番外編 テコ入れ2
本日もよろしくお願いしまs
可愛いのに、本当に残念な人だ。可愛くて清楚なメイドさんが欲しいな。もちろん心の底まで清楚な。そう腐ってはない新鮮な感じの。
「いますごく失礼なこと言われたきがするんですけど!?」
「嫌だなぁ、心の中でしか言ってないですよぉ」
「あれ!? 言われてはいるんですね!?」
鳳咲家のメイドさんである香透楓さんが、複雑そうな顔をして、眉を寄せた。
楓さんのことは好きだ。愛している。でも少し、腐ってるのだけは勘弁して欲しいところだ。本人曰く、男性苦手を克服するためらしいが、逆効果じゃないか? そう思うの俺だけ?
男性をBLで学んでも、実際そういうこと一切ありませんからね! 俺としては一切ご勘弁ですからね! 楓さんの妄想の中に存在できるのは非常に光栄であるが…。
しかし、苦手を克服しようという姿勢は、非常に評価に値する。男が嫌いで、それを克服せずに、そのまま独身を貫く女性も少なからずいるだろう。誰しもできる容易なことではない。
でも、どこを間違ってBLから学ぶことになってしまったんだろう。正直そこに関してはこの人の最大の汚点というべきだ。せっかく可愛いのに本当に勿体ない!
どうにかして、この人をどうにかしないと、鳳咲家が生み出した腐の遺産と化す。
「楓さん、俺が何としてでも貴方を変えてみせます」
「私はなんで、時雨君に可哀想な子を見る目で見られているんでしょう…」
「あなたの腐りきった核を取り除いてみせます!」
「あれれ、なんで時雨君は私に対して、決意を固めた主人公のような目線を向けられているんでしょうか!?」
「一緒に頑張って行きましょう!」
「なんか分からないんですが、時雨君が頑張ってくれるなら、私も頑張ります!」
「もちろんです! 手始めにおっぱい揉ませてください」
「はい! もちろんです! って騙されてたまるもんですかー!!」
楓さんは、それはそれは見事なノリツッコミをするのであった。
それにしても、楓さんは上手く流れを作れば、なんでもできそうだ。俺が楓さんのおっぱいを揉む日も近いというものだ。オラ、ワクワクすっぞ!
「じゃあ楓さんは仕事に戻ってくださいねー」
「私ここで退場なんですか!? 私もすこしテコ入れに関して意見があるんですよ!」
「へー、どうせBLでしょ」
「そうです!」
「潔いなこの人」
「まずは、登場人物全員男子に変えます」
「フルメンズ!? じゃあ楓さんたちどうするんですか!?」
「私とお嬢様達は諸事情により海外に行きます!」
「そんな展開誰も求めてねぇー!!」
わかってはいたが、まさかの女性陣撤退! こんな展開、読者どころか、俺が期待しないし、絶対にさせたくない恐ろしい未来だ。
楓さんとの会話をしていたら、どうやら不機嫌そうな早月お嬢が会話に介入してくる。
「もうキリがないから、時雨を消しましょう」
「まさかの主人公排除!?」
「私もそう思います。変態ですし」
「うーん、まぁそういう生活もなくはないかもしれませんね」
「ちょっと!? 皆さん!?」
やだ、私支持率低すぎ!? まってまって、ここで主人公排除してどうするっていうのさ!
「落ち着いてください、主人公を排除して、だれを主人公にするんですか!?」
早月お嬢が俺の発言に一度停止。一度「うーん」と目を上にする。
そうだ悩むだろう。俺以外に主人公適正キャラはこの屋敷にはいない! 考えてみろ、笠神さん、鬼船さんは主人公気質でもないだろう。なおさら女性はダメだ。楓さんは腐女子だし、早苗お嬢は常に寝てるしやる気もない。早月お嬢は…胸がない。
「おい、今なんか失礼なこと言ったわね」
「そ、そんなことないですよー」
なんで、早月お嬢は失礼なことを心の中で考えると、察知してくるんだろう。もはや以心伝心とるか…。
「早月お嬢は本当に可愛いなって思っただけですよ! そりゃエロゲで最初に攻略するくらいには!」
「なんでアンタは余計な一言が多いのよ!」
「余計な一言なければ付き合ってくれるんですか!?」
「主人と使用人は付き合えないわ」
「なんてリアルな断り方!? そこは数多くある執事系作品的にNG発言すぎるでしょう!?」
冷静に考えると、主人と使用人が付き合うなんて難しいどころか不可能なんじゃないかって思う。まぁ、そこは愛さえあれば関係ないよね!
「時雨をクビにして、新しい使用人を雇うわ、それで主人公交代」
「リアルな変更きたああ!?」
死ぬほど泣いたら、勘弁してくれました。
最後まで読んでいただきありがとございます
次回投稿は明日です。よろしくお願いします