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今日は午後から錬金術の手伝いをする。回復草、ハーブ、魔力水を錬金術Lv1の調合で回復ポーションにする。回復草を魔力草に変えると魔力ポーションが作れる。
魔力水は文字通り、魔力を含んだ水だ。水魔法で出した水やただの水に魔力を溶かしこんだものでも良い。
希に、魔素が多い場所にある泉なんかでも魔力水は取ることができる。そして、ハーブは苦味を和らげる効果がある。そのままでも回復はするけど、めっちゃ苦いからオススメはしないよ。
本で読んだとこ、錬金術Lv2は合成、分解(生き物は分解できません)ができるようになる。
Lv3で付与、Lv4で錬成、生成ってな感じらしい。その本にはLv5は書いてなかったが、雫に聞いたところ、錬神術が使えるようになるらしい。どうやら賢者の石や失われたアーティファクトが造れるようになるみたいだ。
ちなみに、俺の錬金術Lv3です。ただ、マザーにはLv2って言ってある。めんどくさくなりそうだからね。それでも母親は俺のことを天才だと誉めてくれる。
ステータスを覗かれても平気なように雫にお願いして隠蔽してもらっている。どうやら、雫はこの世界のことになら多少干渉することができるらしい。
そんなこんなで回復ポーションと魔力ポーションを作りまくっている。俺が工房で作業をしていると入り口の扉が開く。
「やぁ、アレン。今日も頑張っているね。」
「あ、じいちゃん!ポーション作りもだんだん慣れてきたよ。品質も一定で高品質の物ができるようになったし。」
この人はじいちゃん。名前はイリベル。母親と一緒の金の髪を腰ぐらいまで伸ばしたサラサラヘアーに青い透き通るような瞳。じいちゃんって言っても見た目は30歳にも見えないようなエルフの好青年だ。
「ははは、アレンはすごいね。この歳でポーションが作れるだけでも驚きなのに、高品質のポーションまでできるなんて。もう自分の店が持てるぐらいの技術だよ。」
「店を持つのもいいかもしれないけど、やっぱり俺は冒険者になって色んな国を見てみたいな。」
「冒険者かい?それもいいね。アレンはハーフエルフだからエルフぐらい長生きできるからね。色々な街に行ってみるといいよ。」
始めに聞いた時は驚いたが、ハーフがつくと寿命が伸びることがあるのだ。人族の寿命は60~80歳、エルフは300~450歳、ハーフは交わった種族の長寿側の寿命が最低限の寿命になるらしい。そして、寿命が定まっていない。同じハーフエルフでも450歳ぐらいで亡くなる者もいれば、865歳まで生きた者もいたみたいだ。中には魔族のハーフで1500歳まで生きていたという事例もある。
「とりあえず、じいちゃんの商会に卸す分はそこの木箱に入ってるからね。」
ウチのじいちゃんは、どうやら迷宮都市ランバルンで結構有名な商会の会長をしているらしい。
「ああ、ありがとう。そういえば、イリーナはどこだい?」
「お母さんと一緒に買い物行っちゃったよ。また、ママさん連中と何処かで話してるんじゃないかな?」
「そうかい。せっかくイリーナが好きそうな人形を買ってきたのに・・・ざんねん。」
イリーナとは今年2歳になる俺の妹だよ。薄いオレンジ色の髪に水色のクリッとした目、俺のことを「にぃにぃ」って呼ぶマジ天使。嫁に行くのが大変だな。俺以上に父親とじいちゃんがもうメロメロ。