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予想通り、マリアには魔法の才能があった。
俺が教えたことをスポンジのように吸収していく。1日で魔力を感じ、1週間後には魔力を体内で循環させることができるようになった。
この調子なら来週あたりには魔力を身体に纏わせる身体強化もできるようになるだろう。
そんなことを考えていると雫が話しかけてきた。
『あなた、子供に身体強化は危険だと思います。』
『雫もそう思うか。見てないところで怪我されても困るしなぁ。』
加減ができなくて物を壊したり、誰かを怪我させてしまう可能性もあるしなぁ。
それが原因でマリアも傷つき、魔法に対してのトラウマを植え付けてしまうかもしれない。
もう少し、成長したら教えるか。
と結論付けると、不意に雫からのミサイル発言が落下する。
『ところであなた、マリアちゃんは嫁候補ですか?』
『えっっっ!?どうしたの急にっ?』
『急にではありません。マリアちゃんに出会ってから、あなたから流れてくる感情がなんとなくわかるんです。どうせ、幼馴染嫁キターみたいな展開を望んでるのではありませんか?』
おふっ。まさか、雫に俺の感情駄々漏れなのにびっくり。たしかに、男なら誰もが憧れる嫁展開だろう。まったく考えなかったら嘘になる。いや、柵を潜ってウチの庭に入ってきた時に考えました、ごめんなさい。
『すいません、その展開に憧れていましたっ。』
俺は1人、誰もいない庭の真ん中で土下座をしている。
だって、雫には触れないし、会話しかできないし、この世界は一夫多妻だし、僕だって男の子ですし、異世界転生ハーレムうぃーしたいですっ!
『別に私は怒っていませんよ。むしろ、率先してハーレムをつくるべきだと思います。嫁候補が増えれば増えるだけ、私の価値が上がりますし、誰が来ようと正妻の地位は揺るがないと自負しています。』
『・・・・マジで?』
『はい。私は絶対にあなたを裏切りません。だから、あなたも私に隠し事はしないでください。まぁ、感情のパスが繋がっているから、何となくはわかるんですけどね。ふふふっ。』
妻の許可も取れたし、今後もチャンスがあれば積極的にいこう。
そんな会話を雫としていると、隣の家からマリアがとてとてと出てきた。しかし、今日はいつもと違うことがあった。マリアの後ろから若い男女も一緒に出てきたのだ。
「あれん、おはよーっ。」
いつものように元気な挨拶をして、マリアが柵を潜って入ってくる。その後ろの男女は生暖かい目でマリアと俺を見て話しかけてきた。
「お前がアレンか。マリアから色々聞いているよ。いつも遊んでくれるって。俺はマリアの父リーグだ。よろしくな。」
「いつも、ウチの娘と遊んでくれてありがとうね。アレン君。私は母親のレイラよ。よろしくね。」
「アレンです。こちらこそ、よろしくお願いします。いつもマリアちゃんと遊べて楽しいです。」
こちらも、変に丁寧になりすぎないように挨拶を返す。
「あらあら、4歳には見えないわね。すごく、大人っぽい雰囲気だわ。」
「そうだな。とても真面目そうだし、これなら将来マリアを任せることもできそうだなっ!ハッハッハッ。」
「リーグ、気が早いわよ。アレン君も気にしないでね。これからもマリアと仲良くしてあげてね。」
「は、はい。」
ま、まさかの親公認展開に。
名前 リーグ ♂ 24歳
種族 人族
レベル25
職業 狩人
HP 1080
MP 520
STR 185
VIT 170
AGI 210
スキル
弓術3
魔法属性 風2 生活魔法
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名前 レイラ ♀ 22歳
種族 人族
レベル 20
職業 治癒士
HP 650
MP 980
STR 140
VIT 130
AGI 110
スキル
棍術2
魔法属性 聖2 生活魔法