人型戦闘機 発艦
戦闘機の機数が少なかったので増やしました。艦の数を少ない桁に間違えていたので戦闘機も桁を増やしました。
戦いは続いていた。4時間前後の戦闘で敵が後退すると、強襲艦隊も戦闘を中止。戦力の再編成と休養に努める。お互い24時間無限に戦える訳では無い。
強襲艦隊とアルガレータ防衛艦隊との激しい戦いの中、レールガンを撃ち続ける万久里を始めとするレールガン装備艦。味方が奮闘するも敵の妨害に遭い、なかなか発射機会も得られない。
そんな戦闘が4日続いている。
移動要塞が次々と撃破されていく。残り5基になった頃、変化が起きた。移動要塞5基が衛星軌道を離れたのだ。
距離は2光秒まで縮んでいる。
この移動要塞は新型のようだ。無限には耐えられないだろうが、インドラ級の砲撃に耐えている。万久里は既に1基を撃破したが30発近く撃ち込んでようやく撃破できた。恐ろしく重装甲である。
4日目の戦闘が終わった。敵移動要塞も前進を止めた。戦闘休止状態が訪れる。
「他の戦線で防御が薄いと連絡があったが、こんなものを6基も作っていれば他に資材や金を回す余裕は無いだろうな」
「司令長官。どうされますか」
「このまま攻撃を続ける以外に無いだろう。近づいてくるのが気になるが」
「インドラ級の砲撃を400発近く耐えています。化け物ですな」
「万久里の砲撃に30発耐えた。インドラ級なら400発以上必要だと?」
「困ったものです」
「スカスカの移動要塞ばかりと思えば、初期タイプが6基で手抜きが8基だ。他の防御を薄くしてまで主星系だけ防御を固めるとはよほど臆病者らしいな。アルガレータ神教の奴らは」
「司令長官。日本連邦軍山口司令官からです」
「出よう」
「クミポン司令長官。山口です」
「山口司令官。どんな提案だ。インドラ級を注目させて戦線を整理するという案は上手くいっている」
「ありがとうございます。しかし、問題もあります」
「問題だと」
「万久里の主砲が既に各砲60発を発射。後2基を相手にするのが限界だそうです」
「先程1基はインドラ級の集中射で撃破出来たが、そうか、インドラ級だけで2基か3基を相手にしないといけないということか」
「そうです」
それは万久里から40万キロとなった時に発射された。新型移動要塞からのレーザー砲撃だ。20万キロくらいの所にいた戦艦が一撃で数十隻消えた。
インドラ級まで前進させたことで新型移動要塞をさらに1基撃破し残り4基になったが、反撃が始まったのだ。
「南部司令。以前より強力です」
「10万キロだと危ないか。艦長」
「15万キロを推奨します」
「それまでに叩けるだろう」
「それもそうですな」
「艦長。敵移動要塞より小型反応多数。戦闘機と思われます」
「数は」
「現在計測中」
『こちら監視衛星オウル3。敵小型反応は戦闘機。数およそ5000以上』
「オウル3、南部だ。以上だな」
『はっ、現在も増えつつあり』
「南部だ。分かった。オウル3は危険なら退避してよし」
『オウル3了解』
「参りましたね。駆逐艦も減っています。ここでこの数はきつい」
「接近されるとレールガン発射口を狙われる」
「本艦の戦闘機隊を発進させましょう」
「遠くないか」
「近寄ってからでは遅いでしょう」
「分かった。艦長。発進だ」
【戦闘機隊は発艦準備急げ。遠距離進出パック装備で発艦する。準備でき次第発艦せよ】
「遠距離進出パックか。確かに交戦予想距離10万キロは遠いな」
「最後にしてやりましょう。西中佐」
「そうだな、大高曹長。だが装備に30分はかかるぞ。落ち着け」
「はい」
「また多いな。8万機以上だと?航空参謀。全艦に戦闘機隊発艦を指示。発艦タイミングはできるだけ揃えろ」
「司令長官。少しお待ちを。・・・ ・・ それだけ出せるのか」
「どうした」
「全艦で13万機です。これ以上増えなければ抑えられます」
「敵小型反応さらに増加」
「増え続けているようだな」
「もう少し近寄って、武装強化パックを全機装備させましょう」
「頼む」
敵小型反応はさらに増加していた。遠距離進出パックを止めて武装強化パックに変更命令が出た。
現場は装備転換に大童だ。
「装備転換だと?」
「敵の数が異常に多いからですね」
「また出撃時間が延びる。全員今のうちに行くとこ行っておけ」
「「「了解」」」
『こちら監視衛星オウル3。敵小型反応の増加が止まった。推定10万。敵空母からの数を含めると20万近い』
「万久里了解」
「装備転換は間に合うのか。艦長」
「間に合います。数に対抗するには武装強化パックでもないと無理でしょう。近くなりますし届きます」
「後で拾うのが大変だな。最悪、放棄か」
「始末書は嫌ですよ」
「戦況の変化だ。始末書は無い」
「それならいいのですが」
「装備転換終了しました。9割の機体が武装強化パック増備済み。あと20分で全機装備完了」
「艦長、行こうか。他の艦も発艦を始めている」
「はっ。飛行隊長。戦闘機隊。人型戦闘機隊。発艦始め」
「戦闘機隊。人型戦闘機隊。発艦始めます」
「西中佐。出る」
「安室特務少尉。行きまーす」
「科学忍法隊、発艦する」
次々と発艦していく戦闘機と人型戦闘機。
20万対13万の空戦が始まる。
次回更新 3月20日 05:00
次回「混戦」
10万対6万の空戦で、混乱しない訳が無い。
後3話で本編終了です。後日談を少しやろうと思っています。




