番外編 テコ入れ
お待たせしました
この物語にもの申す。
そろそろこの小説も長々続けていくのは限界がある。それはそうだ。サ〇エさんのごとく話の展開等#皆無で、ただ時ばかりがすぎている毎日。こんなのでいいのだろうか。いや、良い訳が無い!
「つまり、テコ入れをするべきだと思うんですよ!」
そう俺はさけぶ。心が叫びたがっていたからね。
俺の発言に、笠神さんが眉を八の字にする。
「テコ入れって言われても、今更何をするっていうんだい?」
「フッ…」
「鼻で笑われた!?」
甘い、甘いですよ笠神さん。まだ何もわかっていない。この物語に足りていない要素があるじゃないか!
「恋愛展開です! この小説には恋愛展開がないんですよ!」
「誰と誰が恋愛するって言うのよ!」
俺と笠神の会話に割って入ってきたのは早月お嬢。相変わらず俺のセリフをぶった斬るのが好きらしい。
「えぇ〜? お嬢気になるんですかぁ〜?」
「うわ、うざ…どうせ時雨と私とか言い出すんでしょ」
「ぶっぶー! 違いまーす!」
「へ?」
はっ! 何を勘違いしているんだこの女! 俺がいつお前と恋愛をするといったのだ!…大体の話で言ってたわ。まぁ、ともかくだ。俺が考えるのは要するにこうだ。
「新しいヒロインの登場です!」
「今更そんな都合のいい展開あるわけないでしょ!」
「そこは頑張ってくださいよ! 権力的な意味で」
「権力的な意味で!? お金を使ってキャラ増やそうって魂胆なの!?」
「そうです! メイドさんを雇ってください!」
お金を使ってメイドさんを雇う→俺と仲良くなる→好きになる→結婚っていう流れをつくれるだろ! 後輩メイドにあんなことやこんなことをしちゃったりしてぇ!
「とりあえず、物語のテコ入れではなく、時雨の欲求不満を解消したいだけね」
「時雨くんは、きっと早月お嬢様達に、相手されなくて寂しいんだと思いますよ」
「構っても構わなくても面倒くさいって最悪ね」
とんだ言われようだ。べ、別にかまって欲しいわけじゃ無いんだからね! ちょっとエッチな展開望んでるだけなんだから!
「じゃあ、とりあえず新ヒロインは妥協してやりますよ。俺を愛してくれないと登場する資格ないですからね」
「こいつ何様なの…」
「もちろん、早月お嬢は俺のこと愛してくれてるからこそメインヒロインな訳ですからね!」
「それどこの世界線の話?」
「俺の願望の世界線ですかね」
「悪意に満ち溢れている世界ね」
む、失礼な。俺にとって、自分の理想を思い描く素敵な世界だというのに。もはや俺の夢や創造力はデデニーランドを超えていると言っても過言ではない。
「新キャラはともかく、ある程度内容のある物語にしませんか?」
「内容がないのがこの小説なんじゃない!」
「え、そんなこと言ってましたっけ? まぁ方向性を変えるのも大切ですよ」
「やばいわ、テコ入れどころか、展開が迷走していく未来が見える」
「とりあえず、俺が異世界に行って俺TUEEEE展開して、色んな女の子の心をキャッチしてきますね」
「多分異世界でも時雨はモテないと思うわ」
「じゃあエロ展開にしましょう。俺以外の男子はウィルスで全滅。子作りに励むっていう終末的なの」
「それ僕死んでるじゃん!?」
笠神さんが食らいつくようにツッコミを入れてきた。まぁまぁ落ち着いて。
「じゃあ、笠神さんも辛うじて生きてたけど、ワクチンを求めるため火星にでも飛んでったって設定で、そこで突然変異したゴキブリと戦ってきてください」
「色々話ぶっ飛びすぎてて何が目的なのかわからない!?」
「人為変態っなんかエッチですよね」
「知らないよ!?」
「ほんと笠神さんは我儘ですねぇ」
「え、ごめん…って僕のせいじゃないよね!?」
「じゃあ、笠神さんの番外編を制作しましょう」
「え、僕の!?」
笠神さんは細い目をキラキラ輝かせた。あ、自分にスポットライトが当たるのが嬉しいんだな。出番全然ないし。
「笠神外伝ってどうですか!」
「かっこいい!何か和風アクション的な感じのカッコ良さが引き立ってていいね!」
「内容は笠神さんと鬼船さんの甘い恋愛ストーリーで」
「タイトルに対してストーリー酷すぎない!?」
「いいんですよお、男が乳繰りあってればそれなりの層から支持得るってもんです」
「支持!? 誰得なんだよそれは!?」
実際、一定層から、それなりに需要はあるかもしれない。俺は絶対にNGだが…。すると何やら、廊下からこの部屋に、小走りで近づいてくる足音が聞こえてくる。その足音は部屋の前でピタリと止まり、勢いよく、ドアを開けた。
そこにいたのは…
「なんか呼ばれた気がしたので来ました!!」
「退場してどうぞ」
楓さんだった。
最後まで読んでくれてありがとうございます。
本日より
8/1:番外編 8/2:番外編 8/3:本編
連続で最新話を投稿させていただきます。
それ以降は1週間~2週間おきの投稿になります。
そして、最新話投降と並行して、既存の話を加筆修正していきますので、今後ともよろしくお願いします。