表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Lost Days  作者: 陽炎煙羅
五章 Incident of~そして奴と遭遇する~
94/261

だからこそ、少女は進む …2

 異質。

 異なり、異なるもの。


「そうだ。まあ、そんなに常に出来るわけじゃないがな」

 浅滅は近くの脇道に車を入れると、静かにドアを開いた。

 さっと飛び出て、元来た道を確認する。追手が来ていないか見ているのだろう。


 ロングコートを翻し、浅減は海岸に広がる草原の方へ向って歩き出した。


 私はそれに続く。

「車は、乗り捨てるんですか?」

「ああ。いちいち構っている暇はない」

 違法だよ……。


 浅滅はふと、海の方を見た。

 私もそれにつられてしまう。

 

 海は美しかった。地平線には日差しに反射した波面が光り、空との境界線はどこか儚げで……。

 ……もう少しでたどり着ける。私の生まれた街に。私の記憶に。


 あと少しで……。真実(いつわり)に、偽疑(しんじつ)に。



―――――――――――――――――――――――Re:Re:KOTONE side


 草原を歩く浅滅に、私も続く。


 見渡す限り、草原。街ひとつ分くらいあるだろう広さの草原。


 ここが、龍ヶ峰市だ。解る。

 理由は無い。だが、感じるものがあった。


「それは……。もしかすると、“逸れ者”か?」

 逸れ者……?


「……いや、なんでもない」

 また何か新しい情報だろうか。だとしたら、隠しているのはなんでだろう。

 しかし、何で私は冷静なのだろうか。


「“鍵”は“逸れ者”に魅かれ、共鳴し、対の存在となる。理不尽で、不合理な世界の法則さ」

 また私の分からないことを浅滅さんが話し出した。

 まあ、独り言だろうけど。


「しかし……」

「何ですか?」

「いや、お前の“逸れ者”はよっぽど冷た……」

 最後までは聞き取れなかった。

 逸れ者……。鍵とは別に、誰かそういう存在が居るのだろうか……。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ