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「サシの薬草だ。熱を下げる効果がある」レイがそう伝えると、

「ありがとうございます」とムスタは急いで薬草をお嬢様に飲ませようとしたが、どうやったらいいのか分からず、脂汗を流して顔を真っ赤にしながらレイに言った。

「申し訳ありません。この薬草はどのように飲ませればよろしいのでしょうか?教えていただけませんか?お願い致します!」

と再度レイに対して頭を下げた。

ムスタには分かっていた。

ここが今何処かは分からないが、お嬢様を助けられるのは、目の前にいるこの子供だけなのだと。

この森に転移させられてから半日、体調の悪いお嬢様を抱えながら歩いたが、出口はなく。

何処へ行けばも分からない。

闇雲に歩いてようやくこの小さな山小屋を見つけたのだ。

扉から子供が出てきた時は驚いたが、中に入っても大人の姿は見当たらず、警戒している子どもがいるだけだった。

護衛のムスタにとって、薬とは既に調剤されて飲むだけのものだった。

渡された薬草をどうすればいいのか、頼れるのは目の前にいる子供だけなのだ。

「まってろ」とレイはムスタにいい、あらたに薬草を取ると机の上にあるすり鉢に薬草をいれ、お嬢様の顔を見て新たに何種類かの薬草と一緒に混ぜ始めた。

数分後、出来上がったものを小鉢に分けムスタに対してそのうちのひとつを渡して、

「熱冷ましだ。水はそこだ。」といい机のはじにある水差しを指差した。

残りの小鉢に薬を何回か分け終えた後に、お嬢様に薬草を何とか飲ませたムスタに対して言った。

「右の部屋を使ってかまわない。左の部屋には入るな。4時間たったらもう一度熱冷ましを飲ませろ。」

「誰が来ても外の扉は絶対開けるな。用がある時は呼べ。こっちの部屋は俺の部屋だ。」と後ろの扉を指差した。

そしてそのままレイは自分の部屋に戻って行った。

「ありがとうございます」とムスタは閉まる扉越しにおれいを言った。

まだ顔が赤いお嬢様を抱いて、右の部屋に入った。

中は綺麗にしてあり、ベッドはなく。

奥に壁に沿って部屋の半分が腰の高さまで床を高くした寝る場所と思われる場所があった。

すでに寝具が敷かれており、お嬢様を寝かせてみると床の部分が暖かく。これは暖房を伴った場所なのだと納得が行った。

暖かさがじんわりと緊張と疲れで固まった身に染み渡り、急激な眠気に逆らえず、ムスタは知らない間に瞼を閉じていた。

部屋の扉が開いたことにも気づかず壁に寄りかかるように寝てしまった。

寝ているムスタに目を止め、小鉢を取るとお嬢様様の口を開けさせ熱冷ましを放り込み、水差しでのませた。

呼吸音もだいぶマシになり、無理やり飲ませられて、眉間に皺を寄せリーン。

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