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第20話 真実はいつも一つ!

何だかんだで20話もいっちゃいましたね。これどうやって完結させよう? 下手したらあと何年も続くかも……ネタ切れにならない限り。


 風呂から上がり、風通しの良いラフな格好に着替える。夏もまだ終わってないので風呂上がった後は結構暑い。

 …さて、俺はこれからどうしても訊きに行きたいことがある。俺は笠神さんを連れ彼女の所へ向かう。犯人のところへ――――!


「うーん、できれば信じたくないですね…旅館のときの自己紹介の時もこれと言って気になったことを言ってなかったしなぁ…」

「もしかしたら話したくないのかもしれないね」


 そうかもしれない。。

 俺は犯人の部屋の前に到着した。俺は2度ノックをし、声も掛けずにドアを開けた。


「楓さん!! あなたに聞きたいことがあります!!」

「え、えぇ!? し、時雨君!?」


 俺がドアを開けたとき、楓さんは机で何か本を読んでいたようだ。俺がドアを開けた瞬間に楓さんは本を机の中に隠したように見える。俺は疑いの眼差しで楓さんを見つめる。


「楓さん、今何隠しました?」

「な、ななな何の話ですか…」

「誤魔化したって無駄ですよ! その机の中身させてもらいます!!」

「ちょ、ちょっと待ってください! 男の人に見られるのは嫌です!」


 俺は楓さんが漏らした台詞に一向に疑いが増す。


「男に見られるのが嫌なものがあるって事ですか?」

「ち、違います…違うんですけど…」

 

 楓さんは俺が机の中を見ようとするのを抱きついて妨害してくる。その際に俺の背中に楓さんの胸のふくらみが当たる。あれ、楓さん…思った以上にお胸が大きいな…、やばいぞ。お、おぉ…俺もう机の中身とかどうでもいいや。


「時雨君、時雨君なに鼻の下伸ばしてるのさー。気にならないのかい?」

「…はっ!? しまった!」


 胸のすばらしさの所為ですっかり我を失ってしまった。そんなことをしてる暇は無い。いや、したいんだけど…。俺は机の中にあるものが気になるのだ…。


「楓さん、どうか離してください」

「嫌です絶対嫌です!!」


 楓さんはガッチリと俺の体を抱きついて離さない。幸せなのだが俺は今こんなこと気にしていられない。こうなればと俺は楓さんに言った。


「楓さん、胸を揉まれるのと机の中見られるのどっちがいいですか?」

「…そ…そんなのどっちも嫌に…」

「どっちか決めないなら俺はどっちもしちゃいますからね。これは冗談じゃないです」


 俺はニコリと悪意ある笑顔で楓さんに向ける。楓さんは俺の顔を見て怯えながら顔を伏せる。


「……机の中見てもいいです」

「ではお言葉に甘えて!」


 お胸を揉めないのは少々残念だが別の機会にさせてもらうとしよう。俺は躊躇無く楓さんの机の引き出しを開ける。



「……やっぱりか」


 案の定、あったのは某著名なBLの漫画だった。それ以外にもそれらしい漫画が何冊も入っている。


「楓さん、アンタって人は…」

「そんな目で私を見ないでください!」


 俺は別にいいと思うけどさ、まぁ可愛い女性の趣味がBL漫画を読むって言うのもそれはそれでアリだと思うしさ。


「しかし、何故そんな……皆忘れてるでしょうが初期設定では男性が苦手だったじゃないですか? さっきまで俺に抱きついてくれてたし…」

「それは少しでも男の人についてお勉強をしたくて…」

「それなら遠慮なく俺に聞いてくださいよ! 人肌脱ぐどころか全裸になりますよ!!」

「それは無理です! 漫画だから大丈夫なんですよ!」


その理屈は間違っているとも言い難いのだが、おかしいのは確かでしょう!? 男が嫌いだからそれを克服しようとしてBL漫画を読むって色々とおかしいじゃありませんか!!

  そう考えていると俺の後ろに隠れていた笠神さんがようやく前に出てきて楓さんに例の漫画を見せた。


「やっぱりこの漫画は楓さんのものだったんですね…」

「そ、それは!? 私がどこかに無くしてしまったかと思った漫画です!」

「やっぱり、そうなんだね」


 笠神さんは何とも言い難いような感じで苦笑を見せた。笠神さん、分かるよ。複雑だよね…。ずっと一緒に働いていた使用人の趣味がBLなんてね、それに自分も巻き込まれるっていうね。しかし、俺も複雑やねん、大好きな女性の趣味がBLだなんて複雑だ。だけど愛があれば関係ないよね!?


「楓さん、あんたって人は……」

「そんな人を蔑んだ目で見ないで下さい!!」

「え、じゃあ舐め回すようなエロイ目で見てよろしいのですか?」

「それはもっと嫌ですけど!」


 特殊な力がもらえるとしたら日向の白眼がほしいです。俺だったら絶対悪用しまくるってばよ。

 

「で、どう説明してくれるんですか」

「私に何を説明しろって言うんですか!?」

「この俺が居るというのに腐女子の重症患者になってしまったっていう理由ですよ!」

「別に良いじゃないですか…それに、時雨君が思うほど重症じゃないですよ!」


 大抵の奴はこういうんだ。そんなの信じられるか。とりあえず俺は、何か楓さんに自分の非を認めさせるための策を頭の中を探る。そうして思いついたのがこれだ。


「じゃあ楓さんから見て、俺と笠神さん、どっちが攻めと受けですか?」

「時雨君が受けで笠神さんが攻めですね。でも笠神さんが受けってもいいかもしれません!! あ、でもやっぱり攻めの中一番いいのは鬼船さんですよね。何だかんだで一番男らしいところがありますし。だから思ってるのは時雨君受け、鬼船さん攻めが理想です! でも笠神さんと鬼船さんも捨て難いですよね…!」



 ………………………………………………………………………………………………………………。

 え? なんだって? 

 俺ラブコメ系主人公特有の難聴なのかもしれないな。


「楓さん……」


 俺が今出せる言葉を発したとき、楓さんは「はっ」我に戻った。


「…わ、私……えっと…。ご、ごめんなさい!」


 なんか謝られた。

 楓さんはさっきまで自分が何を言っていたかを思い出し、頬を紅潮させる。これだけ見たら可愛いらしい純粋な乙女だ。

 それに何か後ろで笠神さんがずっと硬直してるんだけど大丈夫かこの人? 恐らく楓さんの言ったことについてくことができなかったのだろうか。

 俺は恥ずかしそうに両手で顔を隠している楓さんの肩にそっと手を置いて言った。


「俺は楓さんがどんな人であろうと、どんな道に進もうとずっと好きでいますよ」

「なんでそんなに悟ったかのような優しい顔をしてるんですか!?」


 まぁ、こういう女子も悪くはないと俺は思うよ…可愛いしね。









今週の土日に更新できると思うんですけど……

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