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幸福偏差値  作者: greed green/見鳥望
六章 幸福の棺
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Cage-Out 翠(4)

「美咲……なんで……?」


 よろよろと翠が立ち上がる。

 私は彼女に駆け寄り、ぎゅっとその身体を抱きしめる。

 

 私でなければならない理由。

 翠の中で、私は死んでいた。きっと彼女の中では、自分が私を殺してしまったと思っているのだろう。そうして自分の心を責め立て追い込んだ結果か、彼女は自分を戒めるように終わりのない眠りについた。


 私が全ての歯車を狂わせた。

 それで自分だけ満足して勝手に死のうだなんて、あまりにも都合が良すぎた。

 それに、こんな私でも親友だと必要としてくれる人もいるのだ。


「ちゃんと、私はこうして生きてるから。だから、起きてよ翠!」


 私もあなたが必要なの。

 もう自分を責めないで。

 あなたが責められるような事も、謝らなきゃいけない事も、そんな事は一つもない。

 だから、どうか――。



「戻ってきて、翠」


 

 世界が白に包まれた。

 建物も、車も、雨も、そして、私達全てを包んだ。


「美咲。ありがとう」


 白い世界の中で、翠の声だけがはっきりと聞こえた。


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