あれ?逃亡ですか…
ども、リーンです。
とても困ったことになったんだけど。
僕は今、騎士達に取り押さえられています。
なんでこうなったかって言うと、なんでも、貴族への反逆罪だとか何とか。
この国、貴族制だったんだ。はぁ…
でもさ?少女相手に騎士30人はないと思うんだけど…何と戦うつもりだったの?
まぁ、僕がSSSランクになったって知ってたからだろうけど…
でも、逆にSSSランクに対して30人は少ない方なのかな?
どうでもいいけどね。
ほんで、その貴族(領主)の館まで連行されたわけなんですが。
僕は騎士達にその貴族の前で押さえ付けられ、貴族から色々と長ったらしい話を聞かされた。
あまりにも長いので要約すると、貴族への反逆罪は死刑、だけどこの国に仕え、この国に身を捧げるなら罪を不問にすると言った事だった。
ナニソレ、メンドクサイ
「え、嫌ですよメンドクサイ。」
と言うと騎士達から殺気が放たれ始めた。
「ほう、処刑されてもいいと言うのか?」
貴族がそんな事を言うが、正直こいつらに切りかかられても傷一つつかないと思うよ?
ただまぁ、ここでこいつらをどうにかしたとしても、これ、国ぐるみでSSSランクを取り込もうとしてる感じだろうから、また別の奴が来るだけなんだろうな。
まぁ、そうならないように考えてもあるけど、ダメ元で聞いてみよう。
「あの、今ならまだ何もしないので、離してくれませんか?」
「何でだ?元はと言えば貴様が俺の呼び出しに応じないからこうなっている訳で、俺がお前を解放する理由にはならんぞ?」
「いや、内容を言えば行くと言いましたよね?それを無視したのはそっちでしょう」
「それがどうした?貴族への呼び出しに応じるのは当たり前だろう。」
なるほど、そういう感じかぁ…
これ、僕が居た世界との常識の違いなんだろうな。
この場合、どうにもならん。
しゃーない、逃げるか。
その場合、犯罪者として指名手配されるだろうが、まぁ、しょうがないと割り切るしかない。
と言っても、逃げる場所など限られて居るのだが。
「そうですか、それじゃあ仕方ないですね」
「国に仕える気になったか?」
「んなわけないでしょう、逃げます。」
そして貴族が何かを言う前に転移で一旦店に戻る。必要な物を全て回収して、外に出た僕は、アイテムボックスから大槌を出して構える。
「もう来ないだろうから、この店壊しちゃって良いよね?」
大槌で店を破壊する。
轟音が鳴り響くが、そんなの気にしない
そして元店だったであろう残骸を放置して、目をつぶり、森の近くの街道に転移する。
そして、こんな事をあろうかと買っておいた地図をアイテムボックスから出す。
まぁ、買った後に1回も見てないので、あんまり意味は無いのだが。
とりあえず、この街道沿いに歩いていけばどっかには着くだろう。
今の所次の鍛冶屋は人が居ないような所で、そこそこの強さの認識阻害、もしくは感覚を狂わせる結界を張った場所にしようと思う。
それならさっきの貴族のような輩も干渉しづらいだろうしね。
国に仕えるなんざまっぴらごめんだよ。
っと、後ろから僕を追いかけてきたであろう騎士達が来た。
まだ気付かれていないみたいなので、ぱっと認識阻害を掛ける。
騎士達は僕に気付かないまま通り過ぎて行った。
はぁ…転移した相手を探すのは無謀だと思うけどなぁ…そこまでして取り込みたいか…
でも僕は何にも関わりたくないんだ。
諦めてくれ。




