表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
人型戦闘機発進  作者: 銀河乞食分隊
冒険者
22/62

ルシンドラ 覚醒

「そこか」


 アムロの言葉に皆が見る。だが、見えない。漠然としたものは感じるが、何が居るというのだ。クワトロは思う。

 そして木陰から現れたのはゴブリン数匹だった。何故こいつらは数が劣るのに襲ってくるのだろう。これまでの経験からすると、2倍までなら襲ってくる。


「迎撃開始」


 ゴブリン数匹程度なら難無く終わってしまう。皆の練度も向上した。おかしいのはアムロだ。聞けば「なんとなく居るのが分かります。敵意を持っているのか持っていないのかまで」おかしすぎる。こちらは漠然としたものを感じるだけなのだ。

 魔石を回収する。ゴブリンの魔石は小さく純度も低い。たいした金にはならないが、1個で1食分程度にはなる。

 相変わらずエマは「ヒィ~」と言いながら嫌々過ぎる手つきで回収している。

 分からないでもない。魔石を取るには、体を切り開いて心臓の下に有る魔石をほじり出さねばならない。

 そしてこいつらは魔石以外金にならない。人気は無いが冒険者には討伐が推奨されている。推奨とはおかしな話だが、冒険者の能力は千差万別だ。ゴブリンに負ける冒険者もいる。現実が厳しい。ゴブリンが増えると上位存在が出現し強力な集団になるので、それ以前に数を減らすのだと。これは他の魔物も同じらしい。


「クワトロた・・。どうする」

「アムロか。どうするとは」

「さっきはオークで今度はゴブリンだ。遭遇率が高いと思う」

「確かに多い。原因があると思うか」

「分からない。だが、向こうに何かもやっとしたものを感じる」


 指を差す。私もそれは感じている。アムロがこうなったのはブラックオーク3匹をひとりで討伐してからだ。

 ブラックオークを含むオーク15匹と不意の遭遇で、かなり苦戦をした。その頃には練度も向上し2対1なら連携でオークを倒せるまでになっている。しかし、倍の数に襲い掛かられて苦戦をした。近代兵器の使用も考えていた。

 バラバラに戦術も無く襲ってくる相手だったから良かった。戦術を駆使して迎撃する事で被害は最小と出来た。その中でアムロがただひとり、後方から襲い掛かってくるブラックオーク3匹を見つけ立ち向かった。

 ブラックオーク3匹を倒した後でアムロは変化を感じたという。おそらく地元で言われる覚醒だろう。感覚が鋭くなったと言う。魔法で無いのが残念だった。


 アムロの次に覚醒したのは、私だった。残念ながら魔法では無い。アムロと同じように感覚が鋭くなっただけだった。

 それを地元冒険者に話すと


「存在を見つけることが出来る能力の覚醒か。いいことじゃないか。下手な魔法よりも役に立つぜ」

「贅沢言うなよ。その覚醒はマシな方だ」

「お前のは、うん。そうだよな」

「うるせーよ」

「ありがとう。それで悪いな」

「まあいいさ。俺のはな、判別だ」

「判別とは?」

「俺の判別は、毒の有る無しを判別できる」

「それこそ有用だと思うが」

「ところがだ、大抵のものは毒の有り無しが判明している。よほど珍しい物か毒知識の無い相手でないと役に立たない」

「でもよ、お前はその能力で奥地やダンジョンへの遠征によく呼ばれていい金もらってるじゃないか」

「そういう意味では役に立っているな。だが実戦では役立たずの能力だ」

「能力を明かしても良かったのか」

「俺のはみんな知っているからな。あんたこそいいのか」

「話してしまったからな。いいさ。まあおごりだ、エールでも飲んでくれ」


 そう言って銅貨を2枚置いて離れる。


「「ごちになるぜ」」


 アムロに次いで私が覚醒すると、次々と覚醒していく。1年近く掛かったが、最終的には技術陣も覚醒した。技術陣は研究開発だけのつもりだったが現地で鍛冶士も覚醒していると聞き、嫌々ながら討伐依頼に参加していた。

 能力覚醒後も成長と複数覚醒が有ると現地滞在期間の延長を決められた一行だった。聞いていない一行は酷いと文句を言うが


「俺たちの時もそうだった。それに今は戦争中だ。文句を言うな。1ヶ月の休暇はあるから秋田星系でのんびりしてこい」

 

 




 能力覚醒


西大尉     知覚

江間中尉    知覚

安室一曹    知覚    

小林二曹    土魔法

稲州技官    錬金術


住友技術大尉  雷魔法

大高二曹    火魔法

鷲野二曹    火魔法

竜田二曹    土魔法

白鳥三曹    風魔法

燕上等兵    木魔法


真田技術少佐  土魔法

徳川機関少佐  土魔法

森主計中尉   水魔法

加藤中尉    火魔法

古代中尉    風魔法


穂刈少佐    風魔法

早瀬中尉    治癒魔法

一条二曹    風魔法

満久二曹    風魔法

羽里二曹    風魔法







次回更新 01月08日 05:00

次回「能力」

科学忍法炸裂か。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ