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洗礼の儀式から3年が過ぎ、俺は8歳になった。
ロアナプラでは8歳~12歳の4年間、各村などにある教会で文字、計算、軽い歴史の勉強を受けることができる。
そして、12歳~15歳で冒険者ギルドが運営する学校、魔法師ギルドが運営する学校、商業ギルドが運営する学校、教会が運営する学校、各国が運営する騎士学校に入ることができる。ただし、3年間で大金貨1枚が必要になる。
大金貨は日本円で約100万円になる。
銅貨→10円→1ギル
中銅貨→50円→5ギル
大銅貨→100円→10ギル
銀貨→1000円→100ギル
中銀貨→5000円→500ギル
大銀貨→10000円→1000ギル
金貨→10万円→10000ギル
中金貨→50万円→50000ギル
大金貨→100万円→100000ギル
白金貨→500万円→500000ギル
もちろん、普通の平民には厳しい額だ。
しかし、これは後払いでもいいようになっている。卒業し、働き始めたら少しづつ返済していくことができる。
この8歳~12歳の義務教育?は召喚された勇者達が始めたシステムで、各ギルドの初代会長も元勇者らしい。
遥か昔、各国が戦争に明け暮れていた戦国時代に国は競って勇者召喚をしていた。そして、戦争に嫌気が差してきた勇者達が国から脱走し、この教国を建国した。
勇者達は各国にある塩が取れるダンジョンの迷宮核を破壊し、一時的に戦争を終わらせようとしたが、今後は各国が連合を組んで教国に攻め始めた。しかし、そこは一騎当千の勇者達。連合軍を完膚無きまでに蹂躙し、各国の王達の首を飛ばしていき、戦争を終わらせた。
この時の勇者の数は500人を越えていたという。
そんなこんなで、この3年間は変わらずマリアと魔法の練習。しかし、あれからユリナも一緒に練習に加わることになった。
最初こそ苦戦していたユリナも、この3年間で風属性Lv2までに上がった。魔力を消費することで魔力量が上がり、使える魔法の威力が上がる。そして、魔法はイメージが大事。イメージの通りに魔法の形を変え、それをコントロールする。
マリアも今では聖属性Lv2なり、回復や毒麻痺を治すことができる。マリアの方は母親が治癒士なので、村人の治療も手伝っている。
午前中は魔法の練習、午後は各家の手伝いをすることになった。マリアは治療、ユリナは畑の手伝い。そして、俺は父親の猟に着いていくことが特別に許された。それは、俺がギフトホルダーで全ての攻撃を反射させることができるからだ。
このコロナ村は教国の辺境にある村だ。村から2kmぐらい先は未開の地の大森林が広がっている。
この前も気配を殺して後ろから近づいてきた熊の魔物に切り裂かれそうになったが、熊の爪が俺に触れた瞬間、熊の腕が明後日の方向に向いていた。そして、身体強化した力と素早さで怯んだ熊の首を剣で刎ねる。その巨体が(ドスンッ)と大きな音をたて地面に倒れた。この日から1人での猟を許されるようになった。
ありがとう、雫。『どういたしまして。あなたには傷一つ付けさせません。』
うん、頼りにしているよ。愛してる。『わっ、わたしも@%#+¥*$・・・・・』
こんな脳内イチャラブも今では日常茶飯事。そして、テンパる雫も可愛らしい。
義務教育を8~12歳と12~15歳に変更しました。