5
今、俺の目の前には変な顔で舌をべろべろさせた、オレンジ色の髪に黄緑の瞳をもつ、なかなかのイケメンがいる。
「アレン、パパでちゅよー、べろべろバー。」
正直、リアクションに困るので、仏頂面で見守ることにする。その隣には、とてもキレイな金の髪に水色の瞳、ストレートなサラサラな髪から、ちょっと尖った耳が可愛らしい絶世の美女が、こちらに優しく微笑みかけている。
そう。この2人は俺の両親だ。イケメンと美女、今から鏡を見るのが楽しみだぜ。
この2人がどうして知り合ったかというと、冒険者だった父が、魔物に襲われている母の乗った馬車を助け、その際に母を庇い怪我をしたのが出会いらしい。まぁ、よくある話だね。
あれから、寝たり起きたりを繰り返し、起きている時はバレないように魔法の練習をしている。
雷の玉をあっちこっちに動かして、魔力コントロールを身に付けたり、魔力を身体に纏わせた身体強化の練習をしている。魔法とは火、水、土、風、聖、闇、無の7つで別れている。
火、水、土、風は名前の通り、その属性の魔法が使える。
聖属性は回復や状態異常を治す魔法だ。
Lv1、ヒール(傷や打撲を回復させられる)
キュア(毒や麻痺を回復させられる)
Lv2、エリアヒール、エリアキュア(半径10m以
上の範囲でヒールとキュアを展開できる)
Lv3,浄化(呪い、魅了の回復。不死者を成仏させ
せる、病気不可、消費する魔力よって広範
囲にできる)
Lv4、ハイヒール(骨折、皮膚が繋がっていれば
回復可)ハイキュア(猛毒、石化)
Lv5,エクストラルヒール(破損部位回復可)
エクストラルキュア(病気、持病回復可)
そして、闇属性はこんな感じ。
Lv1、ポイズン(毒)パライズ(麻痺)
Lv2、ウォルガ(不調、STR,VIT,AGI低下。キュ
アで回復可)
Lv3、カーズ(呪い)チャーム(魅了)
Lv4、ストナ(石化)クラウダ(猛毒)
Lv5、ストムス(1都市を疫病に感染させるレベ
ル、ハイキュアで回復可)
ってな感じになる。無属性は正確には属性ではない。属性をつけてない魔力のことをいい、身体に纏わせた身体強化や魔力の波動を放出し周辺を探知したりすることができる。魔力は基本的には目に見えないものだが、10万人に1人の確率で感覚的に相手の魔力や量が分かる人間が生まれることがあり、魔力を目で見れる魔眼持ちも存在する。ちなみに、聖属性や闇属性をもつ子も10万人に1人の確率で生まれるみたいだ。この2つの属性は国や教会が厳しく管理しており、1年に1度ステータスを申告する義務がある。
この世界では、5歳になると教会で洗礼の儀式をする。洗礼の儀式では神が職業、魔法属性、生活魔法を授けてくれるとされている。
職業はそこまで重要ではないらしい。ほとんどの人がノービスと判定され、就いた職業がステータスに反映されるらしい。ごく稀に適正職業を授かることがあるみたいだ。
魔法属性は基本は1人に1つとされているが、100万人に1人に2属性、1000万人に1人に3属性ぐらいの割合で適正をもつ子が生まれることがあるらしい。そして、1000万人に1人の割合でギフトを授かることがある。このギフト持ちをギフトホルダーど呼ぶ。
ステータスオープンと唱えると自分のステータスを見ることができ、相手に触れて唱えると相手のステータスを見ることができるが、この時、相手からはギフトが見えないらしい。ギフトは自分にしかわからないみたいだ。