第46話 メリクリ
クリスマスイヴが終わりクリスマスの朝。一般的に子供の枕元にはプレゼントか何かを置いてあるものだ。ここでこの屋敷の使用人こと双馬時雨はお嬢たちに何かをプレゼントしようかと思索したのだが一向に何を送ればいいのかわからない。早月お嬢の誕生日にネックレス送っちゃったからもうネタ切れだ。ぬいぐるみにするか? それとも指輪? といろいろ考えた挙句笠神さんたちと相談して早月お嬢にはゲームの詰め合わせ(ゲーム好きだったの忘れてた)そして早苗お嬢にはインスタントラーメン一年分となった。両者それで喜んでいたから俺からは何も言うまい。これからはもうちょっとお嬢たちの好きなものを知っていこうと思う所存である。
…というわけで
「「「「「「メリークリスマース」」」」」」
鳳咲家の住人で今更クリスマスネタだけど仕方ないよね!
「ネタがないからクリスマスネタなんですけど、ぶっちゃけクリスマスだからってやることないですよね」
「そんなこと言われても困るんだけど…だけどやっぱりパーティーしかやることがないかも」
早月お嬢は困り気味に声を出した。クリスマスっていったらデートイベント? 俺には無理さ! だって早月お嬢にも早苗お嬢にも楓さんにも断られたからね! 皆恥ずかしがり屋なんだから!
「まぁ皆でパーティーってのもいいですけどね~」
「鳳咲家ではクリスマスパーティーは定例行事なんだよ」
笠神さんが割り込んでくる。鳳咲家では定例とはいうものの親たちはいないんだな…まぁそこは触れないでおこう。
「それにしても美味そうな料理ですねー! 笠神さんが作ったんですか?」
俺は長テーブルに並べられている料理に目を向けて言った。チキン…などと言った料理がたくさん並べられている。どれもめちゃくちゃ美味そうだ。
「このチキンめっちゃうまい!!」
「あ、それケン○ッキーの奴だよ」
「なんでケ○タッキーのフライドチキン買ってきてんだよ!」
いや、KFCのチキンうまいけどさ! うまいけどアレだろ! ここはちゃんと作らないんだな!
チキンを平らげた後、俺は早苗お嬢と早月お嬢が二人仲良くお話しているところに割り込んだ。
「お嬢! 何で俺の作ったサンタコス着てくれないんですか!!?」
「嫌だからよ。あんなスカート短いやつ」
早月お嬢はどうやら恥ずかしかったようだ。今度は少し長めのものを作ることにしよう。
「早苗お嬢も恥ずかしいからですか!?」
「胸周りがブカブカだったから」
「スイマセンでした」
おかしいな…早月お嬢も早苗お嬢も同じサイズで作ったはずなのに…早苗お嬢だけ胸周りがブカブカになってしまったのか?
…いや待てよ。そもそも早月お嬢は恥ずかしくて着なかったと言う。早苗お嬢は胸の周りがブカブカと言ったということは! 俺の作ったサンタコスを着てくれた! ということだ!!!
「早苗お嬢…今俺幸せです。ありがとうございます!」
「え? …どういたしまして」
次回来週の日曜日!
最近日曜になって「あ、今週投稿してない!」ってなります。