表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Lost Days  作者: 陽炎煙羅
二章 Encounter with~そして終わりは訪れる~
31/261

そして少女は明日を恨む …5

 その中で膝を抱え、震える体を抑える。



 足音が近づく。

「……なに、焦ることは無いぞ、同胞よ。事は始まったばかりだ」

 声が響く。

「もうすぐお前は私のものとなる。その日が待ち遠しいな。……では、また遭おう」

 ゆっくりと足音が遠ざかっていく。


 足音が聞こえなくなり、辺りに静寂が戻ると、急に身体を脱力感が襲った。

 意識が沈んでいく……。



 いつからこうしていたのだろうか、膝を丸めたまま、ドアからかすかに差し込む日光に眼を覚ます。

 重い足を動かして立ち、少し迷った後、ゆっくりとドアを開ける。


 日が出てから間も無いのだろう。

 やわらかい陽光が出入り口や窓から誰もいない店内に降り注いでいる。

 

 そこで気付いた。昨夜

 完全に割られていたはずのガラスがすべて元通りになっている……。



 出入り口のドアのガラスに手を触れる。

 ……本物だ。まるで砕けていたのが嘘のようだった。


 右の方を視る。昨夜あった血だまりも、飛び散った血痕も、そこにいたはずの人も……、居ない。


「……もう嫌だよ。こんなのって……」

 膝をガクッと曲げる。

「大柴君……」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ