でもこの人――――
「あっ! この前会った、琴音ちゃんのお姉さん!!?」
「ああ!! あのときの!!?」
それは、偶然の出会いだったのだ――――




