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第36話 我が名は

もう一年経ってますよ。意外



「……ここは…どこだ?」


 目の前に広がるのは黒のみ。それ以外何も見えない。


「そうか……俺は、死んだのか……」


 思い出した、俺は早月お嬢に金的にダイレクトアタックされてそのまま命を落としてしまったのか。

 …ということはここは天国? いや、今までのことを考えるとここは地獄かもしれないな。


『……ぐれ』


 ?…なにか俺を呼ぶ声がする。本当にかすかな声だ…。俺はもう少し耳を澄ましてみた。


『時雨…』

「だ、誰だお前!?」

『…私はお前の心に潜むものだ…』


 …よく見てみると何か髪が長い男が宙に浮かんでる。

 何を言っているんだこいつは…頭逝っちゃってるのか? ただの中二病的なノリですかこれは!?


『わからぬか…私はお前とともに生きてきた。常にお前とともに歩んできた…時雨、我が主よ』

「わからねぇ、アンタ一体何を言ってんだ!?」

『………』


 主? 本当に何が何だか分からない。っていうかこの話から読み始めた人はどう感じるんだよ!? 何か作者頭のネジどっか吹っ飛んじゃったんじゃないの!? とか思ってるだろきっと!!

 しかし、俺は一体どうすればいいんだ…っていうか本当にこいつ何なんだ!?


「俺お前みたいな奴に知り合いいなかったような気がするんだけど…」

『……』


 さっきからこの男はずっと黙ったままだ。俺がこいつの正体が分らないのがよほど気に入らないのだろうか…っていうか分るわけないだろう!

 だから俺はもう一度この男に問いかけてみる


「教えてくれ…お前は何者なんだ!?」 

『…私は、お前を誇りに思っていた…それは今も変わらぬ』

「だっからわかんねぇってば!!」


 俺が声を荒げる、するとこの男再び沈黙し、しばらくして口を開いた。


『……私はお前を裏で支えるもの、私は―――――』

「…まさか、もう1人の僕!?」

『キ○タマだ』

「キン○マかよ!! 今までかっこいい事言ってた割にはすげぇださいな!!」

『………時雨、そのような御託はいらないのだ、今は急を要する』

「そうだ! 俺は早月お嬢に○ンタマを蹴られたんだ! でもお前がここにいるって事はここはまだ死後の世界ではないってことだな」

『しかし、このままだと私の弟が死んでしまう可能性がある』

「……なん…だと!?」


 言われてみればおかしいことに気付いた。俺のキンタ○は二人いるはずなんだ。なのに俺の前にいるのは一人だけだ。これが意味していることは……


『弟は私をかばって……っくそ!』

「落ち着け! まだ間に合う! だから俺をここに呼んだんだろ!」

『…だが、それにはお前にも大きな負担が』

「気にするな。俺たちは共に支えて生きてきた仲間だ!」

『………っ』


 何かいい雰囲気になってるみたいだけどやってることは最低な気がする。でも俺の息子が1人死ぬことだけは絶対に避けたい、どうにかしてでも食い止めなくては!!


「で、俺は一体何をすれば…」

『それは、私たちを―――――――――』



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



「はっ!?」


 目が覚めると俺は良く知っている場所、俺の部屋のベッドだった。


「何だ…夢か…弟は無事か…」


 それにしてもなんだったんだあの夢、あんな茶番にほぼ1話使いやがった。それにしても最後の台詞は一体…。

 ま、いっか。俺はベッドから起き上がろうとすると早月お嬢がベッドの横にある椅子に座りながら寝ているのに気がついた。


「さ、早月お嬢…?」

「ん……って時雨!?」


 俺が起きたことにどうやらビックリしているご様子。あれ? もしかして俺ってば、気絶でもしてたのか?

 

「時雨あんたもう大丈夫なの?」

「えっと…俺ってどうなってました? お嬢のパンツしか記憶が…あ! そういえば俺のキ○タマは無事なのか!?」

「気絶してたのよ、まさかこんなことになるとは思わなかったけどね」


 どうやらチェックしてみたら二人とも無事だったぜ。あの夢もあってすっげぇ焦ったぜ。

 それにしても時計を見るともう夕方近い時間帯まで来てるな。どんだけ俺気絶してたんだよ…いくらなんでも金的蹴り飛ばされただけでここまで普通ならねぇだろ。


「何かすいません。早月お嬢…もしかして学校休んじゃいました」

「別にいいわよそんな事……で、その…大丈夫なわけ?」

「え? キン○マがですか?」

「……そ、そうよ」


 不安そうに目を逸らす早月お嬢。あれ? これってもしかして俺のこと心配してくれてるパターンですか? というか俺に対する罪悪感ってやつですかこれは? これはチャンスだ! この機を逃すわけにはいかないな!


「ぐ…痛いっ…タ…タマがっ」

「っ…だ、大丈夫!?」

「うう、いてぇー」

「えっと…私どうすれば…」


 これは利用できる! これをうまく利用すればエロエロなことを申し込めるよね! 


「お、おっぱい揉ませてくれれば多分治ります…」

「…」


 あ、先走った。やば。


「そんなこと言ってるくらいなら余裕そうね、じゃあ私自分の部屋戻るから」


 そう言って早月お嬢は立ち上がって部屋から出て行こうとする。しまった! 順序を完璧に間違ってしまったぜ。


「待ってぇぇえ お! じょおおおおおおおおおおおお!!」


 ガタンとドアを閉めて早月お嬢は部屋をこの部屋を後にしてしまった。

 …まぁ、仕方ないよね☆ 弟が無事でよかった!




次回投稿11月中旬になります

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