表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Lost Days  作者: 陽炎煙羅
二章 Encounter with~そして終わりは訪れる~
39/261

それでも少年は冷酷で …8

 やはり、俺は復習を果たした後でさえ、姉さんのことを吹っ切れていなかったらしい。

 包丁とナイフの二刀流になった“戌海琴音”が二本の刃を交差させる。


「さあ、響輝君……、死んでっ!」


 片膝をついている俺に向かって、“戌海琴音”が突っ込んでくる。


 何とか右足を動かし、姿勢を低くして、足払いをかける。


「……っ!……」

 完璧に油断していた“戌海琴音”が足を滑らせ、ジャンプして俺の真上を通り過ぎようとする。


 とっさに身体を倒した状態で反転させ、左足で真上にある“戌海琴音”の腹を蹴りつける。

「がっ……」

 “戌海琴音”がうめき声を上げる。


 その左手に握られている中華包丁の柄をその手の上から握り、全力で手から抜けさせる。


 “戌海琴音”が教室のドアに叩きつけられている隙に、窓際へ退く。

 これで、両者の位置が入れ替わった形となった。

「くくくくくくくくく…………」

 “戌海琴音”がドアに手をかけ、ゆっくりと起き上がる。



 こちらに包丁。あいてには大型の……おそらくサバイバルナイフ。


「くくくくっ……。面白いよ、面白い人。だから、響輝君のこと、だーい好き! 食べちゃいたい!」

「俺はお前みたいな奴なんざ、大嫌いだっ!」


 再び駆けだし、“戌海琴音”向かって、すぐそこにあった机を投げ飛ばす。


「ふふっ」

 “戌海琴音”はその机を軽々と飛び越え、再びドアの前に後退する。

 ……人間じゃねえ。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ