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作者は私  作者: わた
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3-1

ルーカスが生まれて3年が経った。

真由としての人生の記憶を留めたまま転生したとこの3年をかけてルーカスは理解した。

異世界転生系の小説をよく読んでいた真由は最初喜んだが真由としての人生がやはり終わっていたことを受けショックを受けた。

未練は微塵もなかったが、両親より先に旅立ってしまったことが何よりも心残りだった。

そんなことを思いながら外を見つめるルーカスを見て姉エリシアがルーカスが外に出たがっているのだと思い、嫌がるルーカスを連れ出して今庭に来ている。

正直ルーカスとしては放っておいて欲しかった為、色んな理由をつけて断っていたのだが、兄のアルフレッドを子守要員として駆り出され母にも行って来なさいと言われたからには行かないわけにはいかなかった。


「ルーカス!こっちよ」

「ねぇさま、待ってください」

「早く早く!アル兄様も」

「はいはい」


アルフレッドはルーカスを肩車する。


「うわっ」

「この方が早いだろう」

「びっくりしましたよ」


いたずらっぽく笑うアルフレッド。


「あー!いいな!アル兄様私も私も!」

「エリーは女の子だから、ルーナにまた怒られるよ」

「むう」

「今度メイドたちがいない時にでもしてあげるから、ね?」


後方について来ているメイドたちを指差しながらいたずらっぽく言うアルフレッド。

それを聞いて満面の笑みを浮かべ、頷くエリシア。


そして間も無くついた場所は色とりどりの花が咲き誇り、真ん中に噴水、その近くにテーブルセットが置かれた場所だった。

メイド達が椅子とテーブルを綺麗にし、そこに腰掛ける3人。

仲良くメイドが用意した昼食を食べている最中、ルーカスは何処か既視感のようなものを感じている気がしてずっと辺りをキョロキョロしていた。

しかし特にピンと来るものは見つからなかった。


「ルーカス」

「なに?エリーねぇ様」

「何か気になるものでもあった?」

「いや、特には」

「そう」

「……」

「そうだエリーは魔法は使えるようになったのかい?」


暗い顔になってしまったエリシアに話を振るアルフレッド。

魔法と聞いてルーカスがエリシアを見る。

ルーカスが興味を持ったことに顔が明るくなるエリシアは勢いよく立ち上がる。


「ええ!今お見せしますわ!」


呪文を唱えるエリシア、すると花火がエリシアの頭上に打ち上がる。


「おお!凄いじゃないか!火属性の魔法だね」

「はい!」

「ルーカスも凄いと思わないか?」

「エリーねぇ様すごいです」


久しぶりにルーカスが生き生きとエリシアを見つめる。

エリシアも誇らしげに胸を張る。


「うふふ。そうでしょう!」

「はい」


嬉しそうなエリシアをみてほっと胸をなでおろすアルフレッドと、メイド達。

和やかな空気が流れたその瞬間1人のメイドが悲鳴をあげる。

そちらを見るとライオンのような白い大きな動物がいた。


「な、なぜ精霊が」

「精霊……」


ライオンみたいな動物が吠える。

みんな腰を抜かしてしまい、中には座り込むものもいる。


「いけない、皆逃げろ!あれは味方ではない!」


アルフレッドは叫び呪文を唱え始める。

エリシアは腰を抜かしてしまっている。

ルーカスはこの危機的な状況に来てやっと既視感の原因が判明した。


「これ、私の書いた小説の世界……?」

「ルーカス!何をしている!エリシアを連れて早く逃げろ」


アルフレッドがルーカスに叫ぶがルーカスの耳には入ってこない。


「こんなのは書いてない。書いてないけど設定上悪役令嬢エリシアは幼少期に散歩に誘った兄を突然現れた精霊に殺される。そしてエリシアは周りに八つ当たりするヒステリックなくそ女になる、これはその原因だ……」

「ルーカス!何をぶつぶつ言っている!エリシア!頼む!皆を連れて逃げてくれ」

「でもお兄様は」

「俺はウィンと何とかあいつを止めてみる。頼むから逃げてくれ!」


先ほどの呪文で呼び出されたウィンという鳥の形をした精霊が現れる。

メイドの1人がエリシアを抱え、もう1人がルーカスを抱える。


「すまない、頼んだ」

「すぐに戻ります」


淡く微笑むアルフレッド、その瞳は死を覚悟していた。

メイドに連れ去られる一瞬アルフレッドが


「愛してるぞ2人とも、ルーカス、エリシアを頼んだぞ」


アルフレッドが遠ざかる。

アルフレッドは負けると分かりながら殿をかって出た、俺たちを守るために。

ルーカスは一瞬の隙をついてメイドの腕から抜け出した。


「ダメだ。3年しか一瞬にいないけど、エリシアはまだ純粋な少女なんだ!アルフレッドが生きてないとダメなんだ」


3歳児の足は思うように進まない。

ほんの少しの時間なのにメイドとの速さ違いかなかなかたどり着けない。


「ルーカス様!」

「ルーカス!」


メイドとエリシアが叫ぶが、ルーカスは立ち止まらない。

一心にアルフレッド達に近づく。


「大丈夫。怖くない怖くない。服従の方法は私の物語なのだから知ってる。私の趣味爆発の小説だ。間違えるわけがない」


声が聞こえたのかアルフレッドが振り向く。


「ルーカス!」


その隙を見逃すはずがない精霊はアルフレッドの背中に向けて魔法を放つ。

間の悪いことにウィンは先の攻撃の余波でアルフレッドから離れた場所にいて間に合わない。


「くそ間に合え!」


ルーカスは呪文を唱える。

するとアルフレッドがその場から吹き飛ぶ。


「間に合ったか」

「ルーカス!」


ほっと胸をなでおろした時後ろからエリシアの声がした。

目線を上げると先の精霊のアルフレッドへの攻撃が標的がいなくなったため一直線上にいたルーカスのところにそのまま向かって来てた。


「あ、まずい」


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