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山ン本怪談百物語

はないちもんめ

作者: 山ン本

 『勝~って嬉しいはないちもんめ』


 『負~けて悔しいはないちもんめ』



 駅の中で変なものを見た。数人の子どもたちが、駅のホームの真ん中で「はないちもんめ」を遊んでいる。時間は夜の10時を少し回ったところ。



 『どの子がほしい?』



 こんな夜遅くに子どもが駅で遊ぶなんて、普通では考えられないことだ。


 「注意する人いないのかなぁ…」



 子どもたちは、小学校の低学年くらい。周りに保護者のような人は見当たらず、子どもたちだけで遊んでいるようだった。



 『相談しましょ』


 夜なので人は少ないが、電車が出入りするホームの中で遊ぶのは危険すぎる。

 

 「う~ん、駅員さんに言って注意してもらおう」


 私はホームの椅子から立ち上がると、駅員さんを探すことにした。



 『そうしましょ』



 駅員さんを探しにいこうとしたその時…


 「お姉ちゃん、あんた見えんの?」


 近くにいた掃除のおばさんが、私に向かって声をかけてきた。


 「えっ?は、はい…」


 おばさんは重たそうな掃除道具を床に置くと、小走りで私に近づいてきた。


 「言わなくても大丈夫よ。駅員さん、わからんから…」


 「はぁ…」


 おばさんはホームで遊ぶ子どもたちを静かに見つめながら、私に向かって小さく囁いた。


 「あの子らが出ると、誰か死ぬんや…見なかったことにしてもう帰りぃ…」





 『き~まった!』





 駅のホームに電車が入ってきた。それと同時に、乗客の悲鳴とホームを走る駅員さんたちの姿が見えた。飛び込み自殺だった。


 この事件以降、私はあの駅に近づいていない。


 

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― 新着の感想 ―
[良い点] なるほど、「どの子が欲しい?」とは、「駅利用客の中で誰を死なせようか?」という意味なのですか。 日本の童謡が持っている物悲しくも不気味なリズムが、和風の恐怖をかき立ててくれますね。 特に「…
[良い点] 子供たちが出ると、死者が出る ↑ 良いアイディアだと思う [気になる点] 上手くは表せないがホラー要素が少し足りていない気がする。
2020/07/21 15:54 退会済み
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