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鍛鉄の英雄  作者: 紅井竜人(旧:小学3年生の僕)
大魔導士の後継者編【中】
130/295

第一三〇話【逃走中XⅣ】

その邪悪は、クロッツォを核として降臨を果たした。


見上げる程に巨大な体躯―――

全身が邪悪を体現したかのような暗黒―――

みなぎる力は、この世全ての物を腐蝕させる程にけがれている―――


「なんという事だ」


神代の時代に存在したソレを目にしたシルバリオンは苦虫を噛みつぶしたような表情を覗かせて目の前の邪悪を見上げている。


ソレを目の前にして、その場の全員は動く事が出来ない。それは恐怖、嫌悪といった人の心を縛る負の感情が彼らを留めているに他ならない。


もしも、目の前の邪悪が動き出せば、世界は三日を待たずして滅びるのではないかという考えがシルバリオンの頭に過る。それ程までの力をヤツから感じられた。


だがしかし、彼の考えとは裏腹に目の前の邪悪は一向に動く気配が無い。空を見上げたまま、文字どり微動だにしないのだ。


「騎士達を連れてこの場から撤退をしろ」


シルバリオンは、腰に携えた二振りの剣に手を添えて抜刀の構えを取りながら隣に居たパーシアに命令を下した。


「申し訳ありませんが、その命令には従えません」


しかし、彼女から発せられた拒否の言葉にシルバリオンは僅かに目を細めるが、それは困惑による反応ではないが故に、心の中で「やはり」と浅い溜息が漏れ出た。だから未だ動かぬ敵を正眼に治め、部下の声は彼にとって意外な物という訳ではなかった。


「我らの心は決まっています。…聖騎士長、ご指示を!」


パーシアと思いは同じであると言わんばかりに、先程まで満身創痍であったハズの騎士達も次々に立ち上がり、己がほこりを抜き放つ。


「お前達…いったい何度限界を超えてくれるのか」


何度倒れても、その度に立ち上がり、悪しき者に剣を向ける。その姿は、たとえ万民の目に映る事はなくても、まさに英雄の姿そのものである。


『――理解、した』


今まさに騎士たちが剣を向けた矢先、微動だにしなかった邪悪の化身から声が上がった。


その声は、先程までの不安定なものでは無く、流れるように安定したものだ。


『実に久しい、こうして現世に顕現したのは・・・・なるほど、大凡おおよそ2000年振りか』


巨人は、どこか懐かし気に周りの風景を見渡す一方で、怒気を含んだ唸り声を漏らしている。その異様な光景に動ける者は1人として居ない。


『おのれ、忌まわしきは、あの男。アヤツのせいで我が二千年も封印されることに……まぁいい、人間の寿命などたかが知れている。今更アヤツに怨みを抱えたところで詮無い事だ』


何かを1人で納得した巨人は、自分の足元にウジャウジャと居る小さな者達に視線を向けた。


『人間、使徒が2人……なるほど、我の核となった男から記憶を読み取った。人間とはまことに度し難い』


巨人は己の形を成している暗黒を歪めて人間らしい笑みを形作った。


『人間共、括目するがいい。今日、この時より貴様らの世界は終焉を迎える。人類こそがこの世の支配者と思い込んでいる愚かなる者共よ、我が力にひざまずけ、我を崇めよ。我が名は【ベリアル】貴様らを支配する者なり』

「ベリアルだと!?天の位を剥奪された闇の世界の支配者!」

「最上位に位置する悪魔ではないか!一説には魔王サタンと同一視される存在!」


ベリアル、その名を聞いて知らぬ者は居ないとされる悪魔


仮に目の前の巨人が名乗った真名が誠であれば、人類に勝機はない。


『ほう、この時代においても我の名は未だに世界を恐怖へ突き落すに十分な言霊となっているのか』


己が名を聞いて恐怖する騎士たちの様子を見て、ベリアルは愉悦の表情を浮かばせている。


「臆するな!力を手にする者達よ!」


高らかに、そして堂々とした声がその場を支配していた恐怖を切り払う。


「古より伝え聞く邪悪の化身ベリアル。なるほど、確かに貴様からは恐ろしい悪しき力を感じる。が、今の世は貴様が居ていい世界ではない!奈落へとご退場願おうか!」


勇敢に叫ぶシルバリオンが腰に携えていた宝剣を抜刀した。


一振りは、絶対切断の奇跡を内包した宝具、名を【不滅の刃デュランダル

一振りは、消失へと誘う奇跡を内包した宝具、名を【魔滅の剣ベリサルダ


世界でもトップクラスと言っても過言ではない二振りの宝剣を世界で12人しか存在しない神の御使いじんるいのしゅごしゃたる使徒が扱うのだ。まさに最強の組み合わせと言えよう。


『愚かしい…愚かしいぞ!人間風情が!』


ベリアルから発せられる邪悪が大瀑布の如く、地に立つ全ての者に降り注ぐ


『地べたを這いずる塵芥ちりあくたの分際で、我にそのようなハリを向けるとは!度し難いにも程がある!』

「ならば試してみるがいい!貴様の言う人間風情の力を!」

『笑止!』


瞬間、シルバリオンの聖痕スティグマが解放された。


様子見など必要はない。はなからスティグマの力を全開にしたことによって、使徒本来の力が大気を震わせる。そして、ありったけの力を両手に握るデュランダルとベリサルダに注ぎ込むと、電光石火の如き速さでベリアルの頭上へと到達した。


振り抜くは絶対切断のデュランダル。間合いを無視した一閃が虚しく空を切るかのように見せているが、宝具の短所をシルバリオンの能力が補う。


【間合い殺しの銀眼】がシルバリオンの固有能力、視界に映る物体へと力を伝える能力ちから―――


不可視の斬撃がベリアルとの間合いを駆け抜ける―――斬!!


一泊遅れてベリアルの首が不可視の絶対切断を内包した斬撃によって呆気なく落とされた。


「油断したな。貴様の敗因は、人類の力を侮ったことだ―――」


スタリと地面に着地したシルバリオンが、地に落ちたベリアルの頭部を一瞥したとき、彼の表情が凍り付いた。


『油断?違うな、これは余裕というのだ』


ね落されたベリアルの首から上…つまりはヤツの頭部から声が発せられた。


「な!?」


胴と切り離された頭部、正確にはベリアルと視線を合わせた瞬間、シルバリオンの動きが止まった。


それは、驚愕によるものからの停滞ではなく、文字通りの意味で金縛りにでもあったように動かないのだ。


「魔、眼…だと?」

『ほう、石化せずに口が利けるとは、流石は使徒といったところか。だが…』

「っ!?」


ベリアルの口前に魔法陣が浮かぶと、暗黒の力が集まりだす。瞬間、邪悪な力の奔流がシルバリオンに向けられて放たれた。


身体は未だに動かない――

回避も迎撃も不可能――

「やられる!」そう思った彼の前に人影が割り込んだ!










「必殺!レッグウォーーーーッル!!」


シルバリオンの窮地を救った男は、両の拳に一際大きな籠手、両の足に一際大きなレッグガード、拳と足以外には鎧を一切着込まずボクサートランクス一丁を装備した男・・・・そう!彼の名はアルベルト!サバットの達人!


「ぬおおおおおっ!滝をも割る我が必殺のレッグウォール!悪魔の咆哮デビルブレスであろうと割ってくれるわああああ!」


ベリアルの砲撃を己が身一つで迎え撃つ!鍛え上げられた豪脚が唸りを上げる!


『面白い、たかが人間の分際で、我が力に抗おうとするとは』

「舐めるな!サバットこそ最強!」

『フム…その眼、我を前に絶望しないどころか希望を視ているな―――』

「ぬうううっ‼」


ベリアルの砲撃が力を増す!

同時にアルベルトのレッグガードに亀裂が走り、ビキビキと嫌な音が彼の内側から聞こえてくる。


「アルベルト!」

「心配無用!我は魔術の心得が無い故!力は有り余っている!そよれりも・・・」


勢いを増していくベリアルの砲撃に呼応するように、アルベルトも肉体からオーラを漲らせる。


そして、視線の先に居た彼女を一瞥して意図を伝える。


『ほれ、どうした!もっと力を入れないか!さもなくば、そこの使徒が死んでしまうぞ?』

「うおおおおおっ!」


必至に抗うアルベルトをまるで弄ぶように、ベリアルは攻撃の威力を段階的に上げていく。


「もういい!逃げろ!アルベルト!」

「そうは、そうはいかんのです!」

「なぜ、そこまでして…」


アルベルトが装備していたレッグガードが遂に砕け、ベリアルの邪悪を諸に受けながらも彼は一歩たりとも退こうとはしない。鎧によって腐蝕を免れていた脚が、徐々に蝕まれようとも…


そんなアルベルトの姿にシルバリオンは、納得がいかなかった。聖騎士長として彼らの上に立って2年。しかし、その2年間で自分は彼らに報いるだけの姿を見せた事などなかった。むしろ他を見下し、嫌われこそすれ、命を懸けて貰う義理もないハズだ。


なのに、どうして…そんな疑問ばかりが浮かんでくる。


「貴公を孤独にしてしまった」


邪悪の本流を受け続けるアルベルトからの言葉に彼の思考が吸い込まれる。


「絶対的な力を持った貴公を我々は妬み、歩み寄ろうとする努力すらしてこなかった。これまで、貴公がどれだけ孤独で いたのかも考えず…」

「そんな、そんあ事は私にだって言えることだ!力に溺れ、自分が特別な存在などと勘違いをして、他を見下し続けてきた私には、当然の報いだろう!」

「それでも!それでも貴公を孤独にするべきでは無かった。我々がもっと歩み寄っていれば、もっとお互いを理解していればと…」


アルベルトに限らず、騎士たちは彼と出会ってからの2年間を今になって悔いていると吐露した。元々、フランス聖教に所属する騎士というのは、多くが色々と訳ありの者達ばかりだ。だから人の痛みを知っているハズの自分達が、いつの間にか過去の傷を忘れた振りをして、彼に手を差し伸べる事をしなかった・・・・それは、騎士として恥ずべき事だと彼は言っている。


「だから、我らはもう貴公を独りにはしない!そうだろ!お主ら!」

「「「「「応‼」」」」」

『なに?』


今にもアルベルトを呑み込まんとする邪悪に5つの光が衝突した。


『これは、忌々しい精霊共の力か、いったい何者だ!』


邪悪の奔流に拮抗した5つの光の正体は―――


「怒りの炎が悪を焼く!火の精霊の力を借りて!聖騎士パラディンレッド!」

「風の刃が悪を斬る!風の精霊の力を借りて!聖騎士パラディングリーン!」

「聖なる水が悪を溶かすぜ!水の精霊の力を借りて!聖騎士パラディンブルー!」

「母なる大地が悪を埋める!大地の精霊の力を借りて!聖騎士パラディンブラック!」

「閃光の稲妻が悪を穿つわ!雷の精霊の力を借りて!聖騎士パラディンイエロー!」


「「「「「悪霊退散!悪魔昇天!精霊の加護を宿した聖なる騎士!聖騎士戦隊!パラディンジャー!」」」」」


5人の後ろで爆発が起きる。


「ベリアル!お前の好きにはさせんぞ!」

「そうよ!私たちの仲間には、もう指一本触れさせないわ!」

『愚かなり!所詮は出来あいの仲間意識だろう!他をうとむは人間の本質、そういった負の感情が我を生み出したのだ!』


ベリアルの砲撃が、より一層力を増した。


「グぅっ!…お前の言う通りだ!俺達人間は誰かを憎んだりもする!…けどな!判り合おうと、頑張ることが出来る!間違ったなら正せばいい!いくらだってやり直す事が出来るんだ!」

「そのとおりだ!それこそが人間の本質!人間の力!」

『ふははは!戯言を!どんなに叫んだところで、貴様らがしてきた事実は変わらん!そして、圧倒的力にお前たちは敗北するのだ!見よ!』

「なっ!?」


先程まで糸の切れた人形のように動かなかったベリアルの身体から再び瘴気が溢れ出し、膝を着いていた騎士達を襲い始めた。


『どうだ!貴様らの言う人間の力で仲間が救えるか?もう指一本触れさせないのだろう?さぁ、我に証明』

してみるがいい!』

「やめろベリアル!お前の相手は俺達だろう!」

『馬鹿め!我は絶望を欲する!さぁ、殺されていく仲間の悲鳴を聞いて、どんな表情かおをするのか見せてくれ!』

「やめろ!やめろおおお!」


パラディンレッドの叫びが響き渡る。騎士の多くは既に限界を迎え、立つ事さえままならない。


そして、絶望へといざなう一撃が騎士たちに振るわれた―――刹那









『なに?』


眩い光の障壁が邪悪を妨げた。


「聖なるかな、聖なるかな、聖なるであることは、主の元へ来ることが出来る。あぁ、我らの祈りは、天の御使いによって届けられん―――」


女騎士が握る剣が祝詞を唱えるごとに形状を盾へと変化させていく。


「パーシア!」


彼女が握る剣が盾へと変わったとき、邪悪なる一撃を押し返した


『ぬうぅ、破邪の盾か』


頭部を失ったハズのベリアルの身体から口の様な裂け目が生じ、言葉を発した。


「左様、フランス教皇の近衛が代々受け継ぎし宝具、名を【シュツェーリアの盾】」


フランス教皇近衛の任務は、教皇及び臣民をあらゆる危険から守る事が任務とされている。それゆえに敵を倒すのではなく、守る戦いに特化した者がその任に就く。年若き乙女であるパーシアは、フランス教皇近衛に異例の若さで抜擢された女傑である。そんな彼女がか弱い等という事は決してないのだ。


そして、彼女がてにするシュツェーリアの盾は、使用者がその背に守るべき者が居た時にのみ発動する宝具。それ故、己の身を守るときには発動しないと言うピーキーな条件を持つが、守る数が増えれば増える程に守護の力を増していく。


「さぁ、来なさい邪悪なる存在よ。彼方の進行はフランス教皇が近衛、パーシア・アルデンテが阻んで見せます」

『威勢だけは良いな。たかだか数百のゴミを背負った程度で我が歩みを阻めると思うなよ』


瞬間、先程よりも膨れ上がった邪悪がベリアルを纏い、腕部に集中していく。


次々に放たれる剛腕による攻撃、それらは一撃一撃が必殺の力を宿しており

ズシン――――ズシン

と間隔を開けて放たれるが、次第にズシン―――ズシン――ズシン―ズシンと必殺の一撃から徐々に連撃へと変化していく。


『ぬははは!どうした、先程までの威勢は!ほれほれほれ!気張らねば障壁が砕けるぞ!』


守りに徹しているパーシアを嘲笑う様にベリアルの攻撃は、やがて連撃を超えて破砕機並の打撃へと変化していく。そして遂に―――


「ば、馬鹿な!」


障壁に亀裂が走り、パーシアの顔に驚愕と焦りが覗く


『所詮貴様らの足掻きなどこの程度だ―――』

「主よ、真昼に呼べど御身は応えず、夜もまた沈黙のみ!」


粉砕の威力を孕んだ一撃が、またしても障壁によって阻まれた。しかも亀裂箇所が補強され、より強固な守りとなったシュツェーリアの盾の守護によって・・・


「こ、これは神節…しかも今の声は―――」

「パーシア近衛長!グレン・レイガスト他フランス聖教の全騎士、惨状いたしました!」


身体の至る所に包帯が巻かれ、鎧も所々砕けており、お世辞にも騎士然といった格好ではないが、その顔が声が彼女の知る彼だと告げている。


「生きて…生きていたのですか、グレン」


数日前、ステイシーを救出する際に共に戦った同志。しかし、仲間の殆どがクロッツォの息のかかった者、その中には聖騎士の称号を得ていたエギルに殺されたと思っていた。だが、彼女の目の前に現れた騎士は、グレンだけではなく、死んだと思われていた仲間の他にも多くの騎士達が彼女の周りに集まっていた。


「っ!・・・このっ、どうして!生きていたのなら、もっと早く連絡をしなさい!」

「ええっ!そこ怒るところですか!?…俺もまさか助かるなんて思っていなかったんですけど、通りすがりの坊主だって名乗る東洋人が助けてくれて、瀕死だった仲間もその人が…ある程度動けるようになったら、仲間を集めておけと言われていたのです。そしたら、とんでもない瘴気を感じ取って駆けつけて見たら、こんなことに…て、近衛長?」


仲間の生還に喜ぶ彼女の目から涙が流れる。と同時にグレンが言っていた東洋人とは、もう十中八九あの人・・・しか考えられない訳で「まったく、あの人は―――」と心の中で後で文句を言ってやると密かに誓うのだった。


『…群れた人間のなんとわずらわしいことか』


再会を喜ぶも束の間、戦況は何一つとして変わっていないのに、その場の騎士達からは絶望どころか喜びや希望といった感情が込み上げてくる状況に、ベリアルは『鬱陶しい』と吐き捨てる。


『いいだろう、貴様らに本当の絶望を味あわせてやる―――』


瞬間、ベリアルの切り離されていたハズの頭部と体が煙の様に変化し、実体を持たなくなると、空中で2つの邪悪が再び1つとなる。しかし先程のベリアルと変わらぬ巨体で現れると思いきや、誰もが息を飲む程に膨れ上がった邪悪に対して、身体は小さく、人間と同じ体格へと変貌を遂げ、その内包された力は格段に変化していた。


『さぁ、絶望に染めてやる―――』

「そうはいくか!」


突如上がった叫び声と共に、聖なる光が邪悪なる暗黒を照らした。


みれば、魔眼によって動きを封じられていたシルバリオンが身体の自由を取り戻し、その手に握る宝剣、魔滅の剣ベリサルダから眩き光が発していた。


輝く宝剣を握る彼の後ろには、黄金を纏いし天使の羽を有した少女、ステイシー・ゴールドの姿があった。


『貴様、性懲しょうこりもなく、まだ我にそのようなハリを向けるか!』

「物理的な力は貴様に通じないようだ。しかし、魔を滅するこの剣!そして彼女の力が合わさればどうだ!」

『なに!?』


彼女、ステイシーゴールドが天に手を翳した。


その動きに呼応するかのように、大気中に存在する魔力・オーラ等といった力が意思を持っているかのように集まりだし、神々しい黄金の光を放つ。


集まり、束ねられた力がシルバリオンの持つベリサルダに注がれる。


『この光…力を奇跡しんぴに変化させているのか』


神聖力セイクリッド】それが彼女、ステイシー・ゴールドの使徒としての能力チカラ。力をセイクリッドへと変化させ使用することで、物質は奇跡を内包し、なまくらの剣ですら聖剣へと変わり、魔術に用いれば絶大なる力を発揮する。


使徒には、それぞれタイプが存在し、シルバリオンのように肉体的な戦闘に特化した者も居れば、ステイシーのように肉体的に強くは無くとも能力的に優れている者もいる。


そして今、覚醒した彼女の力が宝具という奇跡の宝剣に注がれた。言わずもがな、鈍らを聖剣クラスに変化させる神聖力が元々の聖剣に注がれたのだ。


宝剣は神剣へと昇華する―――


「受けて見よ、我ら神の僕たる聖騎士の一撃を」


セイクリッドによって昇華され、魔を滅する神剣がベリアルに向けて放たれた――

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