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第3話 とりあえず一緒になりたい

ホントは3日に一回とかのペースで投稿していきたいんですけど、色々事情が合ってそんな頻繁には投稿できません・・すいません;;

なるべく今は週1ペースでやっていくつもりです!

 男でも小さい頃、親と一緒ならば女子風呂に入れる。全国の男の子の皆様、一度は女子風呂に入ったことあるだろう!

 今になって思う。あの頃に今と同じ性欲を所持していれば、さぞや天国だっただろう。

 あぁ~あ、あの頃に今の性欲のままで潜り込みたい。


「というわけで、一緒にお風呂入りましょうよかえでさん!」

「えぇ!? いや、何でその流れになるんですか!」


 俺の突然のセリフにびっくりして、頬を紅潮させているメイドさん、香透楓こうすきかえでさん。俺より2つ上の先輩なのだが、俺よりも若く見える可愛らしい小顔に、低めの身長、温和な目、太ももくらいまで伸びた艶のある黒髪。頭には白の可愛らしいカチューシャを付けていて、黒のワンピースっぽい服にフリルのついた白いエプロンを組み合わせるという、これがメイドだ! って感じだ。

 楓さんの家は代々メイド、執事といった使用人になるための家庭で、楓さんは12歳の時から英国イギリスの本場でずっとメイドの専門学校に留学をしていたということらしい。故にプロフェッショナルだ。

 しかし、昔から男性との関わりがほとんどなかったために、男の人と会話するのが苦手らしい。


「俺とラブラブすることが、かえでさんの男嫌いを克服こくふくするんです!」

「そのラブラブするのができないんですよ!」

「え…それはもしや、男嫌いではあるが、俺とラブラブしたいという感情があると…」

「何でそういう解釈かいしゃくになるんですか!?」

「はぁ…じゃあいいですよエロエロで」

「何に妥協してるんですか!? そっちのほうが嫌ですよ!」


 恥ずかしがってそれを否定する楓さん。まったく何故ここにいる女の子たちは全然デレがないんだ。少しはデレてくれてもいいのになぁ。

 ところで今、俺はお譲達が朝食を食べた後の皿の後片付けを終え、しばしの間の昼休憩となっていた。


「しかし、良いものですねェ、男には触られたり話しかけられたりするのも嫌だけど、俺には心も身体もすべて捧げてくれるという!」

「一体いつ私は時雨君に全てを捧げたんですか!?」

「俺の妄想の中でです!!」

「それ普通に怖いんですけど!?」


 そう言って楓さんは俺との距離を少しだけ遠ざけた。流石の俺でも少し心に来るものがあった。まぁ俺の所為なのだが…。

 こんなやり取りをしていると、笠神かさかみさんがまたも呆れ顔で此方に少し声を大きくして言った。


「時雨君、楓さん、使用人達の食事の準備ができたから早く食べちゃってくださいね」


「了解です」

「わかりました!」


 と二人は言って、厨房へと歩いて行った。




              ★





 ここ鳳咲おおとりざき家の屋敷には前に言ったが、事実上主は2人、鳳咲早月おおとりざきさつきとその妹、早苗さなえの二人だけだ。

 学生である故に夏休みなどの長期休暇でもない限り、お譲達が一日中この屋敷に居るというのはあまりないため、俺達鳳咲家の執事は意外と暇をしているのである。

 ちなみにここで働いている使用人は、俺、笠神さん、楓さんの他に執事長の鬼船きふねさんといった4人である。

 他の屋敷については知らないからこれが多い方なのか少ない方なのかは謎なのだが、妥当な数と言っていいのではないのだろうか。個人的にはもっとメイドさんがほしい!!ほちぃ


「しかし、朝の仕事は今となっても苦を覚えますが、それ以外は食事のときの食器の出し入れとか風呂掃除とかそれぐらいですよねぇ~」


 すごく簡略して言ったが、他にもちゃんと仕事はある。

 朝の仕事は特に辛い。20を超える部屋の掃除、100はある窓の掃除、合計するとおそらく500mくらいあるかと思われる廊下の雑巾がけ、これは2ヶ月経った今でも最悪の仕事だ。

 他にも1週間に一回行われる屋敷の外側の掃除、2ヶ月に一回程度にやる庭の手入れがある。そして使用人のの燕尾服えんびふくやメイド服、お嬢の制服、普段着や下着を干したりする…これが俺が一番したい仕事なのだが、これの担当は全部楓かえでさんとなっている。何故だ、とっても働き甲斐かいがある仕事なのに!

 まぁ、他にも仕事はあるのだが、長くなるので後々話して以降と思う。俺の言ったことに笠神さんは頬を緩ませて、そうだね、と言った。


「確かに朝の仕事さえ乗り越えればあとは基本楽なものばかりだからね、お嬢様たちしかいない分ずいぶんと楽になっちゃったよ」


 笠神さんがこういった後に重ねるように楓さんが言った。


「旦那様達がここにいた時は今の何倍も大変でしたしね」

「げ、今の状況の何倍もあるとか…俺死んじゃいますよ」

「でも、いつか旦那だんな様達もここに帰ってくるんだよ?」


 笠神さんの言葉にますます、面倒臭いと思ってしまった。


「お譲のご両親には悪いですけど、しばらく帰ってきてほしくないですね」


 と、言って3人は使用人専用の部屋のテーブルを交えてゆったりと笑いながら雑談をしていた。ゆるゆるしすぎではとは思ったが、まぁいいだろう。


「じゃあ俺、そろそろお譲たちの様子見に行ってきますね」


 と俺は椅子から立ち上がり、自分の着込んでいる燕尾服えんびふくの襟を整え部屋を後にしようとした時、笠神さんが、


「じゃあ、お嬢様達に冷たい飲み物でも持っていってあげてよ」

「そうですね~、じゃあカル○スでも持っていきますよ」

「別にそこ伏字にしなくてもいいんじゃないですか!?」







         ★





 俺は背丈を僅かに上回る大きな扉の前に立ち止った。ここは鳳咲早月おおとりざきさつきの部屋だ。左手には二人分のカル○スをトレーで持っているので、片手で扉をノックせずに軽くあける。


「早月お譲、飲み物持ってきましたよー」


 部屋に入り、その部屋を見渡した。すると早月お譲がベッドにうつ伏せで倒れているのに目が行った。


「何やってんですかお譲、休憩ですか?」

「んー、何か疲れたのよ。あっ…飲み物は机に置いておいて」

「わっかりましたー」


 と、返事をして俺はトレーに置いてある少し大きめのグラスに入ったカル○スをお譲の机に置いた。その後俺はお譲のところに目を向ける。


「早月お譲、その体勢はエロいっすね…もしかして誘ってます?」

「誘ってないわよ! 馬鹿じゃないのあんた!」


 早月お譲はうつ伏せにしていた体をベッドに座る体勢を取り始めた。ん~、もう少しでパンツが見えそうだったんだが…。


「ところでお譲、夏休みの宿題はもう取り掛かってる感じですか?」


 俺の素っ気ない質問に早月お譲は少し嘆息しながら答えた。


「やってはいるけど、まだ全然終わってないわよ…時雨あんた手伝ってくれない?」

「手伝うと言っても俺、勉強は中学生までしかしてないんですよね…英語なら人並み以上にはできる自信があるますけど」


 高校生になっていない俺にとって理科や数学は難題だろう・・だけど国語か英語なら出来なくもない。

むしろ俺は英語に特に自信がある。ごめんやっぱ嘘。そんなにない。


「じゃ…じゃあ手伝ってくれる!?」


 と、お譲は少し期待の眼差しで此方を見ながら俺にお願いをしてきた。…なんてことだ、こんなの断れるわけがないじゃないか。正直こんな眼で俺を見てくれたことがないためすごく嬉しい!・・若干悲しくなるが…。


「もちろんです! お譲のためなら俺はどんなことでもするつもりです!」

「おぉー! こんなに時雨が頼りになるとは思わなかった!」

「ちょっと酷くないっすか!?」


 確かに俺はちょっとばかしエロいけど、そんなに頼りにならなさそうに見えていたのかな? いや、むしろ頼りにならなかったのか…。

 俺は胸の痛みを抑えつつ、片方の手に持っていたトレーを見て、思い出した。


「あ、そう言えば早苗お譲にも飲み物持っていかなきゃいけないんでした。すいません早苗お譲、少し待っててくれませんか?」

「うん、ゆっくりでもいいわよ」

「じゃあ戻ってきたら早速宿題をやりましょう!」


 俺はそう言って、部屋を出て行った。


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