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Lost Days  作者: 陽炎煙羅
五章 Incident of~そして奴と遭遇する~
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だからこそ、少女は進む …4

 恐い。これは、恐怖なんてものではない。

 全身から堕ちた悪意を波動のように放つ、黒ローブの男。


 まるで、最悪の体現のようだ、と言うべきか。


「くっ……」

 浅滅が顔をゆがませる。


「ふん、“魔弾”よ。限界の近いお前など私の敵ではないということが解らないのか? わざわざ“鍵”を連れてきたことには感謝するべきなのだろうが、な」

「ハッ……。うるせえよ、俺は決着を着けるまでは死ねない。絶対にな」


「ふ、ははは、ははははははは……」

 男のやむことのない嗤い声が再び響く。


「お前は何も解っていない、解ってない。所詮人間如きに我々を根絶させることなど出来ないのだ。“我々”と貴様たちは捕食者と被食者の関係にある。それは覆すことの出来ない、世界の法則だ」

「ふははは、笑いが止まらないぞ“魔弾”よ。今の貴様に何ができる? 罠に飛び込むような真似をして、生きて帰れるとでも思っているのか」

「五月蠅いっつってんだろうが! “支配者(ルラー)”、手前には関係ない」


「ふはは、だろうな。貴様との決着も今回で着きそうだ。だが……」


 “支配者(ルラー)”と呼ばれた男が右手を空中に上げた。


「貴様とはここでお別れだ。せいぜい他の綻び(・・)を捜して彷徨うがいい。だが……、貴様のことだ。“街”に入ってくるのも時間の問題だな」


 その手の先から、金属の小さな十字架の様なものが出現した。

 その十字架は虚空に浮かび、ひゅんひゅんと回転を始めた。


「ふふははは、貴様ら人間だけが進化しているわけではない。“我々”だって、進んでいく」


 高速回転をする十字架がしだいに白い光を帯び始める。


 光はすぐに、目をそらしたくなるような閃光に変わった。

「……ッ」

 断続的に続く光に、思わず目を瞑ってしまう。

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