第1話 男なら憧れる禁断の花園
はじめまして!
「何か小説でも書いてみようかなー」とか思ってやりました。
小説執筆は初めてな事なので文章がぐちゃぐちゃだったり、読みづらいとかあると思いますが、読んでくれると幸いです。宜しくお願いします!!
追記(2017年7月8日)
文章読みづらいとのご指摘&自分でも感じたので五年ぶりに一話修正しました。
追々2話以降も修正していきます…!
理由は割愛するとして、今年の6月、俺は執事になった…。いや、正確にいえば、執事の見習い、フットマンということになるだろう。
フットマンというものは、めったに…簡単になれるようなではない。英国では、家事使用人として最上級の職種である執事。その一つ下こそ、俺が務めるフットマンという職種だ。
初めて、この状況になり、執事って日本に存在するのか~と感じたもんすわ。
言い忘れていたが、俺は、高校一年生になるはずだった身なのだが、高校には行かず執事(フットマンとの違いはややこしいので、この物語では、執事で統一しようと思う)となった。
兎にも角にも、この物語は、執事、双馬時雨による、特に物語に進展はなく、火影になるだとか、海賊王になるだとか、異世界に行くとか、タイムリープするとかはない。
そう、この物語は、目的はない執事の生活を、唯々だらりと書き記す物語である。
★
男性の諸君、一度は思わないだろうか。
女子更衣室だったり、女子風呂、とりあえず「女子」「女性」という文字が頭につくような場所に、一度入ってみたいと…。だが、そのような行為を行った場合、大概の場所では、確実と言っていいほど社会から抹消される。
だが、身近な場所にあるじゃないか、入っても謝ったり、気まずい視線を我慢すればだ。俺が言いたいことは要するに…
「女性専用車両に入ることが、ここ最近の俺の夢なんですよ!」
「いや、そんなくっだらない事を夢だとかほざかないでよ。他の人の夢に失礼よ」
何故か怒られた。何で!?
魅惑的だと思うんだけどなぁ、女性専用車両。だって、あの狭い車両の中に女子しかいないんだぜ?間違って入った風を装えばなんとかなるってばよ。
「じゃあ、お嬢の夢は一体何なんですか!? あぁ、俺のお嫁さんでしたね!」
「そんなのになるんだったら、私の夢はミジンコになった方がマシよ!」
「ミジンコ以下!?」
俺、双馬時雨と会話している、この少女、お嬢こと、鳳咲早月は、俺が世話をする、この屋敷の主の一人である。
頭の両端には、二本の尻尾を思わせるような空色のツインテール。ツンとした猫を思わせるようなつり目。一応、俺と同い年なのだが、ずっと年下に見えるその背、華奢な身体つきは、抱きしめたら普通に壊れてしまいそうだ。いや、つーか抱きしめてペロペロしたい。
「分かってますよ早月お嬢! それがただの照れ隠しだってことをね!」
「どう見たら私の反応が、照れ隠しに見えるのよ! 時雨、あんた頭おかしいんじゃないの?」
早月お嬢は、この俺に対して照れ隠ししているようだ。フフフ、照れ屋ちゃんめ。
少し顔がニヤついてしまった俺の顔を見て、早月お嬢はジトッとした目つきになった。その顔ぞくぞくするよね。
「何考えてるのよ、この変態」
「早月お嬢とのラブストーリー(18禁)を考えてました!」
「死ね」
そう一言言い残して、早月お嬢は、俺から目を逸らし、右手に持ってるトーストを口に運んだ。
現時刻7:45分、少し遅いが朝食時なのである。食事中に会話をするのは、あまり宜しくない行為なのだが、どうしても女性専用車両について語りたかったのだ。それなら仕方ないだろう。だって俺自分に素直だし!
それは置いておいて、現在は、8月の上旬、学生で言うと夏休みが始まったばっかりだ。
「大変ですねお嬢、夏休みにもなって補習だなんて」
「うっさいわね! 学生は忙しいのよ!」
「忙しいのはごく一部らしいですけどねー」
「むぅ…」
と、早月お嬢は頬をぷくっと膨らませた。何それ可愛いすぎでしょう…。
俺は、早月お嬢が食べ終わった食器を素早く片付けて、それをキッチンへと持っていく。キッチンといってもこの食事室から20メートル近く離れた場所にあるのだ。大変なんだ色々と。
「じゃあ私、もう行くから…時雨、あんた早苗起こしといてよ」
「りょーかいであります!」
と、若干不真面目な俺の応答に不安を持ったような顔をし、まぁいいかと、早月お嬢は、急ぎ気味で椅子の下に置いてあったバックを、左手で持ち上げ走っていった。すると、すぐ停止し、お嬢は俺のほうを顔を向けた。
「言っとくけど、甘やかすと早苗はずっと寝てっぱなしなんだから頼むわよ」
「甘やかさない…と言うことは、起きなかったら何をしてもかまわないと!?」
「いや、そこまで言ってないし…て言うか何かしたらタダじゃおかないわよ!」
「はいはい、わかってますよ~ でわ、行ってらっしゃいませ、早月お嬢」
★
鳳咲早苗、彼女は鳳咲早月の実の妹である。妹という存在は実に憧れる。羨ましい。出来れば義理の妹が良い。
早苗お嬢の部屋は2階、早月お嬢の部屋と隣にある。一部屋がものすごく広くて困る。
聞いた話からすると、およそ20畳程度だとか何とか…やっぱり金持ちって嫌だわ~。ちなみに、この屋敷に俺の部屋もあるのだが、お嬢たちの部屋に比べると、すごく狭い。
「……で、これを起こすわけだ」
俺の目の前には、大きなベッドの上にだらしなく寝ているパジャマ姿の少女が眠っていた。
真っ黒な髪に、サイドにちょこんと1本の猫の尻尾のように生えている。早苗お嬢と同じで、かなり背が低く、とても小柄だ。これは姉妹似たようなものだな。今は寝ているが、普段起きている時は、早月お嬢とは反対に目はいつもやる気がないような目をしている。
早月お嬢が甘やかすな、と言っていたのだが、女に甘いこの俺、どうしたらいいものか。
俺は、早苗お嬢の上に、フワリと、かけられている布団を両手でバッ、と取り上げた。
「ほら、早苗お嬢! もう起きる時間なんですけど!」
ベッドの上に寝ていた早苗お嬢は「うぅ…」と身を丸めた。
そして、僅かに目を開いて言った。
「あ、あと…12時間……」
「12時間も寝かせられるか! さっさと起きなきゃだめでしょうが!」
と、俺は怒鳴り、少し強めに早苗お嬢の肩を揺すった。
カツオ君みたいに5分なら俺は待ったさ、でも12時間とかありえんだろ、よくそんなに寝れるなこのチビッ子。
「う…うぅ…こんな厳しい人を執事にした覚えはない…」
「いやいや、そこまで寝かすほど甘い人は執事にはなれんでしょうに」
「早苗お嬢、俺は早月お嬢に甘やかさないでと言われたんですよ・・できれば無抵抗で起きていただけると此方側としては楽なんですけど」
「やだ…眠い、起きたくない。立ちたくない。ベッドから離れたくない」
これはあれなのだろうか。反抗期という奴か。仮にそうだとすると面倒くさいことになる。
早月お嬢から言われた通りにしないと、後で何をされるか分からない。だが、俺としては、寝かしてあげたいと思わなくもないんだが…。
俺は少し考えた後、解決策を編み出した。
「起きないとセクハラしますよ?」
これだ。これが俺の最終必殺奥義!《変態》
早月お嬢も同様に朝が弱い。だから俺は、最悪このような手段を取る。これを言うとすぐさまに起きてくれるのだ。俺としては悲しい限りなのだが。
すると、早苗お嬢は少し身を丸めていた体を真っすぐにした。そしてこう言った。
「これ以上寝れるのなら、セクハラしても一向に構わない」
……なん……だと……?
こいつ…寝れればアナタはセクハラをされてもいいとでも言うのか?
俺は、予想外の発言に、言葉を失ってしまった。
こうなると、中々に起こすのが難しい…。普段、早月お嬢が、早苗お嬢を起こすと言うのが、この屋敷での日常である。そのため、夏休み等の長期休暇くらいの時くらいにしか、俺達、使用人は、早苗お嬢を担当できない。
まさか、ここまでとは…。いや…待てよ?
寝れないくらいなら、セクハラされようが構わない? そう言ったはずだ。じゃあ俺は、今なら早苗お嬢の身体を触り放題という状況なわけか!? ペロペロしようが、モミモミしようが許されるわけか!?
うっひょおおおお! 素晴らしい! やばい、何か興奮してきたァ!
………だが、実際、そのような事をしたら、俺は社会的に抹消されてしまうので、右手の衝動を抑えつつ、次の行動に出る。また今度、ゆっくり触らせてもらうぜ。
自分で起きようとしないのならば、無理やり俺が持ち上げてリビングに連れていく!
俺は決心して、ベッドの上に寝ているお嬢の体を両手で抱えた。
「な……なにを…」
と、早苗お嬢は、驚くように目を丸くする。
「すいません、甘やかさないで、という約束なんで…」
「やだ、やだ! 面倒くさいー! お姉ちゃんには、後で私が言っておくから~今は寝かせてよ~!」
「早苗お嬢は、俺個人からしても、これ以上甘やかしてはいけないと実感しました! このままだと自宅警備員になっちまいますよ!」
「働いたら負けだよ? 時雨君」
「勝てもしないですがね」
今、俺が早苗お嬢のことをお姫様だっこしている状況にいる。
このまま俺は、小さな議論を交わしながら、早苗お嬢の部屋を出ようと、ドアを足で頑張って開けようとする。
「しかし、早苗お嬢…いつもこんなに反抗してるんですか?」
「いつも? …お姉ちゃんが起こしに来る時は大人しく起きてるけど…」
なるほど、俺相手だと、こうやって反抗する訳だ。しかし実際、今は夏休みであるからこそ、このようにダラけるのは至極当然か。
「要するに休日くらいたんまり寝たいってことっすね。分かるな~俺も中学の時はそうでしたよ」
「だったら……」
「しかし、今は執事としての役割は果たさなきゃいけないので」
「むぅ…」
今朝の早月お嬢と同じように、頬をぷっくりと膨らまし、不満を訴えている早苗お嬢。
か、可愛い! 抱きしめたい! このまま実家へもって帰って良いかな!?
と、そんな考えを押し殺し、俺はお嬢の部屋から出て、朝食を食べさせるべく、食事室へ向かうのであった。
このような流れが、もう何時間とこの屋敷で続くのだ。
俺は、このまま執事生活を続けていけるのかと思いはしたが、可愛い女子がいれば話は別なのだ!美少女絶対主義! たとえ苦しい思いをしようと、美少女がいれば俺はなんでもできる!
ここで余談。俺が執事になったのは、借金の所為で親に逃げられ、俺は売られたとか、俺が悪魔で執事というわけでもない。
執事というのは行ってはいけない行為というものがある。
まず一つ、結婚だ。これは、決してだめというわけではないが、自分の家族を優先してしまう傾向があるため、主としては、結婚してほしくない、というのが本音だろう。
そして二つ目に借金。何となく察しはつくだろう。だから俺は借金執事とかではない。これだけは言っておこう。理由は追々。…という1話であった。