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PC☆レボリューション  作者: ポーラ・ポリタス
第二章 ~尾鷲冬香~
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パソコン部の過去 ~尾鷲冬香の場合~

「どうやらただの疲労による貧血のようですね」



「は、はぁ……」



「いずれ回復はするでしょう。ですが、あまりにも体に負担をかけすぎると、また同じことを繰り返すことになります」



診断結果は、特に難しいものではなかった。


しかし、貧血とはどういうことだろう。



「先輩。尾鷲先輩って元から貧血とか起こしやすいタイプなんですか…?」



「いや。少なくとも、俺が一緒にいる間に貧血を起こした経験はないと思う」



女子は男子より貧血を起こしやすい、というのは聞いたことがあるが、彼女はそういったタイプではなさそうだ。



「じゃあ、貧血を起こすほどまで、尾鷲先輩は何をしたんでしょう」


「…………」


受験生だから、受験勉強とかで徹夜漬けでもしてたんだろうか。


しかし、上野先輩の表情が曇る。


心配してる感じの表情ではなく、何か言いたげな感じだ。



「先輩…何か知ってるんじゃないですか?」



「………………仕方ない。話すしかなさそうだな」



先輩は渋々と言った感じで、尾鷲先輩の話を始めた―――――。










―――――元々、尾鷲冬香と俺、上野秋広は、親が友人同士だったこともあり、すぐに仲良くなった。


幼稚園の頃から仲良しだった俺たちは、小学校でも、中学校でも、非常に仲良く暮らしていた。


しかし、異変が起きたのは、去年のことだった。


冬香の親が突然、事故で亡くなった…。



両親二人で買い物に出かける途中、酒気帯び運転していた車にぶつけられて命を落とした。


親が一人っ子だったうえ、親戚で頼りになるのは彼女の祖父祖母だけだ。


しかし、祖父祖母は年金生活で、彼女と、小学生になる二人の妹弟を養うのは無理だ。


そこで彼女は、生活費を稼ぐためにバイトをしていた。


学校はバイトをすることを認めてはいないのだが、彼女の家の事情を教えると、渋々ではあったが学校も承諾してくれた。


家族を養う分まで働かなきゃいけないのだから、かなりの時間をバイトの時間にしているんだ。



「……バイトでの疲労が溜まりに溜まってってことですか?」



「考えられるのがそれしかない」



俺も協力してバイトして、彼女の負担を少なくしようとしたんだが。



「貴方に迷惑をかけるわけにはいかない」



と言って彼女は俺からバイト代を受け取るのを拒否した。



「冬香はずっと一人で、生活費を稼ぐためにバイトをしてたんだ」



「……………」



―――――頑張りすぎて、頑張りすぎて、その結果が今ということか。



「そんなに頑張ってるのに、倒れちゃ意味がないじゃないですか……」



「あぁ。でも」



「先輩。尾鷲先輩のこと、心配じゃないんですか」



「心配だよ。こいつのことは昔から知ってるんだ。当たり前だよ。でも、冬香は昔から、意地になって、何でも自分の力でやりたがってしまうんだ。俺の心配なんか無視して。俺だって何回も無理するなって言ったのに」



先輩は間違いなく、自責に追いやられていた。



「俺がもっとあいつに言ってやれば。無理するんじゃないって言えば…。ちくしょうっ!」



きっと尾鷲先輩は、上野先輩に迷惑を掛けるのを嫌がっただけではないと思う。


きっと彼女は、「私さえ頑張れば、耐えれば、大丈夫だ」って思ってるのだ。


その結果、それに体が耐えられずに、彼女は倒れた。



「……ダメ。ダメ、ですよ」



「……?」



「先輩。もしかしたら、『自分だけが頑張れば、何とかなる』って思ってるのでしょうか」



「……。そうかもしれないな。こいつのことだから」



「ダメですよっ!そんなの!!!」



思わずここが病院だというのも忘れ、叫ぶように言ってしまう。



「あ、ご、ごめんなさい。大きな声、出してしまって…」



「…………あぁ。大丈夫だけど。どうしたんだ?そんなに、怖い顔をして」



「怖い顔…?」



私の顔は、いつの間にかとてつもなく強張っていた。


身体も小刻みに震える。


あ、だめだ。これは。



「あ、そ、そのっ。えっと」



「……?」



ヤバイ、フラッシュバックする。


ヤバイ、ヤバイ、ヤバイ、ヤバイ―――――










「やーい!犯罪者ー!!」



「犯罪者!!犯罪者!!」



違う!



「学校来るなよ!犯罪者だろ!お前!!」



違う!!違う!!



「犯罪者を懲らしめよう!!」



違うのに!



「犯罪者、稲辺春香を、箒叩きの刑にします!!」



違うのに!!違うのに!!


痛いよ!!止めて!!痛い!!痛いよ―――――!!!!!










「ハッ―――――!!!?」



「大丈夫かよ!?」



私はいつの間にか、地面で蹲っていた。


息が荒く、必死で酸素を取り込む。


小刻みに震える全身が、さらにさっきのフラッシュバックを思い起こさせる。



「ハァッ!、ハァッ!」



「大丈夫!!?しっかりしろっ!!?」



「ごめんなさい、ちょっと、思い出しちゃって……」



「思い出し…?」





「―――――ううん……」



先輩が目を覚ました―――――

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