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Lost Days  作者: 陽炎煙羅
二章 Encounter with~そして終わりは訪れる~
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けれど所詮は人の内 …4

 

 その血だまりの中央には黒い物体が鎮座していた。

 とぐろを巻いている長く、真っ黒な身体。

 その身体にはメタリックな鱗がいくつも張り付いている。



 蛇だ。真っ黒な蛇。その尻尾の先は時折しなっている。

 その頭部では白い牙が二本覗いている。

 そして、その口は真っ赤に染まっていた。


 蛇の化物は、その体躯で大柴君の兄の体にのしかかっていた。

 制服を着たまま、血まみれの床に四肢を投げ出し、――しかも、その頭は半分が齧りとられていた。

 頭の横半分がギザギザに割れ、そこから頭骨やら、脳漿やらが覗いている。

 

 

 化け物はそれを本来の蛇の性質を完璧に無視し、鋭利な歯で齧っていた。

 時折その首をもたげ、その脳漿をうまそうに咀嚼していた。

 そして、その紅い舌で床の血を舐めとる。


 ぴちゃ、ぴちゃという音はこの音だ。


 シャー、という音が化け物の口から漏れる。

 


 おそらく、この蛇の化け物は大柴君の兄の恐怖から生み出されたものだ。

 

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