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Lost Days  作者: 陽炎煙羅
八章 Firelike Lifelessness~そして遊戯は炎に陰る~
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かつての少女とある少年 …6

短いです(汗

「ん? どうしたんだい、お嬢ちゃん。やけに落ち込んでるねぇ」

「……あなたには関係の無いことでしょ」

 もう私は食われるのを待つだけの、いうなれば役目を失った人質のような状態なのだ。こんなに意気消沈してもし足りないくらいの心境なのである。

「まあ、“支配者”は少し彼らを甘く見ているからね。まだチェックメイトではないよ」

「まだ……?」

「そうさ」

 そう言うと、前を同じように“黒帽子(ブラック・ハット)”はゴンドラの扉を難なくすり抜け、中に入った。

「確かに浅滅はそろそろ限界だろうね。でも、まだ“逸れ者”が二人残っている。異常の中で自分の運命に抗い続ける人が、さ」

 宙に浮かんでいる白い手袋がゆらゆらと揺れる。

「“逸れ者”……」

 いままでの会話と状況から察するに、その人たちは私が忘れているという“何か”に関係している人たちなのだろう。その記憶は私が思い出さないと話にならないのだ。

 でも、今の私にはどうすることもできない。戦うことも、ここから出ることもできないのだから。

「そんなことはないさ。それはお嬢ちゃん、君が勘違いをしているだけだ」

 突然声のボリュームを上げた“黒帽子”がその両手を振り上げた。

「勘違い?」

「そうだとも。君は自分が非力で、ただ“鍵”だからという理由で囚われている、そう思っているんだろう?」

「そう、だけど……」

 そうではないの?

「間違ってはいないさ。確かにお嬢ちゃんの“鍵”である“琴瑟調和”は戦闘には不向きだね。でも、その効果をもたらしている大元の力は今までの“鍵”の中でもトップクラスなんだ。少し手を加えれば、それを君が自由に扱えるようになる」

“黒帽子”はさも面白げにそう言うと、指を鳴らした。

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