番外編 改めた日常
お久しぶりです。
一カ月更新と言いながらだいぶぎりぎりで、申し訳ありません。
改めてお久しぶりです。ご機嫌麗しゅう。
俺の名は双馬時雨、現在色々な事情合って執事をしている。話を投稿するのが久しぶりすぎて全く自分自身の生活を忘れてしまった。なので、改めて自分の生活をこの回で振り返ってみようと思う。
ちなみに作者的に、今回は番外編的な扱いなので本編とは全く関係がない。もう一度言う。本編とは全く関係がないのでセクハラしても許される。
俺の朝は早い。ベッドから起き上がると、カーテンからはみ出た、かすかな光に照らされる。今日はいい天気だ。そう気分良い目覚めの中、ふと隣をみると、パジャマ姿で、無防備な寝顔を見せた華奢な女性が寝ている。空色の美しい長髪で、猫を思わせる顔つきは非常に愛らしい。普段はツインテールにしているため、寝ている姿は新鮮だ。
彼女の名前は鳳咲早月、俺の主であり、俺の女だ。
なんて目覚めが良いんだ!!!! 朝起きたら同じベッドに可愛い女の子がいるだなんて!! これほど幸せなことがあるだろうか!
そんなことを心で叫びながら、無防備に寝ている早月お嬢の頭をそっと、なでる。
すると、早月お嬢は「んん…」と声を上げる。
おっと…可愛すぎて欲情してきたぜ。だがしかし、ここで手を出しては男が廃る。俺はあくまで紳士のため、寝ている女の子には手を出さない。俺はこうやって寝顔を見ているだけで十分幸せなのだ。…と、いうわけで俺はお嬢の胸を触った。軽くだ。揉むことはしていない。ないからだ。
10分後
「ぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
向かい合って寝ている俺の顔を見て、お嬢が一度硬直し、早月お嬢の叫びが屋敷中に響き渡った。朝からよくそんな声を出せるものだ。
早月お嬢はベッドから飛び降り、ゼエゼエと息を荒げながらこちらをきつい顔で睨みつける。やめろ、興奮するぞ。
「時雨!あんたいつから私のベッドにいたわけ!?」
「いつからって、お嬢と一緒に寝たじゃないですか?」
「そんなわけないでしょう!私が寝るときは誰もいなかったもん!」
「正直に言うと、寝た瞬間を見計らってベッドに侵入しました!!」
「正直でよろしい!しんでしまえ!!」
今日も、朝から早月お嬢の罵倒を浴び、気持ちの良い朝を迎えることができた。日差しを浴びるより気持ちいね。
「でも早月お嬢、恋人同士が一緒に布団を共にすることの何がいけないっていうのですか!?」
「逆切れしないでよ!!っていうか恋人になった覚えはないし、する気もないわよ!!」
「そんな!?」
どうやら、俺たちは恋人ではなかったらしい。
まぁ、こんなことはいつものやり取りである。早月お嬢が就寝したら俺が部屋に侵入する。そしてベッドに入る。なんてことはない。いつも通りの日常さ。
そしてなんと、お嬢の部屋の上の階は俺の部屋だ。俺はこの屋敷を改造して、俺の部屋から下の階へ通じる、収納型ハシゴを作りだしたのだ!
これによっていつでも早月お嬢の部屋に侵…侵入できるよ!やったねハッピー!DIY的な
「そうやって、毎度毎度言ってるけど!布団には入ってこないで!」
「わかりました!!」
「え、あ、わかればいいのよ…」
「布団には入りませんが、上からずっと眺めてます!」
「それもいやよ!!!!」
「わがまま言うんじゃねぇ!!」
「キレた!?」
朝の俺の営みというのに…。
毎朝、早月お嬢の寝顔を見ないと1日が始まらないのだ。
「じゃあ俺は、いったいどうすればいいんだ!!!」
「普通に自分のベッドに寝て、普通に起きなさいよ」
「あ、じゃあこうしましょう!早月お嬢が寝ている間に、俺がお嬢をサルベージして、俺の部屋のベッドに連れてきます!」
「怖すぎ!そこまでする必要あるの!?」
「こうすればお嬢のベッドに入らずにお嬢と一緒に寝れますよ!」
「あんたの脳みそ、もうちょっと違う使い道できないの!?」
「俺の脳は、ほぼすべて性へ向かいます」
「ほんとあんた最低!もういいから仕事しろー!」
★
「ということがあって起こられました」
「普通怒りますよね!?」
今朝の話を、俺の2つ上の先輩メイドの香透楓さん。俺より若く見える童顔で、太ももまで伸ばした艶の黒髪は非常に美しく、大和撫子って感じだ。そして程よい大きな胸。ここが大事だ。大きすぎず、小さすぎず、絶妙にエロい感じだ。好き。
その楓さんに話したら、何故か俺の気持ちを分かってもらえなかった。好きな人と一緒にいたいという気持ちは皆分かるよね?
「時雨君はちょっとその…変質者っぽいです」
「ええ!?」
「今更そこで驚きます!?」
「俺はちょっとスケベなだけで、好きな人と一緒にいたいっていう気持ちに対して、ちょっぴり普通の人より行動力があって、大胆なだけです!」
「捉え方次第でストーカー的な感じですね!?」
おかしい、なんで分かってくれないんだ。俺がおかしいのか?
いや、そんなことはない。俺はこの物語の主人公だ。俺正義、俺絶対。
つまり俺が何をしてもこの物語において正義実行であるに違いない。つまりセクハラも正義である。
「はぁ…時雨君も、鳳咲家の使用人なんですから、それらしい行動を心掛けないといけませんよ」
「おお…楓さん、すごい真面目な話に切り替えましたね」
「いや、普通使用人が主に対してセクハラはしませんからね!?」
「じゃあわかりました!楓さんにセクハラします!」
「ええ!?」
「主にはダメでも、使用人である楓さんならセーフですよね!」
「主とか使用人とか関係なくないですか!?」
「婦女子だし」
「ちょっと!今失礼なこと言いましたね!」
そう、楓さんは根っこから腐りきってる腐女子だ。
俺ともう二人いる執事との妄想をしている。正直この人に変態扱いされても、なんとも言えない感情になる。逆に同情すら覚える。
俺は「楓さん」と、じっと目を見て言葉を続ける。
「考えてみてください。俺は確かに早月お嬢と早苗お嬢にセクハラをしてます。否定はしません」
「そ、そうですね」
「しかし、ですよ。あなたは俺と笠神さん、鬼船さんのカップリングを考えたことがありますね?妄想したことありますよね?」
「!!??」
楓さんは、唖然とした顔をし、額に汗を流している。その汗、俺が舐めていいですか?
俺はまだ言葉を続ける。
「楓さん、これって俺たちに対するセクハラではないですかね?」
「なっ!?」
「ち、違いますか楓さん?」
「で、でも…私は勝手に妄想しているだけで…」
「でも本人が不快に思ったらどうです?」
「う、うう…ごめんなさい」
楓さんは、少し泣きそうな顔になって顔を下に向けた。先輩をいじめるの興奮する。
でも実際そうだろう?俺がセクハラしているのは認める。しかし楓さんも俺と笠神さんのチョメチョメを妄想している。ある意味両方セクハラだ。
「そういう意味では痛み分けってことですね」
「は、はい…」
「というわけでおっぱい触っていいですか?」
「は、はい…」
!?
え、今なんて言った?Pardon?
おっぱい触っていいかの問いに対して、はいと答えましたか?
もう一度確認します。おっぱい触っていいって聞いたら触ってくださいって答えましたか!!??
嘘だろ、この小説、確かあらすじで言っているように、エロはない。日常コメディーなはず。いつからエロ解禁になったんだ!?
気付いたら好きなグラビアがAV女優になってしまった時と同じ、嬉しくもあり、複雑な気分だ。
「楓さん、もう一回聞きますよ?いいんですか?」
「私は何回も妄想していました。立派なセクハラです。時雨君のことは何も悪く言えません」
「つ、つまり?」
「触られても文句は言えないです」
うっひょーい!
神様ありがとう!俺、漢になります!
全世界のすべての食材に感謝を込めて!いただきます!
俺は暴れる右手の衝動を、抑えられず、己の欲望のまま右手を楓さんの胸に伸ばす。
「あ、待ってください」
「えっ」
楓さんが、俺の手を止めた。
「冷静に考えると、それで触らされるのはおかしいです!!」
「…ちっ」
「舌打ちしました!?」
はぁ、俺の口車に載せられて冷静にいられなくして、おっぱいを触る作戦であったが、失敗に終わったか。こんなの、あんまりだ。
実際、楓さんの妄想の中に俺が出てくるのは色んな意味で良いことだ。正直ホモはNGだが…。
「メイドさんなんですから、おっぱい触らせてくださいー」
「なんでですか!?メイドに対してどんな偏見持ってるんですか!?」
「ご主人様にエッチなご奉仕をしてる感じですね!!!」
「ドヤ顔で言われても…」
メイドにエッチなご奉仕してもらうのって全世界の男子の夢だよね。一度はそういう妄想してもおかしくないと思うんだ。全世界の男子にその夢を託されている俺の身としては何としてもやり遂げたい。
それが果てしなく続く茨の道でも、俺は戦い続けるぞ。
「…なんかかっこよくモノローグで語ってますけど、言ってること最悪ですね…」
「俺の思考を読んだんですか!?」
「ダダ漏れですね」
「ついに楓さんとも以心伝心してしまったか、結婚するしかないな」
「うーん、困りますねぇ」
「マジで困られると悲しい!」
楓さんと結婚出来たら相当家事をしてくれそう。すごい良いお母さんになりそう感が半端じゃない。前世で楓さんの子供になりたい。…きもいな。
オチもくそもないが、毎回セクハラばっかしてもお咎めがないところがこの屋敷の寛大さである。次はだれにセクハラをしようかなぁ~ぐへへへ。
「そろそろ警察呼びますね」
「ごめんなさい」
最後まで読んでくださってありがとうございます。感想お待ちしています。




