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第五章 月曜の魔女
大型プレゼン当日。
ライバル会社との競合。 絶対に失敗できない場面だった。
しかし会場直前で、機材トラブルが起きる。
映像が映らない。
空気が凍る。
上司が青ざめる中、澪は深呼吸した。
怖い。
でも。
逃げたくなかった。
「私、やります」
澪は前へ出た。
神谷が隣に立つ。
「一緒に」
その一言で、澪は笑えた。
プレゼンは成功した。
澪の言葉は、不器用だった。 洗練されてもいなかった。
でも、人の心を動かした。
終了後。 会場の外で、春風が吹く。
神谷が言った。
「白石さん」
「……なに」
「いや、澪」
名前を呼ばれただけで、胸が熱くなる。
「恋ってさ」
神谷は少し笑った。
「完璧じゃない二人が、少しずつ歩幅を合わせることかもね」
澪は目を細めた。
都会の夕焼けが、ビルの窓に滲んでいる。
魔女でも。 不器用でも。
恋をしてもいいのかもしれない。
そう思えた。
そして澪は知らない。
神谷にもまた、“秘密”があることを。
その秘密が、二人の未来を大きく変えることを。




