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PC☆レボリューション  作者: ポーラ・ポリタス
第一章 ~亀山千夏~
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【初めて】歌ってみたを【聴いてみた】

はい。久々の連載投稿です。別の小説がいっぱい残ってるのに、浮気してしまいました><;

でも、この作品はどうしても書きたかったんです!

「ああ~。暇だぁ……。やることがない……」



私、稲辺いなべ 春香はるか


ただいま、絶賛部活動中である……。


部活動中なのに、暇になることがあるのだろうか。


汗水流して必死に部活をやっている方々からすれば、ものすごい疑問だろう。


だが、私の所属する部活ならばありえるのだ。



「今日も来なかったよ。誰も」



暇なのはいつものことなので、慣れちゃってはいるが、暇なのは精神的にも辛い。


私はもう部活動を切り上げようと、さっきまで電源を入れていた「これ」をシャットダウンする。



「あ、鍵返しにいくついでに、茶道部にも寄るか」



茶道部には友人がいる。


そいつと帰ろう。


私は部室に鍵をかけ、鍵を管理している生徒会室に向かったのだった。






「へぇ~、やっぱ今日も誰もこなかったんだ。パソコン部」



「そう。今日でもう半年なのに」



私が入っている部活動は、何と言ってもパソコン部である。



「全員が幽霊部員なのに、春香だけ行っても仕方ないじゃない。さぼればいいのに」



「サボってもいいんだけど、家でやることもないからさぁ」



「勉強すれば?もうすぐ期末試験じゃない」



そう、私の所属する部活動は、パソコン部と言いながらも、実質何も活動していないのだ。


理由は簡単、部員が全員来ないから。


私が入った時には5人だったはずのパソコン部に、誰一人として来なくなってしまった。


そんなことで、私が部活動に参加しても、ただただ暇なのである。



「勉強するくらいなら、暇な方がいい」



「あんた、なんでこの学校入ったのよ……」



友人が呆れた顔をする。


なぜなら、私がこの学校に入った理由も知っているからだ。


知ったうえでこの質問をしたのである。



「家から近いからであるっ!!!」



「はぁ………………。そんな理由でよくこの学校に受かったよね」



私が通う、県立奈楼(なろう)西高校は、県内でもかなり有名な進学校なのである。


しかし、私はそんなことすら知らずにこの学校に入った。


理由は上記のとおり、家から徒歩15分程度だからである。


とにかく、こうやって進学校にある幽霊部に所属し、ロクに勉強もせず、いつもダラダラと暮らしているのが、私、稲辺春香なのである。



「あ、家にいつの間にかあんな近くに。じゃ、また明日ね!」



「もうちょっとちゃんと勉強しなきゃ、期末で赤点取っても知らないよ…」



友人もなんだかんだ言って私の心配をしてくれるのだからありがたい。



「……ま、やる気になった時にやります」



いつもこんな返答しかしてないけどね……。











「ああ~~~。今日も来ないなぁ……誰も……」



次の日も部室にて一人でパソコンを弄る日である。


とはいえ、やることもない。


yo○t○beで動画検索でもしようか……。


そういえば、最近太ってきた気がするんだよなぁ。


簡単にできるダイエットでも検索してみようか……。


私はあまりにもライトユーザーのため、ネットもあまり使えないし、実はtwi○○erとか、f○c○bookとかもやってない。


LIN○とかもあまり開かない。


だいたいやっても三日で飽きる確率の方が高いからやらないし、やり方もよくわからないからである。


なんにしても、すぐに暇になりそうなことしか思いつかない。



「………適当に動画でも漁るか……」



y○utu○eで動画でも見よう。


さっそくサイトを開く……と。



「いつも気になってたけど、この【歌ってみた】ってなんなんだろう?」



ごくたまに見ることができるこの【】付きで表示されてる(いないときもあるが)、この「歌ってみた」っていうのはいったいなんなんだろう?


何が「歌ってみ」てるのだろう?誰が「歌ってみ」ているのだろう?そもそも何を「歌ってみ」てるのだろう?


この一本松っていうのが曲名なのだろうか。


ということはこの、「【一本松】JKになりたての私が【歌ってみた】」というのは、「一本松」という曲を、「JKになりたての私」という人が「歌ってみた」のだろうか。


…………意味が分からん。


こんな分かりにくい表示じゃ、私みたいな人間では理解できないだろうが。


まぁ、見る動画もないし、勇気を出してこの動画を見てみるか。


というか、「歌ってみ」てるのに、動画なのだろうか?


疑問はたくさんあるが、とにかく見てみよう……。



クリック!



『~~~~~~♪♪』



歌詞も意味が分からない、というか、流れてきた曲は知らない曲だった。


なのに、この動画から流れてくる声は、非常にいい声で、楽しそうに歌っていた。


いわゆる「アニメ声」とでも言うのだろうか、このいかにも「作った声」は、私のようなド素人でもわかるようなものだったが、歌っている彼女が、とても楽しいことは分かった。



「ふぅ~ん。でも、この人、素人なんだろうなぁ~」



なんというか、プロの歌手のような、凄味がないように感じられた。


いや、何も知らない私がこんなこと言うのはこの「彼女」に失礼だろうが。



「『上手い人のカラオケ』って感じだよね」



友人もカラオケが上手いが、歌うとこんな感じである。


なんにしても、プロじゃなかった。


まぁ、上手いのだからなんでもいいのだが……。










『~~~~~~~~~~♪』



「あ、『一本松』だ」



この歌は、かなり名曲、いや、神曲と言っても差し支えないレベルの曲である。


中には国歌にしたいっていう人もいて、だいたいこの「ジャンル」のなかではトップともいえるような曲であるが……。



「なんでこの曲がかかって………っていうか…………この声………………」










『~~~~~~♪♪♪』



「アップテンポだし、なんか、いい曲って感じ」



でも、この曲はこの人のオリジナルではなさそうだ。


同じようにこの曲を「歌ってみ」てる人がたくさんいるのが、おすすめ動画の部分に映る。


他の人の感じはまた違うのだろうか?


ちょっと見てみようか。



「今度はこっちに―――」

「うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」



突然の悲鳴!


開けられる部室の扉。



「え、な、なに!?」



「あなた、今、なんの曲聞いてたの!?」



目の前にいたのは、私と同じ制服を着た、私と同じ一年生と思われる女の子だった。


全速力で走ったのか、少し荒く息をしながら、顔を赤くしている。



「え、えと、私もよく知らないんだよね」



「えっ」



急にきょとんとした顔に変わる彼女…。


いやいや、そんなになんで表情が変わるのだ。



「なんかよく分からないから、ちょっと聞いてみようかと思って見ただけなんだけど……というか、あなた誰?」



「え……あ、あの、えっと、その……」



そして急におどおどとした表情に変化する。


よくもまぁそんなに顔が変わるものだ。



「あの、えっと、えっと、その、動画、『【一本松】JKになりたての私が【歌ってみた】』っていう動画じゃない?」



「うん、そうね」



「ど、どうだった…?」



「うーん、上手いけど、カラオケって感じ?上手い人のカラオケを聴いてる感じだよね」



「――――そうなんだ。へぇー」



で、そのあと、虚ろな目になる。


そしてセリフは棒読み。



「ごめんね、急に入ってきて。お騒がせしました」



そういって立ち去って行ったのだった。



「で、結局、何の用事で来たんだろう?」



この歌っている人の声、嫌いじゃないんだよなぁ。


もっと他の曲はないのかなぁ?


○outub○で初めて調べることができたのだった。

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