ロイド編(11)
ある程度予想はしていたが、レティスがグレイス嬢と共に過ごす時間が増えるのに比例してレティスへの誹謗中傷も増えていった。
王太子妃の婚約者ひいては、次期王妃のお気に入りの令嬢とみなした周囲の妬みによるものだろう。
加えてレティスはデビュタントを欠席した上、婚約者候補達をボコボコにした経歴がある。
後者は公にはされていないが、彼ら達が悪しき噂をばら撒く一端ともなっていた。
「ピーピー鳴くので煩わしさはありますが、気にしておりません。小鳥など好きさせておけば良いのでは?」
「だが、皆が集まる場で不愉快な思いをすることもあるだろう」
「幾ら陰でどうこう言われても、私の血は一滴たりとも流れませんから」
「いっそのこと斬り掛かって来てくれれば、ひと思いに返り討ちにして差し上げますのに。そうだ!こちらから果たし状を送りつけてみるのも面白そうですね」
「頼むから止めてくれ」
打ち合いをしつつの会話だと、全く冗談に聞こえないな。
レティス自身がこの調子だからといって、グレイス嬢の警護も担ってくれているのだから放置する訳にはいかない。
しかし、俺が表立って庇い立てをすることで状況が悪化することは目に見えており対応が悩ましくもあった。
◇ ◇ ◇ ◇
「今日の茶会ではロイドも顔を見せなさいね」
「母上主催の茶会ですか」
「……生憎今日は立て込んでおり忙しいのですが」
「レティス嬢とは打ち合いをする時間があるようだけれど?」
「日々の鍛錬の一環ですので」
「運良く生まれ持ったその顔と王子という肩書を、存分に活用しなくてどうするのよ!!」
「ひいてはレティス嬢の為でもあるのだから、嫌とは言わせないわよ。では、宜しくね」
レティスの為だと言われたら断れる筈もない。
朝食を終えると俺は今日も執務を倍速で捌き、茶会は行われているサロンへと向かった。
今日の招待客は随分と若い令嬢が多いな。
令嬢達の緩衝剤として母上に強制投与された俺は、皆に平等に笑顔を振りまいて熱すぎる眼差しを一身に受けていた。
レティスはグレイス嬢の隣に座っており、実に下らないものを視界に入れてしまった様な顔で俺を見ている。
おい!?
誰の為だと思ってるんだ……
内心げんなりしていると、突如グレイス嬢がさも良いことを思い付いたような笑顔で切り出した。
「そうだわ!」
「ロイド殿下とレティス様から護身用の短剣の扱い方を習う講習会を開いてはいかがでしょうか!!」
「……は?」
凡人の俺は、まだまだグレイス嬢を理解できそうもないことを悟った……
最後までお読み下さり、ありがとうございました!
執筆超初心者ですので、【まだまだだな】【面白かった】など教えて頂けると大変参考になります。
宜しくお願いします!!




