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最強の霊媒師⑨-レイコ-

サエコはある方向をじーっと見つめていた


サエコ

「またあの女の人だ…」


霊媒師の家の窓、そこからサエコは

女の人と親しく話す霊媒師の姿を確認


サエコ

「先生…なんであんな楽しそうに…」


サエコは我慢できず霊媒師の家に突入する


霊媒師/女性

「!」


玄関を勢いよく開けて佇むサエコ


霊媒師

「なんだお前突然、ちゃんとノックしてから入れよ(あと靴脱げ)」


サエコ

「先生…!その人…その人誰ですか!!」


女性は驚いた顔でサエコを見つめる



霊媒師

「レイコさんだ、よく世話になってる」


サエコ

「レイコさんに…お世話…?」


サエコは口元をヒクつかせる


霊媒師

「お前、変な勘違いしてないか?」


頭を抱える霊媒師


霊媒師

「サエコ、この人はそういうんじゃなくて」


サエコ

「そういうんじゃないってなんですか?

じゃあどういう関係なんですか?」


霊媒師はため息を吐く


霊媒師

「あ〜うるせぇな、それをお前が知ってどうすんだよ…」


サエコ

「はぐらかさないでください!レイコさん

あなたは実のところ、先生のコレなんですか?」


霊媒師

「おい変な質問やめろ、レイコさんを困らせるな」


サエコ

「なんですか気持ち悪いですね!デレデレですか?そんなに大事ですかこの人が」


霊媒師

「おいお前いい加減に…」


口元に手を置いて笑うレイコの姿を見て

口をつむぐ霊媒師


霊媒師

「で、お前何?なんか用か?また依頼か?」


霊媒師は話題を逸らす


サエコ

「依頼なんてありませんよ、単に遊びにきただけです」


サエコの握りしめた紙を取り上げる霊媒師


霊媒師

「"依頼者募集中、凄腕の霊媒師があなたの悩みをいつでも受け付けます"…なんだこれ」


サエコ

「返してください!」


霊媒師

「お前、こんなんで募集かけてたのかよ

本人に許可取らずに…どんだけ銭ゲバなんだ」


サエコ

「私は一銭も貰ってません!ボランティアです!!」


霊媒師

「そんなん頼んでねーよ、燃やせ」


サエコ

「嫌です!!」


サエコと霊媒師のやりとりを見て

フフッと微笑むレイコ


レイコ

「賑やかですね」


霊媒師

「甘やかしちゃダメですよ」


サエコ

「敬語使わないでください、キモイです」


霊媒師

「いつも使ってるだろ」


「なんだこいつは…」と呆れる霊媒師


ーーー


レイコ

「ふーん、サエコちゃんはハヤ…霊媒師さんの助手なんだね」


霊媒師

「助手じゃないですよ、こいつが勝手に言ってるだけです」


お茶を用意する霊媒師


サエコ

「先生は黙っててください!女同士の会話に首を突っ込む男はモテないですよ!」


サエコはムスッとした顔でレイコを見つめる

レイコは「フフッ」と笑いながら返す


レイコ

「でもね、サエコちゃん

霊媒師さんは結構モテるのよ

競争率高めだから」


霊媒師

「レイコさんまで何言ってるんすか」


レイコ

「面白いし、かっこいいし、優しいしね」


レイコはフフッと笑う


サエコ

「ほうほうほう惚気ですか、ほうほうほう」


霊媒師

「うるさこいつ」



玄関の前でレイコと話す霊媒師


霊媒師

「本当にいいんですか?そいつしつこいですよ?」


レイコ

「ふふ、たまにはこう言うのも良いものです。

娘とお買い物行くみたいで…。ね?サエコちゃん」


サエコ

「先生は部屋で大人しくしててください!

私はこの人とたっぷりお話ししてきます!

もう言い逃れはできませんよ、覚悟しておいてください!行きましょうレイコさん」


レイコ

「ふふ、それじゃあ、またね霊媒師さん」


サエコはレイコを連れて霊媒師の家を後にする


霊媒師

「……」


ーーー


ショッピングモールを訪れる二人


サエコ

「(絶対にこの人の正体を暴いて、先生をギャフンと言わせてやるんだから!この超絶美少女のサエコ様が)」


レイコ

「はぁー久しぶりのお買い物だぁ

ふふ…サエコちゃん、どこ行こっか?」


サエコ

「どこでもいいです!」


ツンケンするサエコ


レイコ

「じゃあ、服屋さん寄る?」


ーーー


レイコ

「サエコちゃんにピッタリの服はぁ…」


サエコ

「(ふん、服で釣ろうと言う魂胆か

甘いな、私にそんなのは通用せん!!)」


レイコ

「こんなのなんてどうかしら?サエコちゃん着てみて」


サエコ

「……」


試着するサエコ


レイコ

「わー似合う、すごく可愛いわ、サエコちゃん!」


サエコはムスッとしながら頬を染める


レイコ

「やっぱり女の子ね、可愛い服なんでも似合うわ

次はコレ着て見て?」


服選びに夢中になるレイコ



レイコ

「いっぱい買ったね、ふふ

お気に入りの服はあったかな?」


ムスッとしつつも袋を抱きしめるように抱えるサエコ


レイコ

「次は本屋さんに行こっか」


サエコ達は本屋さんへ移動する


ーーー


小説コーナーにいる二人


レイコ

「私、小説読むのが好きなんだ、サエコちゃん

良かったらあなたも読んでみて?きっとハマるわよ」


サエコはジト目でレイコの話を聞き流す


レイコ

「ふふ、ここの小説なんてユニークで素敵じゃない?サエコちゃん」


サエコ

「(ふん、小説なんて!文字だけの紙切れのどこがそんなに面白いの…なになに?勇者の記憶?最強の霊媒師?うわ、ダッサ…!こんなの書いてる人の気が知れないよ、どうせ小説とは名ばかりの脚本みたいなエセ小説なんでしょ??)」


サエコ

「(こんなコンプレックスの塊みたいな小説誰が読むもんか!)」


レイコ

「ふふ、面白いわね、まるで脚本みたい」


サエコ

「(ほら。)」


小説を立ち読みするレイコ


サエコ

「レイコさん…立ち読みなんて行儀悪い事しちゃダメなんですよ」


レイコ

「あ、ごめんなさい…気になったものだからつい…あ!」


レイコが何かを発見する


レイコ

「見て見てサエコちゃん、こっちにもっと面白そうな小説があるよ、沈○のパ○ード?坊〇ちゃん?さっきのよりクオリティが高そうね、ふふ」


サエコ

「(人の話聞いてないの?この人…)」


サエコはため息を吐く


ーーー


一旦休憩のため、ベンチに座るサエコ


レイコ

「はい!サエコちゃん、飲み物買ってきたよ」


サエコ

「…どうも」


飲み物を受け取るサエコ


レイコ

「次はどこに行こっか!」


サエコ

「ど、どこでも…。」


レイコ

「ふふん♪じゃあ…」


サエコ

「(流されてはダメだサエコ!一刻も早くこの人の素性を暴いて先生との関係を白日の下に晒さねば!)」


密かに闘志に燃えるサエコ


サエコ

「あの、もういい加減妙な茶番はやめてくれませんか?私はあなたの事をズバリ知りたいのです」



「単刀直入に言います!」



サエコ

「レイコさんと先生ってどういうご関係なんですか?」


本題をぶつけるサエコにレイコは

少し口を閉じた後、目を閉じて

「…深ーい関係よ」と笑みを浮かべつつそう答える


サエコ

「深ーい…カ・ン・ケ・イ??」


レイコ

「そう、あの人は私を…"私たち"を救おうとしてくれた…」


遠くを見てそう呟くレイコ


サエコ

「だから彼のことが忘れられず、追いかけるうちに二人は恋に落ちた…???」


レイコ

「まぁ…そんなところかしら」


優しく微笑むレイコに

サエコは「はぁぁぁぁ!!」っとなった


サエコ

「(聞いてしまった…やっぱりそうなんだ…

彼女と先生はデキてたんだ…ハァァァァ!!)」


サエコ

「なんで隠すんですか…?付き合ってるならそう言えばいいじゃないですか。私は関係ないから??言う必要がないんですか??レイコさん」


レイコはサエコの反応に微笑む


レイコ

「ふふ、サエコちゃんは先生の事が本当に好きなのね」


サエコはレイコの言葉に「はぁぁ??」と答える


サエコ

「いつ、私が先生の事好きって言いましたか??

あなたに私の何がわかると言うんですか??

勘違いも程々にしてください!!」


微笑むレイコにサエコはムカムカしていた



しばらく歩いていると

駄々をこねる子供とそれを叱る母親を見かける2人


レイコ

「……」


親子の姿を見て

レイコはどこか寂しげな表情をする


サエコ

「…?レイコさん?」


レイコ

「サエコちゃん…」


涙を拭い、サエコに声をかけるレイコ


レイコ

「ご飯食べに行きましょうか」


優しく微笑むレイコにサエコはどこか虚しさを感じた


ーーー


とある階で、ガスが漏れ引火する



食事中にサイレンが鳴り響く


サエコ

「!?」


レイコ

「あら、何かしら?」


「訓練か?」と店内がザワつく


数秒して遠くから爆発音が響き

その瞬間周りが悲鳴を上げ一気にパニックに。


ーーー


放送

『火事です、みなさん慌てずに避難してください』


なだれ込むように廊下を歩き出口へと向かう客とサエコ達


女の子が逃げてる途中に転ぶ


サエコ

「!!」


サエコは女の子の元まで走り、抱き抱える


レイコ

「サエコちゃん!!」


天井が崩れ、床も倒壊し、サエコは脱出口とは正反対の方へ転がり奈落へ消える


報道

『ショッピングモールで火災が発生、一部の客はまだ中に閉じ込められ〜』


ニュース映像を映すテレビと、もぬけの殻になった部屋



女の子

「ママ〜…!」


サエコ

「大丈夫、大丈夫だからね」


泣きじゃくる女の子をあやすサエコ


サエコ

「(やばいよ…全然大丈夫じゃないよ…どうしよ

このまま死んじゃうのかな…)」


怯えながら辺りを見渡すサエコ


そこは青白く、ガレキの破片が落ちる音と爆発音だけが響く


しばらくして前方から女性の声が聞こえて来る


レイコ

「サエコちゃん!」


サエコ

「!!」


声の主はレイコだった

彼女は小走りでサエコの元へ駆け寄る


サエコ

「レイコさん!?ど、どうして…」


レイコ

「サエコちゃんを追いかけてたら、閉じ込められちゃった…」


サエコ

「そんな…」


サエコは悲しい表情を浮かべる


サエコ

「どうしよ…先生に顔向けできない…」


サエコは顔を下に向け、ヒクヒクと泣く



ビルの外では消防車や警察、ヘリなどが飛ぶ


圭一

「先生!?」


霊媒師

「圭一!?どうしてここに!?」


圭一

「報道見たんだ、お前の助手がここに来てるって」


報道を見て現場に駆けつけると

圭一カップルに遭遇した霊媒師


ケイコ

「先生、サエコちゃんは…!?」


霊媒師

「まだ中に、いるかもしれない…」


ケイコ

「そんな……」


ケイコが絶望した顔をする


霊媒師

「救助の方はどうなってる?」


圭一

「それがよ、損壊がひどくて

時間がかかるらしい」


霊媒師は「そうか」と言って

ビルの方へ歩いて行く


圭一

「お、おい!」


救助隊

「ストップ!危ない!止まりなさい」


霊媒師がビルの方まで早歩きで近づく


救助隊

「危ないから離れてください」


霊媒師

「ガキがまだ中にいるんだよ」


救助隊

「わかります!気持ちは、我々に任せてください!どうか!」


霊媒師

「…待てるか!」


霊媒師は救助隊員を跳ね除け、水を被りビルまで走る


救助隊

「誰かあの人押さえてください!」


ビルの奥へ消える霊媒師



サエコ

「私が死んだら、先生にもう一度会えるかな…」


レイコ

「しっかりしなさい!サエコちゃん!」


弱気になるサエコを叱るレイコ


霊媒師

「サエコ!!」


サエコ

「!」


霊媒師が駆けつける


サエコ

「先生…!」


霊媒師

「良かった、無事か」


レイコ

「霊媒師さん…」


霊媒師

「レイコさん、さあみんなこっちだ

出口へ急ぐぞ!」


霊媒師の指示に沿ってサエコ達は出口へ向かった



道を塞ぐガレキの山


サエコ

「で、出口が…」


霊媒師

「く、さっきの衝撃で…!」


出口を塞がれ、絶望する霊媒師達

何か案を考える事に。


ーーー


霊媒師

「みんな、聞いてくれ

脱出経路は絶たれた

このままでは全員お陀仏だ

そこで今から次元移動で脱出する事にした」


サエコ

「次元移動…!?」


霊媒師

「場所から場所へと自由に移動ができる呪術だ

壁の隔たりも関係なくな」


霊媒師は淡々と説明する


霊媒師

「便利な反面、人体にかかる負担もかなりデカい

生きてる人間だと体質によるが

様々な症状が現れるだろう


特に小さい子供はその負担に耐えられず

最悪の場合、死に至る」


サエコ

「めちゃくちゃ危険じゃないですか先生!!」


霊媒師

「だが助かる可能性もあるんだ

もう選んでる余地はない」


霊媒師は子供と同じ目線の高さまでしゃがみ

ゆっくりと話す


霊媒師

「コレから次元移動を使い

君をお母さんの元まで返してやる

ただ、この技は人体に対する負担が大きい

ひょっとしたら君はその負担に耐えられず

弾け飛ぶかもしれない」


サエコ

「せ、先生!あんまり怖がらせるのは…」


サエコの肩を掴み制止するレイコ


霊媒師

「だが、運が良ければ助かるかもしれない

そう言う可能性もある技だ…どうする?君が選んで欲しい」


女の子は震える声で霊媒師に問う


「助かったら、ママに会える…?」


霊媒師は深くうなずく


ーーー


霊媒師とサエコらは手を繋ぎ、円の形になる


霊媒師

「(神様お願いします…!)」


天井が崩れる


霊媒師

「行くぞ、みんな目をつぶれ」


全員、霊媒師の指示に従う


倒壊するビル


救助隊

「危ない!!みんな離れて!!!」


ケイコ

「圭くん…!」


圭一

「くっ…!」


圭一にしがみつくケイコ


ーー


『あの子は、あなたを恨んでいませんよ』


優しい声が聞こえた直後、目覚める霊媒師


ビルから離れた位置にある土手


霊媒師

「……」


体を起こし、辺りを見渡すと

サエコ、女の子が倒れている


レイコ

「ハヤトくん」


霊媒師

「みんな無事なのか…?」


静かに見守る霊媒師とレイコ


サエコ

「ん、んん…」


サエコが目を覚まし、女の子も体を起こす


霊媒師

「はぁ…」


霊媒師はホッとしてその場に倒れ込む

レイコも安堵の表情を浮かべる


ーーー


夕暮れ、母親に抱き抱えられ手を振る女の子


霊媒師達は微笑み、それを見送る


母親もお辞儀をして夕焼けの中に消える


サエコ

「ねぇ、先生

圭一さんから聞きましたよ

ビルに飛び込むとき、水被って入って行ったって…」


霊媒師

「あぁ…」


サエコ

「でも先生、死んでるじゃないですか

水被る必要あったんですかね…?」


霊媒師

「…ムードだろお前そこは」


サエコ

「レイコさん、私誤解してました

ごめんなさい先生…ショッピングモールに連れ出さなければ…」


霊媒師

「気にするな、今回の件とお前はなんの関係もない、ありゃただの事故だ」


霊媒師としばらくやりとりをして

自宅へ帰るサエコ


霊媒師が見送っていると

レイコが隣にやってくる


レイコ

「いい子でしたよ、彼女」


霊媒師

「そうですか?」


レイコは優しく微笑む


レイコ

「たまにはハヤトくんからも

誘ってあげたらどうです?彼女、あなたの事が大好きですよ?」


霊媒師

「僕ロリコンじゃないんで」


2人はしばらく話を交わす。



レイコ

「…それで、どうですか?

やる気になってくれましたか?」


本題をぶつけるレイコに対し

霊媒師は少し考えた後

「まだ、時間がかかる」とだけ返した。



最強の霊媒師⑨(完)

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