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今日は村に教会の関係者が来ている。どうやらマリアかが12歳になったら聖都の教会学校に入学してほしいみたいだ。
入学してくれれば通える家と授業料タダの好条件。マリアの母親も教会学校の卒業生ということで、その話には賛成気味なのだが、当人のマリアが嫌がっているらしい。
「いやっ!アレンとユリナがいないなら行きたくない!」
「アレン君もユリナちゃんも聖都には行けないみたいなのよ。アレン君は冒険者学校、ユリナちゃんは商業科の学校が希望みたいだし・・・・
どちらも、聖都から馬車で3日の迷宮都市ランバルンなのよ。」
ランバルンはコロナ村から馬車で2日の場所にある都市だ。ちなみに、コロナ村から聖都までは馬車で5日かかる。
「じゃあ、マリアもランバルンの学校に通う!」
「困ったわぁ。アレン君からも言ってあげて。」
マリアのお母さんが助けてというような目でこちらを見てくる。
「マリア、この先ずっと会えない訳じゃないよ。夏休みと冬休みもあるから、帰ってくれば会えるし、俺とユリナも同じ都市だけど、そんな会える機会があるかもわからないしさ。」
「むー。」
マリアが涙目で訴えてくる。そんな目で見ないで・・・
俺はマリアの頭を撫でる。
「たった3年だよ。1年に2回は会えるんだし、3年なんてすぐだよ。」
「・・・アレンがマリアと結婚してくれるなら我慢する。」
「あらあら。」
マジかよ。まさかの逆プロポーズ・・・
おじさんがいなくて良かった。あ、でも、なんだかんだ平気っぽいかな。
「うん、いいよ。」
「本当に!?なら我慢する!」
ふふふ、アレン君が将来の息子かぁ。2人を後ろから暖かい目で見守るマリア母。
なんとか俺の説得?で、マリアが折れてくれた。
そして、不意にマリアの顔がいつの間にか目の前にあることに気づいた時には、唇に柔らかいものが触れた。
「ふふ、約束のチューね。」 (マリアちゃん、キャー。)
それと同時に、思考がフリーズした俺の頭の中に声が届いた。
&@+*\?の『誓い』が解放されました。
この時はまだ、あんなことが起きるとは誰も思わなかった。
俺はこのことを一生後悔することになる。