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第44話 デュエル!

さぁやってまいりました。第1回鳳咲家使用人トランプ大会! ルールは簡単! 単純に大富豪(人によっては大貧民)で大富豪になったら大貧民になったやつに一つどんな命令でも従わせるというルールを加えた俺様歓喜の大富豪だったのだが、俺がもし大富豪になったということを考えてエロいことは禁止というルールを俺以外の使用人どもが加えやがった。何なんだこいつら! 俺がこのゲームをやる意味がなくなっちゃうじゃないか!

 だがしかし、双馬時雨…諦めない男だ! どうせなら楓さんを頑張って負かして……そうだな、何にするかは勝ってから考えようか…

 しかしこういうパターンで俺みたいなキャラは即負けることはお決まりのような気がしてならないが、生憎俺は負ける気が全く無いんでね! 勝たせてもらいますよ! 

 この大富豪において使うルールは8切り、階段、しばりノミにした。イレブンバック等々を知らない人がいたからだ。

 


「さて、始めましょう。まずはスペード3持ってる人からで」


 俺の掛け声にまず、笠神さんが反応し、スペードの3を出す。順番は笠神さん→楓さん→俺→鬼船さんだ。

 その次の楓さんがハートの7を出した。さぁ次は俺の番だ。ちなみに手札は以下のようになっている。


「俺のターン! ドロー!」

「いや、これ遊○王じゃないですから」


 ハート3 クローバー3 ダイヤ3 ダイヤ8 スペード8 ハート10 スペードJ スペードQ スペードK スペードA


 どうやら神は私に味方してくれたようだ。フフフ…ハハハハハハハハハハッハハッ! 俺はまずダイヤの8を出し8切り、

そしてスペードのJ、Q、K、Aを出し、階段革命だ!!!! ちなみに革命をすると小さい数字が強くなる。3が最強だ。

 

「やってくれたな双馬…俺はパスだ」

「僕もだよー」

「私もですー」


 これで俺の勝利は決まった! 俺はここでスペードの8を出し8切り、そしてハート、クローバー、ダイヤの3を出す。これに対して3人は口を揃えてパスという。俺は最後の1枚ハートの10枚を出し、


「あがりーーー! 完全勝利だぜぇぇぇぇ!」

「スゴいね時雨くん まさかもう終るだなんて」

「こ、これは負けられません……」


 負けフラグだと…? そんなもの俺のエロ力に勝てるとでも思っているのか? 片腹痛いわ!

 さて、これからが問題なのだが、楓さんが大貧民にならなくては全く意味がないのである。男に命令することなんてないしね! 


  


 ★




 しばらく経って残り2人、笠神さんと楓さんが残った。革命はそのまま。俺と鬼船さんは2人に勝負の行く末を見守ることとなる。笠神さんの手札は4枚。楓さんは3枚。正直どちらが勝ってもおかしくないこの状況。

 今、場には鬼船さんが最後に残したカード、スペードの10だ。3を全て使い切ってしまった今、一番強いカードはジョーカー…。しかしジョーカーは笠神さんが序盤で使ってしまっている。そうとなった今、4が一番強い。


「楓さん、負けてくださいよ」

「嫌ですー!」

「楓さん、悪いけど勝たせてもらうよ!」


 笠神さんはハートの8を出し8切り、その後スペード、ダイヤの4を2枚出し、残りのハートのKを出した。見事だ…。楓さんは成す術なく敗北だ。


「ま、負けてしまいました……」

「うっひょおおおおおおお楓さんおめでとうございますぅぅぅぅぅぅぅぅぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

「イヤァァァァァ! 最悪ですよおおぉぉぉぉぉ!」


 何故だい? この僕ちゃんの命令を聞けるだなんて大歓迎するところだよね!? やったー! 生きてるって素晴らしい! しかしこの勝利は俺だけのものではないことは承知している。お礼を言うべきは笠神さんだ。


「笠神さん。今アンタ最高にカッコイイっすよ!!」

「ありがとう時雨くん。やっと先輩らしいことができたと心から思えるよ!」


 笠神さん…アンタやっぱり良い人だったんだな…。ごめんなさいホモ要因とか言っちゃって。これからは改めなくちゃいけないね。最高に今輝いてるよ!

 そうして俺は笠神さんと握手を交わし。また一つ深い絆が生まれたのであった。


「――――――――さぁ、楓さん。ここからが本題だ」

「…っ」


 楓さんは俺の発言に少しビクついて、涙目でこちらを見る。やめろ興奮するじゃないか。ここで何を命令するかは俺の自由! エロいこと以外でらしいのだが…。

 俺は勝利したあと少しばかりどんなことを命令するかを考えていたのだが正直エロいこと以外あんまり頭に浮かばなかった。…という訳でどうしようかと悩んだ挙句、俺が憧れていたシチュエーションとは何かと考えてみたんだが、結論はこうだ。


「俺のことを毎朝起こしに来てください!」

「……あれ? い、意外と普通ですね……それならできそうです」


 楓さんは俺の言ったことに意外性を感じたのか、少しだけ驚き、安堵した。


「だけど条件があります」

「え?」


「俺のことはお兄ちゃんって起こしてください!!」

「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」


 そう、妹属性である。お兄ちゃんと一度でもいいから呼ばれたい! 兄妹がいない男なら一度くらいは思ったんじゃないか? これは契機だ! エロいこと以外で俺がされたいことはこれだ!!


「別にずっとじゃないですよー、それだとハードですからねー。朝起こす時だけでいいですよー」

「そ、そそそそ、それは嫌です!」

「何でも言う事聞かなきゃいけないんですよー!」

「で、でも」


 楓さんは恥ずかしそうに顔を隠す。まぁハードプレイなことは俺にもわかってる。多分やられた暁には俺も恥ずかしい気がする。笠神さんが楓さんに向けてこう言う。


「責任というのは大事だよ楓さん?」

「笠神さん! アンタ今最高にカッケェっす!」

「ありがとう時雨くん!」

「何か私いじめられたますよね!」


 明日から楽しみだ。俺は毎朝幸せな思いをするのか…これは明日から頑張れるな! すると鬼船さんが俺に対して、


「しかし双馬よ、年上にお兄ちゃんなどと呼ばせるなど貴様も中々マニアックだな」

「YES!」




 




来週も同じ時期に更新されてますよ~多分

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