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ロイド編(13)

以前考えていたストーリーを変えて、続きを書いてみました。

齟齬があるかもしれませんが、大目に見ていただけると有り難いです!

半ば強制参加の講習会だったが、その影響は波紋のように広がっていた。

護身術に留まらず、多方面で活躍する女性が増えたそうだ。

その姿に影響を受け…という形で、王都も皆が活気づいて賑わいをみせていた。


今日は一年で一番大きな祭りの日だ。

皆が女神様に感謝を捧げて花を添えるため、花祭りと呼ばれている。

国中の至る所で屋台が立ち並び、広場では陽気なリズムに合わせて多くの人が踊り、笑顔があちこちで溢れている。


「あ!あの串焼き美味しそう〜!!」


ここにも一人、満面の笑顔で串焼きを頬張る者がいる。

次から次へとよく入るな…と感心する程屋台を堪能しているのは、レティスだ。

今日は、お互い街に溶け込める様な服装に身を包んでおり、お忍びで遊びに来ている。


発端はグレイス嬢だった。


「ロイド殿下!レティス様はとても頑張ってくださっていると思いませんか。」


「あぁ。グレイス嬢に関することや、今回の講習会でも非常によくやってくれている。」


「そうですよね!でしたら殿下。今日は一日レティス様と花祭りを楽しんで来られてはいかがでしょうか!」

「私と一緒では、リラックスして思う存分楽しむことも出来ないでしょうし…それに私は今日一日女神様に祈りを捧げねばいけませんから。」

「怠ったとなれば、次は何をさせられるのやら。考えるだけでも震えそうなほど恐ろしいです。」


「……」


誰も何も突っ込めない。

そのまま、俺たちはあっという間に着替えを済ませ、市民が多く集まる広場までやって来たという訳だ。


「ほらこれ。子供の頃好きでよく食べてただろ。クリームも追加してあるぞ。」


「え?」

「わぁ!懐かしい。ありがとう!」


レティスも一緒に剣の練習をしていた子供の頃は、皆で一緒に花祭りに来ていた。


レティスの大好物だった菓子を見つけ、思わず買ったのだが、敢えて崩している口調と相まって、いつも一緒に過ごしていた頃のままタイムスリップしたかのようだ。


「レティス来いよ!一緒に花を捧げよう。」


既に溢れんばかりの花が飾られている女神像に、美しい一輪の花を添えた。

女神様に日頃の感謝をし、心の中でそっと願い事をするというのが習わしだ。


「ロイドは何を願ったの?」


「勿論、兄上をお支えするために世界一強くなりたいとお願いした。」


「ふふっ。昔も今も変わらないね。ロイドなら出来るって信じてるよ。」


レティスは俺が兄上の話をする時も、稽古が辛くて投げ出しそうになった時も、いつもこう言って俺を励ましてくれた。


「レティスも変わらないな。」

「その……ありがとう。お前が側で励まし続けてくれたから、諦めずにここまで来れたと思ってる。」


俺が珍しくストレートに感謝を伝えたことに驚いたのか、レティスは一瞬キョトンとした後、ブワッと顔が赤くなった。


「えっ!?」

「これはその…突然そんなこと言われて、びっくりしただけだから…!」

「そうだ…昔あった小物屋さんまだあるかなっ。ちょっと見てくるっ!」


未だ赤い顔を必死に手で隠しながら、レティスは突然広場から入り組んだ市街地の方に走り出した。

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