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ロイド編(4)

ケンブリッジ侯爵邸にて叔母上に頭を下げた俺は、叔母上と視線を合わせずに次の言葉を待った。


「まぁまぁ!」


声のトーンが上がったな。


「コートネイ家といえば代々祈りを捧げている歴史ある伯爵家じゃない。権力争いからは距離を置いているようだけれど、領地の為に力を尽くしていると良い評判は聞くわね」


「長女のシャーロット嬢は相手方に非があって、最近離縁されたのだとか」

「次女のグレイス嬢はデビュタントの時以来、社交の場では見かけていないわね。控え目な感じの方だったけれど……美しい瞳が印象的よね?」


いや。

俺は恐らく言葉も交わしたことがないし、分からないんだが。

流石は社交界の影の支配者、詳しいな。


「ふふっ」

「ロイドちゃんたってのお願いだもの。責任を持って預からせて頂くわ」

「それとも本当の依頼主は、レオの方かしらね?」


うぐっ。

俺は変に肯定も否定もできず、叔母上にお願いしている身として適当な嘘を吐くこともできず、沈黙を貫いた。


帰り際、見送りに出てきた叔母上は、手を頬に当ておっとり笑顔のまま付け加えた。


「私、姉上が王城に上がるまでは両親の意向で、王家に嫁ぐ姉上と全く同じ教育を受けさせられていたの」

「必要があれば何時でも言って頂戴?」


そこまでは求めてない。

というか、人違いであっさり領地に戻ってもらう可能性もあるのだから、本人に変な気を持たせてややこしくするのは止めてくれ。


「お気遣いは有り難いですが、全くもって不要です。」


とは言っても、もしグレイス嬢が本人だとして兄上が望めば……

この叔母上は、敏感に察知して勝手に教育を始めてそうだな。


こうして俺は、次の目的地へと向かうべく、侯爵家を後にした。


◇  ◇  ◇


黄金色に実りを付けた小麦畑は見渡す限り何処までも続いていた。


この土地の小麦は毎年安定した収穫量があり、我が国の食料供給を支え続けている。


町を行き交う人々には笑顔が溢れ、通りに店を出す店主の威勢の良い声が飛び交っていた。


なるほど、こぢんまりとしているが良い町だな。


町の中央の広場まで行くと女神像があり、色とりどりの美しい花が捧げられていた。


傍には花売りがいて、まだ幼い少女が母親と共に一輪の可愛らしい花を手に女神像へ向かって歩いていく。


信仰心が強いと言うのは本当らしい。


そうして俺は今回の視察の目的の一つである、養護院を訪れた。


突然の訪問にも関わらず、裕福な商家風の装いをした俺を院長の女性は快く迎え入れてくれた。


建物は古いが手入れが行き届いており、子供らしい元気な笑い声が溢れている。


「領主様にはとても良くしていただいております」

「特に最近は、衣食住だけでなく子供たちに学びの機会までいただいて……」

「子供たちが将来自立出来るようにと、真に考えて下さっているのですよ」


兄上が推進している貧困対策についての議論が出た際に、コートネイ領の施策が取り上げられ支援金の援助が内定している。

内定というのは、時折報告書と実態が酷く乖離していて支援金欲しさに偽装されていることがあるからだ。

だが、これなら問題ないな。


俺は院長に寄付を渡すと、グレイス嬢が待つ領主館を目指した。


今回もグレイスと会う所までたどり着けず……

余計な描写を書きすぎました。

テンポよく話が進まず、すみません。


最後までお読み下さり、ありがとうございました!

執筆超初心者ですので、【まだまだだな】【面白かった】など教えて頂けると大変参考になります。

宜しくお願いします!!

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