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幸福偏差値  作者: greed green/見鳥望
六章 幸福の棺
35/47

CAGE7

「準備出来たか?」

「はい」


 最悪に向かっている。急がねば。事態はあまりにも急転しすぎていた。


「言い残す事は?」

「まるで死ぬみたいですね」

「同じようになる可能性はある」

「分かってます」

「改めて聞くが」

「ないです! 何も!」


 そう言うと、冴木主任はふっと笑った。


「いい根性してやがる。おめえは、やっぱりここに必要な人間だな」

「え…」


 らしくない言葉に驚いた時には、すでにその顔はいつもの無表情に戻っていた。


「帰って来いよ。ちゃんと」

「……はい!」


 帰ってくる。必ず一緒に。


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