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幸福偏差値  作者: greed green/見鳥望
四章 幸福の枯渇
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OUT2

 運が悪かった。ただもう今は、そう思うしかなかった。

 確かに私は加害者の立場でもある。でもそれと同時に被害者でもあるのだ。

 全ては不運な事故。あの日あの時、車など運転していなければこんな事にはならなかった。

 避けようがなかった。全てが一瞬だった。気付いた時には、もうすでにその人の命はなかった。

 嘘だ。嘘だ。現実じゃない。身体がぶるぶると震え、思考もままならなかった。

 全てが終わりへと向かう始まりだった。

 でも、私が思っているような終わりではなかった。


 ――なんで、あなたがそこにいるの?


 夜の雨の中、運手席の私を見つめる激しい憎しみを持った、容赦のない視線。


 少しでもタイミングがズレていれば、こうはならなかった。

 誰かの命を奪ってしまう事も。 

 私があの女に追いつめられることも。


 ――これは、報いなの?


 全くの偶然のはずだ。これが必然なわけがない。だが、己の今までの言動が全て自分に跳ね返ってきている、そう思えて仕方がなかった。


 ――もう、限界だ。


 私はこれ以上、耐えられなそうにない。


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