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人型戦闘機発進  作者: 銀河乞食分隊
人型戦闘機
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人型戦闘機 試験飛行

申し訳ないことですが予約を忘れていました。


 MSF43の実力を確認すべく宇宙空間で試験飛行が始まった。

 基本となる直進性、加速力、減速力、位置変更能力、旋回性能などの確認が行われる。

 それが終わると、基点間で全力加速能力と最高速度の測定。最高速度までの所要時間などが測定される。

 試作機10機を各自交代で操縦してパイロットの違いによる影響や機体の個体差を調べる。

 測定値が設計上の許容範囲内に収まっているか確認し、範囲外であれば不具合が無いか確認する。

 2ヶ月近く掛かった。


 次に武装を装備しての実弾射撃訓練。照準装置や各種センサーのズレが無いか確認する。

 また1ヶ月掛かった。


 遂に空戦訓練が始まった。

 始めはMSF43同士で。次にMSF38を使用する部隊と。相手は南部チームである。



「お手柔らかにな」

「西少佐。勝って見せます。実力が全てです」

「大きく出るな。大高君は」

「少佐、済みません。(南部チーム)の馬鹿が」

「白鳥君も苦労するな」

「実は先日、ルシンドラに長期レベル上げ出張が有りましてレベルが上がり図に乗っているのです」

「ほう、羨ましいな。長期レベル上げ出張とは」


「西少佐。これには訳があってな」


「南部司令」「敬礼」

「ああ、楽にしてくれたまへ」

「ありがとうございます。それでお聞きしたいのですが、訳とは」

「西少佐。移動要塞戦で活躍したな。我々が」

「はい」

「君らは撃墜スコアで目立ったが。南部チームは魔法で目立ったのだよ」

「「火の鳥」ですか」

「そうだ。「火の鳥」を実演して欲しいのだろう。合同訓練依頼の多いこと」

「良いことではないのですか」

「彼らの魔法持続時間が問題でな」

「10分と聞きました」

「10分では短いのだよ。1日に使える回数が限られる。使い切ると回復にも時間が掛かる。白鳥君、何日だったか」

「はい。南部司令。始めは3日でしたが今は2日まで減っています。その間、日常行動は出来ますが回復中は魔法が長時間発動しません。使える魔法を発動させるのに必要な魔力を魔力量と呼んでいますが、少ないと長時間発動しないのだということは西少佐もご承知かと思います」

「ああ、知っている」

「そうなのだ。西少佐。これでは回復しても切りが無いということで魔力量を増やすためにレベル上げをさせた」

「ではかなり実力が向上してということですか」

「そうだ。全員あの後でレベル上げ出張をしたな」

「はい。期間は2ヶ月でした」

「それと別に半年だ」

「半年ですか」

「大江君達と共に危険領域まで入り込んでな。結果、大幅にレベルが上がり「火の鳥」の発動時間が30分くらいになった」

「それは凄いです」

「火焔の表面温度もさらに上がった」

「最後に聞いた時は3000度でした」

「驚くなよ、西少佐。3800度となっている」

「3800度ですか。火焔に触れれば宇宙戦艦の装甲でも拙そうですね」

「短時間で蒸発する」

「それが30分続けられるなら、敵移動要塞内部へも突入できそうですね」

「シミュレーションだと10分であの装甲区画を突破できる」

「突入させる気ですか」

「自爆が怖いのでさせない。させないが別の場面で活用できる可能性も有る」

「理解できる気がします」


 南部チームとの空戦訓練が始まった。当然だが、火の鳥は使用禁止である。

 機体は前の型だが、新型チームよりもレベルが高くなった事による身体能力の向上でG耐性も高く高機動を可能にしている南部チームは強かった。

 

 万久里ブリーフィングルームでは


「無理です。なんであんな旋回が出来るのよ」

「そうだな。これは厳しい。レベル差がここまで空戦に関係するとは」


 江間大尉が愚痴を言い、西少佐が呆れている。

 そして住友技術少佐は


「それでも、あまり被弾していない。被弾率は7割から8割と予想したんだが」


 西少佐は


「データだと、私が3割、安室特務少尉が2割。江間大尉が6割か」

「江間大尉の6割は練度と考えられるが、西少佐と安室特務少尉の成績はおかしい」

「何故だろう」

「さてな。戦場の勘かな」

「勘ね。信じられるとでも」

「信じてもらわなくても良いが、生き残れば事実になるな」

「確かにあの時は凄かったな。南部チームで同じ状況をシミュレートした。結果はボロボロだ。とてもあんな機数を相手には出来ない」

「調査会でも言ったがなにか感じるんだ。危険とか何か来るとか。漠然とした物だが」

「いわゆる殺気かな」

「そうかもな。だが本当に理屈では説明できないんだ」

「こちらはレベルを上げると歴然とした結果となって現れるが、そちらは捉えられない何かか」

「加護の影響と考えてはいるが」

「調査会の連中は誰一人として信じなかったな」

「彼らにレベル上げをさせれば理解するんじゃないか」

「時間の無駄だと思うぞ」


 結局、新型チームの能力は魔法でもないとされて解析不能となった。

 それでも空戦能力の向上に効果大として、レベルを上げて肉体能力を上げるために短期集中ルシンドラツアーが組まれた。



 

次回更新 3月06日 05:00

次回「移動要塞再び」

またこりもせずやってきます。


次は忘れない、ぞと。

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