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4.最初の授業

「制服が違いますね」

しずねちゃんがすぐに間違い探しを指摘する。

「あはぁかわいいねぇ、あたしも向こうがいいなぁ~」

ももかがその間違い探しをうらやましがる。

「それより、あと二人、着てないわよ?」

あけみちゃんが別の間違い探しに気付いた。


するとエレベーターが下へ下がる表示がでた。

だがエレベーターはいつまでたっても1階とかかれた文字盤に明かりがともることはなく、

エレベーターは停止してしまったようだ。


 「はい。みなさん。

 まずは最初の試験を合格していただきありがとうございます。

 脱落者は2名。ということでその二人はFクラスへと転籍していただきます。」


 「え、どういうことよ!」


 「質問は受け付けておりません。

 無駄な発言にあけみ氏減点1ポイント。

 順位が変動します。」


 「なんですって!?」


 あけみが突然の発表に怒りを露わにした、

 だがこれ以上何か起こって、

 めでたい年中デビューを汚されても不愉快だ。

 そう思ったあけみは黙るしかなかった。


 他の生徒も今のやりとりを見てすぐに発言を控え様子を見る姿勢をとる。



 「では、授業を始めます。これから君たちが何を学ぶのか。聞いていただきたい。


 

 この世に生まれ、

 すぐに才覚を発揮したもの、

 後々にしてそれをみせつけたもの、

 ここにいるあなたたちにはそれぞれが違う。

 


 しかし、



 今まで年中の生徒であったあなたたちは一通りの

 国語、

 理科、

 算数、

 英語を勉強していただきました。



 そしてその科目すべてにおいて優秀な成績を収めてきた事実は同じです。


 ではみなさん。あなたたちがまだ、

 勉強しなければいけない事とはなんですか?」 



 「History....?」



 「いいですね。クリスティーナ氏、少しだけ正解です。1ポイント」


 先ほどあとからエレベーターで上がってきた5人のうち一人の少女が答えた。

 金髪で、日本語も一応わかっているらしい。


 

 「歴史、いい答えです。


 しかし、


 これもまた、あなたたちが勉強してきたことと使い方は同じであり、

 これはまた、必要な部分と必要でない部分、大きく分かれます。


 そしてそれを逐一説明するのも感情論が入ったりと非効率なのではぶきます。



 正解は社会。それも、一般の公立学校で教えている社会とはまったく違います。


 今までみなさんが勉強してきたことは

 

 その努力の証明。

 知能の証明。

 労働力価値として示す役割が大きいと私たちは考えています。

 


 それは良い成績を取り入学試験を受ければ良い大学に入れるでしょう。

 いい大学に入り、就職活動をすればいい会社に入れるでしょう。

 その努力して手に入れた能力は仕事で役に立つでしょう。


 しかし、



 今まであなたたちが勉強をしてきたことだけで、

 社会、経済、人は、回っていけると思いますか?


 

 回りませんよね?



 あなたがいくら電車の速さを割出、到着時間を求めるのが早くても、

 いくらあなたが頭の数と足の数でつるとかめの頭数を数えれたとしても、


 電車はつくれませんよね?

 つるとかめを数える必要なんて、ありませんよね?



 これからあなたたちが学ぶのは実際の社会。経済です。


 そして世界で最も優秀なあなたたちはそれを知る義務がある。

 優秀であるがゆえにみなを率いる責任がある。


 君たちは一番であるが故に他人に任せてはならない。

 君たちは一番であるが故に一番であり続けなければならない。



 いいですか。



 今までやってきたことこそやっとスタートラインに立てるための準備なのです。


 そしてここからは、身に着けた能力を生かし、


 さらなる世界の理を知ってあなたたちが理を作るんです。変えるんです。


 時代は止まりません。


 もうすぐそこに、あなたたちの時代は迫っています。


 もうすぐ後ろに、後ろの世界はあなたたちを追いかけています。



 いいですか。


 これから学ぶことは、君たちがトップに立つ責任を持つための勉学です。


 


 それを学び、君たちには何が見えるのか、君たちは何を欲するのか。

 


 それを君たちは実行してください。



 最後にもう一度言います。これがあなたたちのはじまりです。」

 


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