機動宇宙服 増える仲間
クセがありそうな仲間
一行はその後万久里内の実験施設へと。小林二曹が散々からかわれたのは言うまでも無い。
そこにはお馴染みの愛機。人型戦闘機の外観を持つ船外作業用人型重機が有った。
ベースは通称"ゴリラ"のままで、外側にそれらしく見える外装を付けた張りぼてである。改造するベースなのだからこれでいいらしい。
「この機体にはルシンドラで発見された技術を応用した機構が付加されているわ。それを実用レベルまで持っていくのがこのチームの仕事よ」
「技官。質問がある」
「どうぞ。西大尉」
「実用レベルというのは、兵器として運用できるレベルで良いのか」
「そうです。勿論兵器として実用的かも開発目的にあります」
「コストを掛ければ良いというものでもなさそうだな」
「想定される性能の機体ではコストが高すぎます。せめて戦闘機の5倍くらいまでと言われています」
「言い換えれば5倍までは許されると言うことでいいのだな」
「そうですよ。西大尉」
「そうか。そういえばこの部隊の指揮権はどうなっている。予算や設備の関係もある。技官は知らないのか。そのうち決まるからと言われて、うやむやの内に私が指揮官役をやっているのだが」
「技官と言う立場の私に聞かれても困ります」
「それはそうだが、技官は上と繋がりは無いのか。指揮権が確立されていないと、予算や作戦行動で困る事態も起きると思うのだが」
「確かにそうですね。私の上司もうやむやですし」
「技官の所もか。全くどうなっている。急造部隊も良いところだな」
「それは済まなかった」
「誰か…。起立、敬礼」
「有無」
「直れ」
「着席せよ。総員楽にして良い」
「ありがとうございます、司令。何の御用でしょうか」
「うむ。君たちの上司が決定したのでな。連れてきた。それと少々人員も増える。彼らは上司から説明してもらい給え。ではな。そのままで良い」
そう言って司令はお供を連れて立ち去っていった。
「諸君。君たちの上司になることが決まった南部技術大佐だ。よろしく頼む」
「南部技術大佐に敬礼」
「うん。座ってくれ」
「さて、西大尉と稲州技官だったね」
「「そうです」」
「私の連れてきた面々の紹介をしよう。彼が・・そうそう、部隊の名前が正式に決まった。いささか長いぞ【技術本部技術開発室付人型戦闘機戦技開発研究班秋田分室】と言う長い名前だ」
「長いですね。略称は有るのですか」
「まだ略称は無いがコードネームなら有る。いや付けられた。【田舎の人形遣い】だ。ふざけているな」
「これから仲間になる連中だ。まずパイロットから紹介をする」
「大高健一二曹です」
「鷲野丈二二曹です」
「白鳥淳子三曹です」
「燕甚一上等兵です」
「竜田於菟吉二曹です。於菟吉の菟はミミズクの菟です」
続いて整備や補給関係の人員が続く。こちらは各部門の責任者がいるだけだった。
「真田次郎技術少佐だ。研究と整備関係のとりまとめに関わる。よろしく」
「徳川斉昭機関少佐だ。まあ年寄りだが機関整備の腕は誰にも負けんと思っとる。よろしくな」
「森美雪主計中尉です。補給全般を取り扱います。よろしくお願いします」
こちらの紹介が終わったところで南部大佐が言った。
「先ほど司令と艦長と話したが、艦内配置にまだ慣れていないと言うことを聞いた。よって週末までの三日間を艦内オリエンテーリングに当てる。三日で全て覚えるのは無理だろうが、緊急時に戸惑うことの無いくらいには艦に慣れて欲しい。本業開始は週明けからだ。副官。冊子を皆に。予定が載っているから、よく目を通すように。では解散」
「敬礼」
翌日から万久里艦内をうろつく面々。巨大すぎる万久里艦内に勝てるのか?
次回更新 12月16日 05:00
きっと科学忍法と空間メッキシステムをやってくれるものと。




