永遠の愛
・・・100年後・・・
「陸斗おじいちゃんッ♪」
「おぉ、美雨かい…?どうしたんじゃ…?」
100年後、陸斗は114歳になろうとしていた。
長すぎる人生。
孫も出来て、その子供も…。
名前は美雨…。
有岡美雨…。
「みぃっ!学校遅刻するっ!早くしろよぉ〜」
「あ〜もう、すぐ行くっ!待っててよ?悠ちゃん」
もう一人の美雨を見て、陸斗は古い100年前を思い出していた。
「美雨…?早く学校に行くんじゃぞ…?悠斗くんが待ってるじゃないかぁ…」
「うんっ!おじいちゃん、明日ね美雨たちの誕生日なんだぁ〜♪」
あの美雨と同じ瞳をした少女がいる。
目の前に…。
「そうか、悠斗くんもだからじゃなぁ…?」
それも、あの時の美雨と同じ姿をした、100年前の美雨が時間を止めていたような…。
「じゃあ明日は、二人にプレゼントを買ってやらんとなぁ…?」
「うんっ♪おじいちゃん、ありがとぉ☆」
今の陸斗は、あの時の誓いを果たせている。
美雨…。
もういいかな…。
美雨のところに行っても…。
「おじいちゃん…?」
陸斗は眠るようにして旅立った。
天国という、青く優しい世界に…。
「あっれぇ〜?おじいちゃん眠っちゃったのかなぁ?」
陸斗は、青い世界の中でもう一度消えた。
100が天寿。
14年長く生きた陸斗の生まれ変わりは14歳。
もうすでに、陸斗は現世にもう一度戻っていった。
綾瀬悠斗。
ここにいる美雨は、あの頃の僕等のようだった。
孫の子供ではあっても、同じ病院で同じ日に生まれた親友がいる。
僕等と同じように、生まれたときからの親友であって友達。
運命のような二人。
俺は孫の子供に期待しよう…。
俺たちと同じ誕生日に生まれた、俺たちと同じような立場を持った子供に……。
僕等は見守ろう…。
未来を大切に…。
そして、一生幸せに…。
僕等のもう一度与えられた命を、繋ぐための糸を…。
どんなに生まれ変わっても、俺は君を、美雨を一生好きでいる自信があります…。
叶えてくれてありがとう。
そんなささいなお礼も、生まれ変わって記憶の無いあたしは陸にそう言えない。
それでも、今でも…。
陸斗が好きです…。
《もう一度与えられた命…もう一度、両思いでいたいね……それで、あたしたちは結婚しようね》
《もう一度与えられた命…もう一度、両思いでいたい……それで、おれたちは結婚しよう》
誰も気づかない。
この時、同じ日の同じ時間。
同じことを思い叶えようとしたことを……。
・・・♪キンコーンカンコーン♪・・・
「一生夫婦でいることを誓いますか…?」
「「誓います…」」
「では、誓いのキスを…」
二人の唇がそっと触れ、甘い時間がすぐに終わった。
歓声が大きく響き、紙ふぶきが二人の上を舞う。
「それではここに、二人の婚約を認めます…」
運命って信じますか…?
時を越えても恋が出来てるあたしたちは、運命の赤い糸で結ばれていて。
そして今、100年前の誓いと約束が果たされている。
苗字が変わり、名前が変わっても。
二人の愛は永遠に続くから。
それが出来たたのは……。
綾瀬悠斗 ―――― 有岡陸斗
有岡美雨 ―――― 綾瀬美雨
いいえ…。
綾瀬悠斗と綾瀬美雨だけかもしれません。
記憶が無くても、生まれ変わったあたしたちの願いは ・・・ 叶いました。
時間を越えた永遠に等しい愛の形は、今ここにあります。
二人の声は、古い願いは。
遠い未来、今日この日。
2月14日…。
運命と共に……。
「「ずっと、大好きッ♪」」
最終話になりました。
初めての小説だったので、デキが不十分だと思います。
そんなあたしの作品を最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
これからも、あたしの作品でみなさんを感動させたり、笑わせたりとがんばりますので、よろしくお願いします。




