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作者は私  作者: わた
2/17

1-2

お昼時、誰もいない公園で1人お昼を食べる真由。

1人でお店に入るのも、かといって誰かと食べにいくのも会社で食べるのも苦痛でしかなく、最近見つけたここで携帯小説を読みながら1人食べるのが日常になっていた。

基本は休憩時間ギリギリまでここにいる。


ブブブブブッ


携帯を確認すると上司から

【お昼食べにいってくるから15分後に届く荷物受け取っておいて】

とLINEが来ていた。

真由の顔がストレスでピクピクッと痙攣する。


「こちとら休憩時間中だっつうんだよ!」


クソッと吐き捨てて了承の返事を送る。

コンビニ弁当の空をゴミ箱に捨てドスドスと会社に戻っていく。


「はぁ、小さい頃に戻りたい。いや、もはやどこもいいから東京から離れたい」


ブブブブブッ

ブブブブブッ

ブブブブブッ


また先輩かとイライラしながら携帯をみる。

すると同じく会社にストレスを抱えている大学の時の友達のみきだった。

【死にたい】

【馬鹿なの?】

【マジどっかに消えてくんないかな】

相変わらずあっちも未だにこき使われているようだ。

真由もとりあえず

【どうした】

【わかるよ理解できないよね】

【さすがに死にたいとは思わないけど生きてる理由は見つからないわ】

と返す。

するとすぐ

【親より先には死ねないかー】

【いやでもマジあいつは消えて欲しい】

【とりあえずストレスでお腹痛い】

と帰って来た。

【今度飲もう】

と送っている間に会社付近に来ていたようだ。

前を見ると先輩達が数人で出て来た。

気づかれる前に隠れようと反対方向に歩き出す。


「あれ、真由!」

「……」

「まーゆ!」


満面の笑みを貼り付けて振り向く。


「あ、お疲れ様です!これからお昼ですか?」

「そーみんなでね!真由も誘ったのに」

「あ、すみません!お腹空きすぎて先食べにいっちゃいましたー」

「もーダイエットしてるんだから多少我慢しなきゃダメだよー」

「そうですよね」


はははと笑う真由。

するとLINEをして来た先輩が


「さっきLINEしたんだけど荷物受け取りよろしくね」

「さっき確認しました」

「そう。よろしく」

「はい」


先輩方が去っていく。

最後顔が引きつっていた真由は見送った後、無表情に戻る。

先輩達が離れたのを確認しながら小さな声で


「今まで居たんなら自分で受け取れよクズが」


苛立ちを発散したくて携帯を取り出しみきにLINEを送る。

【人間と関わらない仕事がしたい】

LINEを打つことに夢中になり、歩きスマホをしながら歩いて居た真由は信号が赤に変わりかけて居たことに気づかなかった。

気づいた時には真由は空中にいた。

あ、死んだ。

ごめんお母さん、お父さん、兄貴に姉ちゃん。

あ、ポチとルナにも会いたかった。

年末帰るまで後少しだったのに。


「先立つ不孝をお許しください」


身体を強かに打ち付ける。


『男と女生まれるならどっち』


どこからともなく聞こえた声。

投げやりになっていた真由は素直に答える。


「次は男がいい。1人で生きれる力が欲しい」


意識を失う寸前、承知という声が聞こえた気がした。

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