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目を開けるとそこは、真っ白な空間だった。ぼやけた頭が少しづつ覚醒していき、自分のことを思い出す。俺の名前は小林 誠。 36歳、バツ3子なしの独身男だ。父、母、姉、俺と双子の妹がいる。父は警察官、母は保育士、姉は弁護士、妹は看護師で俺は
普通のサラリーマンだった。ここで少し俺の過去の話をしよう。
俺は小中高とサッカー部に所属いた。顔は普通だったが運動神経が良かったためか、クラスカースト上位のグループに入っていたと思う。高校1年の時に初めて彼女ができたが、この時から俺の人生は狂い始めていったのかもしれない。付き合い始めて1年が過ぎたころ、彼女から「他に好きな人ができたから、別れて」と言われた。後で知ったことだが、相手は俺が親友だと思っていたサッカー部の幼馴染だった。それから俺は人間不信になり、人から距離を取るようになってしまった。高校を卒業する時には友達と言えるのは3人だけになってしまった。この3人は俺が幼馴染に彼女を取られたことを知って、復讐を手伝ってもらったことがキッカケで仲良くなった。どうやら幼馴染は、この3人の彼女も寝とったらしく、怨みをかったらしい。同士4人で高校中にこの噂を流し、居づらくなったのか、幼馴染と女4人は途中で高校をやめていった。
社会人1年目、消防士試験に合格し、俺は消防士になることができた。そして、合コンで知り合った女性と付き合い、3年目でプロポーズ、彼女の親にも紹介され、結婚も許してもらうことができた。しかし、結婚式3ヶ月前になり、同士AからLINEで写メが送られてきた。「これ、誠の奥さんじゃね?」そこに写っていたのはホテルに入って行く2人の男女。女は俺の妻で(入籍は先にしていたので)、男の方は職場の先輩だった。その後、弁護士の姉に相談したところ、「もう少し証拠が欲しい」と言われたので興信所に依頼。証拠が集まったところで、妻に内緒で俺家族と妻家族を2人で住んでいるマンションに呼び、妻を待つ。
妻両親からは土下座され、妻からは「違うの・・・愛してるのはあなただけ・・・」など言われたが、すべてシカト。「後は弁護士を通してください。」と言って、その日は解散。
その後、妻には結婚式キャンセル料と慰謝料300万。職場の先輩には慰謝料400万。先輩は既婚者だったので、2人は先輩奥さんからも慰謝料取られることになった。そして、先輩は懲戒免職、元妻は会社にバレ、居づらくなったのか自主退職したらしい。
2人目の妻も医者と不倫。同士Bから「お前の奥さんが男と2人で車に乗っていたのを見たんだけど」とLINEでメッセージがきた。この時から俺は壊れたのか、証拠を集めるのがだんだん楽しくなってしまっていた。妻に慰謝料300万、医者には職場に言わない代わりに慰謝料600万を貰った。しかし、医者も既婚者だったことは知っていたので、医者妻にリーク。車に載せていたボイスレコーダーとカー○ックス中のドラレコを送らせてもらった。『あんま激しくすると保存されちゃうぜ!w』病院に医者妻が乗り込んだみたいで、結局バレてしまったみたいだ。『ざまぁw』
3人目は、夢を追いかけるバンドマンに惚れてしまったのか、しょっちゅうスマホをいじっていたので、怪しいと思い同士達と証拠集め。妻に慰謝料300万、バンドマンに慰謝料300万。バンドマンは遊びだったのか、元妻を残し逃走。慰謝料はバンドマンの親が常識人だったため、一括で払ってもらうことができた。元妻から復縁のメッセージや電話が毎日のようにきたので、LINEをブロックし、着信拒否もした。そして、俺は消防士をやめ、同士達と興信所を立ち上げた。姉の紹介や妹の同僚の依頼などが殺到。クズが多くて儲かってしょうがない。会社を立ち上げて2年が過ぎたころ、俺は出勤途中に心筋梗塞で死んでしまった。