第43話 集まりし者たち
ソウルキャッチャーズっていう漫画が面白いんですよ(ステマ)
冬といえば連想するものとはなんだろう。雪? クリスマス? 赤いおっさん? 違うね! コタツさ!
コタツの中で女子と一緒に入るのさ! 脚と脚が密着するドキドキ感を俺は味わいたい! さぁ早月お嬢! 早苗お嬢! 楓さん! 一緒にコタツの中でエンジョイしましょう!
「ってなんでお前らなんだァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!」
コタツの中には3人の女子と俺が入るはずだったのに、実際にコタツに入ってるのは笠神さんと鬼船さんだった。男3人でコタツの中入ってる絵なんてむさ苦しくてしょうがないじゃないか! アホォオォオオオ!
「ひどいな時雨くん。僕たちの仲じゃないか」
「そうだぞ双馬。コタツは皆のものだ」
「違うの違うのー! 俺と女の子のものなのー!」
「久方ぶりの登場だというのに何なのだこの仕打ちは…」
鬼船さんはムスっと納得し難い顔をした。アンタはぶっちゃけ部屋に引きこもってるんだから、わざわざこのコタツルーム(使用人室)に来る必要はないでしょ! あの部屋暖かいし!
「時雨くん、君の言い分はわかるけど僕たちだって寒いんだよ」
「知るかー! ホモは消えろー!」
「ド直球ストレートで先輩に向かって悪口を言ってきた!?」
何とかしてこいつらをコタツから追い出さなくてはならない。そもそも俺がコタツから出ればいいんじゃね? いや、そしたら俺の女の子とイチャイチャコタツ生活計画が水の泡とかしてしまう。
ここで俺が取るべき行動は………。
………もう無理! 諦める!
「笠神さん、黙ってコタツは入るのもあれなんで、何か面白いこと話してください」
「うえぇぇぇ!? 無茶ぶりだよぉぉ!」
「じゃあ何でもいいから取り敢えず何か話してくださいよ」
「…仕方ないな、じゃあ僕の初恋の話を」
「鬼船さんこないだでた新作のエロゲーどうでした?」
「あれか、絵だけの作品だったという印象だ」
「まじすかー」
「ねぇ!? 僕の話聞く気無いでしょ!?」
「え? なんでしたっけ?」
まぁ正直なこと言って男の初恋だなんて興味ないね! 女の子のには少しあるけど。というか男3人なんでこんなに話が弾まないのだ。俺はまだこの人たちに出会ってから半年くらいしか経ってないけど笠神さんと鬼船さんは何かしら話すことの1つや2つあっても良いような気がするけどな。そんなことを考えているとメイドである楓さんが部屋に入ってきた。
「廊下は寒いですねー、この部屋は暖かくてイイです~」
「楓さんきたあああ!」
「どうしたんですか時雨くん!?」
やっと来た! この時を待ってたのさ! こんな糞みたいな男所帯に舞い降りた1人のエンジェル!
「さぁ楓さん! 俺の隣に来てください! 一緒に暖まりましょう!」
「嫌ですよ! 絶対に悪意あるじゃないですか!」
「悪意しかないですけど?」
「肯定しました!?」
「素直になった方がいいと思いましてね」
「そっちの方面では素直にならなくていいです!」
楓さんは依然としてコタツの中に入ろうとしてこない。それは楓さんが男嫌いということが理由なのだが。あ、でもこの人腐ってんだ。忘れてた。きっとこの人、男3人で一緒にいるから良からぬ妄想をしているかもしれん…なんという破廉恥極まり無いことだ! 俺には負けるけどね!
「しかし暇だ。何かないんですか」
「何かって言われてもねー。あ、トランプあるよ」
「暇つぶしにはちょうどいいですねーやりますか大富豪!」
「久々に腕がなるな」
「ルール少し曖昧です…」
この適当感である。しかしただトランプをやるだけではつまらない。
「こういうのどうです? 最初にあがった人が最後の人に何でも言うことを聞かせるっていうのは」
「あ、悪意しかありません!!」
「面白い受けて立とうではないか」
「何でもか…考えておかなきゃ」
楓さんがめちゃくちゃ動揺している中男連中の目は真剣そのもの。俺を含めこいつらは本気で勝ちに来る…誰が勝とうがマトモな命令をするなんてことはまず無いと考えていいだろう。俺はもちろん最初に勝ち、楓さんをビリにしなくてはならない。もちろんエロいことをするためにだ。だからこの勝負…絶対に、
「「「「(負けられない…!)」」」」
次回更新来週の土日どっちかデス。