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Disturbing Movements(ディスタービング・ムーブメンツ)

お久しぶりです。お待たせしてすみません!今回はあとがきの豆知識も入れるつもりです。その代り本編は少し少なめです。お楽しみください!

「いやいや…………」

「……………事実だとは思いたくないな。」

レイダに誘われ、あれから5分ほどで着いた、リュウザーンの国。そこに広がるのは、屍が千里先まで続くかのような、凄惨ということばでは言い表せられない光景だった。

そのうえ、ここにいるものは、全員生きている。魔物は例外なく、死ねばその姿はチリと化して消えることになる。そうなっていないということは、彼ら彼女らはほぼ全員、生きた状態である、ということ。

「レイダ。僕たちは敵同士だ。今から僕がすることを邪魔するなら、戦いは避けられないと思ってね?」

「わかった。」

そういいながらもやはり警戒しているようで、レイダは力の抜けかけていた手にもう一度力を込め、ドーンブリンガーを握りなおす。

「僕は確かに魔物の敵だ。いつかは、魔物を全員倒しに行くことになる。その時はもちろん、レイダもだけど。だけどそれまでは、自分たちの好きなように生きていてほしいんだ。」

「自分が神になったかのような言い方だな。」

「どうだろうね。………禁忌魔法 第3段階」

「離れておくぞ。」

「離れてても一緒だけどね?《因果(コーザリティ)回帰(リワインド)》」

僕がそう唱えると、今まで血をなめていた屍たちが起き上がり、体は修復し始め、目に光が宿っていく。この技は、僕がよく使う禁忌魔法の《嘘時(ヴォイドタイム)再演(リプレイ)》の上位互換。効果はほとんど同じで、ものの時間を巻き戻すが、大きな違いがある。《嘘時(ヴォイドタイム)再演(リプレイ)》のほうは物体に対して使うもので、《因果(コーザリティ)回帰(リワインド)》は生物に対して放つ魔法だ。

リュウザーンの全員が命を取り戻すと、その中のリーダーだと思われるものが宙に浮く僕たちの前にひざまずく。

「お救いいただき、ありがとうございます。」

「私に例を言うのは筋違いだ。元はお前たちを滅ぼしに来たはずなのだがな。お前たちを助けたのは、私の隣にいるバカだ。」

「こんなの物のついでだよ………でも、誰にやられたの?」

「………ログレスの軍勢です。」

「僕のいくところ全部に出てくるなぁ。……どう見る?」

「お前に対してかは知らないが、何か明快な殺意を含む目的を感じる。」

「意外と素直に教えてくれるんだ。」

「人間の情勢は私には関係がない。それより…」

そういうとレイダは突然ドーンブリンガーを抜き斬りかかってくる。

「なっ………!」

「もともと敵同士だ。目標がなくなった今、ここで殺しあうのが筋だ……!」

「どうなっても知らないぞ!リュウザーンは離れていろ!」

「は、はい。」

僕はリュウザーンからレイダを遠ざけ、そのうえでなるべく被害を被らないところへと移動する。これからさっさとログレスに行って、トルナスに確認しなきゃなのに…!

「ここまで君を面倒くさいと思ったのはいつ頃だったか。」

「私は常に思っていたな!」

「あっそ!」

僕は背からルクル・ハルパスを取り出し、レイダの振り下ろす殺意の刃と打ち合う。ここで逃げても意味がない。そのうえ、リュウザーンたちに弱いところを見せることになる。そのうえ…

『絶対に出てくるなよ!』

『わかっておりますが……主様…』

その光景を裏から見ているアビスキュラのみんなが気が気じゃなさそうだ。

「いくら敵だとはいえ、今じゃなくてよかったでしょ!ログレスの事情は、そっちにも利があるはずだ!」

「もとより敵。一度手を組んだなら、一度断ち切って当然だ。」

「僕は別にいいんだけどね⁉………そこまでやりあいたいの?」

正直、今の僕は前ほど余裕が有り余ってはいない。そのうえ、さっきの惨状を見てから、胸のむかむかがおさまらずに気が立っている。正直これ以上やることになれば、歯止めが利かなくな…………いや、それはレイダも同じなのか?

「………わかった。やろう。一切手は抜かないよ?」

「それでいい……《滅裂(ヴァイパー)蛇咬(フレイ)》!」

「《封槍(シールドスピア)光陣(レイディアンス)》!」

「《光芒(ラディアント)乱舞(カーネイジ)》」

天輝(セレスティアル)連奏(ハーモニクス)

背信(トレイタース)剣舞(ダンス)

剣と剣、光弾と光弾が、空高くで撃ち合い続ける。相手を倒すためではない。相手への情を消し去るための戦い。

「………このくらいでいいか。」

僕はレイダより数段高く跳びあがると、背にルクル・ハルパスをしまう。

「今日のところは、僕の負けでいいよ。僕はこの後も用があるからね……情報は、どう知ればいいの?」

「前の神殿に置いておいてくれればいい。」

「わかった。」

そうして僕はレイダと別れ、もう一度、ログレスへ飛び立つことになるのだった。

どうでしたか?ログレス………でてきすぎて逆に怖くなってきました…気味が悪い…

ま、置いておいてアビスキュラたちの紹介です。

今回はヴァレリア。

本名はヴァレリア・ヘルグレイス。

元はデーモン。そのまま悪魔です。こちらもネクロマンサーのように教会に忌み嫌われる存在です。

教会につかまり、街中で公開処刑されかけたところでマチアスが拾いました。ちょうどそのころはマチアスは教会が仲が悪かった……というより、教会が何かわかっていなかったので。

基本は裏方でマチアスの魔法の発動をサポートしていますが、いざとなれば短期で戦くこともできます。

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