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NTRの復讐者  作者: さえっぺ
3/23

3

意識が暗闇から解放され、ぼんやりと明るくなると同時に俺は自分の臍あたりからの強烈な痛みに耐えられず声をあげてしまった。


「オギャー!おギャー!おぎゃー!(いってー!何だこれっ!なんだー!)」


しばらく痛みで泣いていると、温かい何かに身体を包まれる感じがしたとおもうと同時に臍からの痛みがひいていった。

痛いのは嫌だって言ったのにいきなり約束破りやがって、今度会ったらあのじいさん、絶対にぶん殴ってやる。などと考えていると『バンッ』と扉を力強く開けるような音とともに近づいてくる足音が聞こえてくる。


「アリア!よくやった。元気な男の子じゃないか!」

「ええ、よかったわ。あなたに似てヤンチャそうな子よ。ほら、抱いてあげて。」


そして、俺は浮遊感と共に睡魔で意識手放した。


次に意識が戻った時は空腹で泣いてしまった。赤子だったためか、感情のコントロールができず、大声をあげる。


「あらあら、目が覚めたのね。今ミルクをあげるからちょっと待ってね。」


そんな女性の声が聞こえたとおもったら、また浮遊感と共に甘い香り包まれた。そして、口元に柔らかく温かいものを突き付けられる。


おお、この感触は乳○だな。36歳のおっさんの記憶があると、とても恥ずかしい。うん、できる限り考えないようにしよう。そう思い、俺は無心でしゃぶりついた。



あれから1週間はたっただろうか。俺はやっと目をあけ、自分の周りを見渡すことができるようになった。ん?あの石はなんだ?

そこには天井から鉄のような根に絡まった白い石が真上からぶら下がっている。


『魔導ランプ 魔道具

ライトの魔法が錬金術で付与された魔石』

俺が石を眺めていると、そんな説明文が目の前に現れる。おお、なんだこれ。頭の中で疑問におもっていると、いきなり脳内に女性の声が響いた。


『あなたが望んだので神様から頂いた神眼で鑑定しました。』

驚いている俺をよそに、女性の声は俺の疑問に答える。


誰だ?


『私は神様が作りだしたあなたの嫁候補になります。。あなたの願いによりつくりだされた身体を持たない脳内妻です。この世界であなたの支えになれるよう頑張りますので、今後ともよろしくお願いします。』


・・・たしかに身体がなければ浮気のしようがないと思うけどさぁ、これは何か違うと思う。

『ご不満ですか?・・・』


そんなことを考えていると、女性の声は今にも泣きそうな声で聞いてきた。


そっ、そんなことはないっ。だから、泣かないでくれ。

『あ、ありがとうございます。これからは、よい妻として、あなたの側で一生支えていきたいと思います。』


ああ、こちらこそよろしく。ところで、名前とかはないのかな?

『はい、名前はまだありません。なので、あなたに名前をつけてほしいのですが・・・』


うーん、って急に言われても思いつかないなぁ。


『グスッ・・・』

わーっ、だから泣くな!わかった、すぐつけるからちょっと待って!・・・・・・なき虫・・涙・・・『雫』うん。

よし、今日からお前は雫だ。

『はいっ!ありがとうございます。』


こうして俺は生後7日で妻ができた。





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