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鍛鉄の英雄  作者: 紅井竜人(旧:小学3年生の僕)
大魔導士の後継者編【中】
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第一一七話【逃走中Ⅱ】

夢を見た。小さいころ、祖父が聞かせてくれたいにしえの僧侶の言い伝え


大昔、この地に蔓延はびこる魔人が人々を苦しめていた。

絶望の中、1人の聖女が立ち上がり、魔人を祓おうとしたが、魔人の力は恐ろしく強大で、聖女だけでは太刀打ちできなかった。

必至に戦う聖女は、天に祈りを捧げる。『主よ、どうか人々を救いたまえ』と―――すると、暗雲が天を覆い隠し、嵐が吹き荒れた。世界を暗黒が支配するなか聖女は絶望する。『祈りが届かなかった』と……膝を付いた聖女を見た民が諦めかけたその時、暗黒世界を体現したかのような漆黒の髪の僧侶が嵐と共に現れた。

僧侶は魔人に言った『魔人よ、人々に悪さをするならば、お前を闇より深い奈落へと突き落とす』と、すると魔人は笑いながら答えた『愚かな人間よ、我は地獄からやってきた。闇は我の眷属なり』魔人の答えを聞いた僧侶は、「ならば」と天に手をかざした。すると、暗雲から雷が雨の如く降り注ぎ、魔人の身を焦がした。

次に手を地にかざすと、大地に大穴が空いた。魔人は転げまわりながら僧侶が作った穴に落ちて行った。

そして、僧侶が大きな岩で穴を塞ぐと、魔人は二度と地上には出てこなくなった。

僧侶は言った『人々よ、魔人は人の悪しき心から生まれた。皆の心が悪に染まったとき、再び魔人は復活するだろう。だが、その時は、私を呼びなさい。再び魔を祓い、救うと約束しよう。』そう言って、僧侶は姿を消した。


彼女は、この話が大好きだった。

御伽噺おとぎばなしに出てくる王子様とお姫様の物語よりも、僧侶の話に聞き入った。


『おじいちゃん、この僧侶様は、なんと言うおなまえなんですか?』


物語では僧侶としてしか語られていなかったため、彼女はその名に興味が湧いた。


すると、祖父は古めかしい巻物を取り出して、教えてくれた。


『古い記述には、サラティガと記されているね』

『サラ、ティガさま』

『ステイシーは、本当にこのお話が好きなんだね。』

『うん!だって恰好いいんだもん!』


彼女の笑顔を見て、祖父も一緒に笑うと「なら良いことを教えてあげよう」と彼女に耳打ちをして秘密を教えてくれた―――



「……。」


目を覚ました彼女は、ベッドの上に横になっていた。


未だに定まらない意識が徐々に覚醒していくと、そこは知らない部屋の中だった。


(ここは・・・私は助かったの?)


「気が付いたか」

「っ!」(誰!?)


周りを見渡そうとした彼女の耳に、男の声が届いた途端、思わず肩を震わせて警戒した。


「そんなに怯えなくても良い」

「……。」


暗がりでその顔は、よく見えないが、声からしておそらくは中年の男性だろうとステイシーは思った。


そして、今の状況についても考えを巡らせようとしたところ、目の前の男が答えをくれた。


「ここは、小さな田舎町だ。嬢ちゃんが倒れていた所を儂が発見して、ここまで連れてきた。」


まるで考えている事が判っているかのように、男は続ける。


「ちなみに、ここは町医者の家だ。余所者の儂等を快く受け入れてくれて診てくれてな、暫く看病をしていたって訳じゃ。」


自分を助け、あまつさえ看病までしてくれた男に警戒心を持ってしまった事を恥て、ステイシーは深々と頭を下げた。


男が「気にするな」と一言だけ口にしたその時、部屋の扉が勢いよく開かれた。


「おじちゃん!おねえちゃん起きた!?」


勢いよく開かれた扉の陰から、小さな女の子が部屋に入ってきた。


「こら、患者の前でうるさくしたらダメだろ。」

「ご、ごめんなさい!」


女の子に続いて、医者らしき男性も一緒に入ってきた。男は部屋の明かりをつけえて近づいてくると、聴診器を取り出して健康状態を確認する。


「…異常はないようだね。だけど君は瘦せ過ぎだ。ちゃんと栄養のあるものを食べないとダメだ。」

(ど、どうしよう。早くお礼を言わないといけないのに・・・)


医者の言葉にステイシーは、困った顔を浮かべる。


「おねえちゃん、おいで!ママがごはん作ってくれたから一緒に食べましょうだって!」


女の子は困惑する彼女の手を引っ張るように部屋から連れ出すと、食事が用意された部屋まで案内した。


そして、彼女が座らせられた席には、筆記具が一緒に置かれている。


「君は、声が出せないだろ?」


医者の言葉にステイシーは驚く。


「ははは、こう見えても少し前までは都会で仕事をしていてね。色々な患者を診て来たから腕には自信があるんだよ。」

(そうでしたか。)


少し考えれば、相手は医者なのだから自分の病状を言い当てられて驚くのは、失礼だったかもと考え、彼女は用意された紙に文字を書き始めた。


≪私は、ステイシーです。助けてくれて、ありがとうございます。≫


「君を助けたのは、そこにいる方で、私たちは仕事をしただけだよ。」


彼女が書いた紙を見せると、医者の夫婦は笑って答えた。そして、医者が指示した席に、自分を助けてくれた男が座っていた。


先程は気が付かなかったが、目の前の男は大柄で黒髪、部屋の中だというのにサングラスを掛けていた。


ステイシーは男に向き直り、慌てて頭を下げると文字を書こうとした。


「礼は不要じゃ。それに、文字にしなくても嬢ちゃんが言いたい事は大体わかる。」


筆記具を手にした彼女の動きがピタッと止まった。


(本当かな?)

「え~、うっそだー!おじちゃん、ウソ言ったらダメだってママが言ってたよ。」

「ほほぅ、ならば試してみるか?」


そう言って、男はコインを1枚取り出すと、少女に手渡した。


「お嬢ちゃん、儂が後ろを向いているからコインを隠してごらん?」


そういうと男は壁の方を向き、少女はコインを右手に握り込んだ。


「いいよぉ」と言った少女は両手を突き出し、左右のどちらにコインが入っているのか男に当てさせようとした。


「右手だな」


男は迷いなくピタリと言い当てた。


それから何度やっても僅かの迷いなく男はコインの在処を言い当てた。・・・その数実に10回


(種は判らないけど、これってマジックだよね?)


いい加減終わりにするようにと言った両親に、「次が最後」と言って、もう一勝負する事になった・・・そして、悪戯心が芽生えたステイシーが持っていた紙に文字を書き込んで少女に見せた。


「・・・いいよ!」


少女は両手を差し出して「さぁ勝負!」と掛け声を上げるその姿は、どこぞのギャンブラーの如く勇ましい。


振り向いた男は、含みのある笑みをステイシーに向けると、席を立ち、少女の父親の前までやってくると右手を掴んで・・・


「ここじゃな」

「「「「っ!?」」」」

「せ、正解です」


見事に言い当てたのだった。



◇   ◇   ◇



ステイシーは、昨日の夕食の席で男について話を聞いた。


「儂は…まぁ、防さんみたいなもんだ。今は、やんごとなき理由から逃げゴホンッ!修行の旅の最中だ。昔、この辺りを旅したことがあってな、その時にやり残した野暮用を済ませるために立ち寄ったのじゃ。」


どうやら男は極東の島国出身の僧侶らしく、現在は修行中の身らしい。しかし、だからと言って他人の心が判るとは、相当徳の高い僧侶なのだろうとステイシーは思った。


しかも、見ず知らずの自分のために、お金を出して治療させるなど、僧侶であっても簡単に出来る事ではない。


翌朝、朝食を食べ終わった男は、町医者の家を出ると言った。


「おじちゃん、もういっちゃうの?」


女の子が寂しそうな顔をすると、頭をクシャクシャの撫でまわし、別れを告げる。


「世話になったな」

「いえ、何もない田舎町ですが、また気が向いたら遊びに来てください」

「そうですよ、娘も喜びます」

「ああ、今度は弟子と一緒に遊びに来る。嬢ちゃんの事を頼んだぞ」


男は、アセアセと別れの言葉を書き記しているステイシーに向き直ると、筆記具を取り上げた。


「嬢ちゃん、儂からの忠告だ。」

(な、なんですか?)

「困ったときは、誰かに助けを求めろ。嬢ちゃんが抱えている問題は、決して1人では解決できるような物ではない。」

「―――っ!?」


男の言葉を聞いてドキッとする一方、ステイシーはそれが出来たらどんなに良いだろうと思う。


現に、自分を助けようとした人々が既に居なくなってしまったのだから、おいそれと助けを求めてはいけないのだ。


「ええ~、無理だよおじちゃん、だってお姉ちゃんは喋れないもん」

「こ、こら!なんて事を言―――」

「だから私が、お姉ちゃんを助けてあげる!」

「・・・そうね」


少女の笑顔を見たステイシーの目に涙が溢れた。


(ありがとう…でもね、彼方達を巻き込むわけにはいかないの)


彼女は、涙を流しながら笑顔を造り、少女を抱きしめた。


「お嬢ちゃんは、やさしいな。だったら儂も嬢ちゃんが助けを求めたとき、手を貸す事にしよう。」

「やくそくだよ?」


「ああ」と短く返事をした男は、女の子と指切りをすると「達者でな」と言い残し、歩を進めた。


(ハッ!いけない!名前を、せめて名前だけでも!)


命の恩人の名前を知らない上に、お礼も出来なにのでは、失礼にも程があると気が付き、ステイシーが男に駆け寄ろうとしたとき


「儂の名は円空じゃ!」


男は後姿のまま手を上げて、高らかにそう名乗ると、そのまま去っていった。


(エンクウさま、この御恩は一生忘れません。)


ステイシーは、胸の前で手を組むと、祈るように男の名を心に刻み付けた。



◇   ◇   ◇



「お姉ちゃん、遊ぼう!」


女の子がステイシーの病室にやってきた。


円空と別れ、1日が経過してからステイシーの体調は既に回復していた。


≪いいよ、何して遊ぶ?≫

「・・・。」


ステイシーの返事に女の子の反応がない。それどころか女の子は彼女の顔をジッと見つめている。


(どうしたのかな?)

「お姉ちゃん、とてもキレイ!」


少女の言葉に顔が赤くなる。


「金いろの髪と金いろの眼、すてきぃ。」


どうやらステイシーの髪と目の色が気に入ったらしい。


≪ありがとう≫


ステイシーは素直にお礼の言葉を紙に書いた。


そんなとき、外の方から町の人々が騒いでいる声が聞こえてきた。


「なんだろう?」


嫌な予感がした。この町に来て3日、体力の回復を待っていたが、その間、追手の事を忘れた事は無かった。


「私みてくる!」

(まって!)


ステイシーは呼び止めようとしたが声が出せなかった。ただ、少女の走り去った方を見ながら、早くこの町から離れなければと心に決めた。





「保安官、今日はどうしたんですか?」


町の住人達は、自分たちが集められた理由を尋ねていた。


「すまんな皆、実は殺人事件の犯人が、この付近に逃げ込んだという話がきてな・・・」


この町の保安官は、町人に説明しながら後ろで偉そうにしている男たちを一瞥する。


「フランス正教の聖騎士を名乗るお偉いさんからの捜査依頼だ。無下にもできないので、皆協力してくれ。」


保安官の言葉に、町人は渋々協力する。そして、犯人の容姿や特徴を聞いた村人たちは、皆が知らないと口々に言う中、町医者がどこか気まずそうにしていた。


「先生、どうした?」

「あ、いや」


町医者は正直迷っていた。何故なら家で入院させている少女が犯人の特徴と一致していたからだ。


「おい、貴様・・・」

「うっ!なにを!?」


そんな町医者の前に詰め寄ってきた1人の聖騎士、エギルが胸倉を掴み上げ、腕力に物を言わせて町医者を持ち上げた。


「ちょっ、何やってんだアンタ!」

「うるせえ!黙ってろ!」


慌てて保安官が止めに入ろうとするが、エギルの声に圧されて動きが止まる。


「おい、隠し立てしても為にならんぞ。知っていることがあれば、今すぐ吐け!」

「パパッ!やめてぇ!」

「あなた!」


父親が乱暴されている様子を見た少女がエギルに向かっていく。


「うるせえぇガキだ・・・すっこんでろ!」


己に向かってくる女の子の態度が気に入らないエギルは、足を振り上げた。


「や、やめろ!子供に手を出すな!」

「ザンネン!手じゃなくて足だ!」


人を小馬鹿にしたような笑みを浮かべながら、エギルの足が振り抜かれた。


「「「「キャー!」」」」


町人たちの悲鳴が町中に響き渡り、女の子はそのまま地面を転がった。


「うぅ~」


しかし、女の子に怪我はない。その理由は・・・


「お姉ちゃん?」


女の子を庇い、エギルの蹴りを受けたのがステイシーだったからだ。


「ふ、ふはははは!ようやく見つけたぞ!ステイシー・ゴールドオオオォ!」


邪悪な笑みを浮かべて、エギルはステイシーを見下ろしていた。


「お姉ちゃん!お姉ちゃん!」

(大丈夫、お母さんの元に行きなさい)


脇腹を抑えながら、ステイシーは女の子に母親の元へ行くよう促すと、慌てて迎えに来た母親が女の子を連れて離れて行く。


「やああっと、見つけたぜえぇ。」


エギルは、町医者を投げ捨てるとステイシーに近づいてきた。


(に、逃げなきゃ)


痛む身体を抑えながら、後ずさる。


「おおっと、逃げるなよ?下手に逃げようとしたら町の連中をうっかり殺しちゃうかもしれないぜ?」

「っ!?」


エギルの言葉に町人がどよめく。つまり、ここに居る全員が人質になってしまったんだ。


「なぁステイシー、お前もこれ以上、自分のせいで犠牲になるヤツなんて見たくないよなぁ?」

(なんで、何でこんなことを!)


ステイシーには彼等が何故自分をこんな酷い目に遭わせようとするのかが理解出来なかった。


「そういえば、お前にプレゼントがあるんだ。」


そう言って、エギルが部下に指示を送ると、近くに停めていた車から何かを降ろしてきた。


「ス、テイシー、さま・・・ご無事で」

(パーシア!)


車から降ろされたのは、20代くらいの女性だった。


ただ、彼女の身体はボロボロで、着ていた鎧が所々砕けていた。


「まったく、しぶとい女だよ。俺様の聖剣を喰らっておいて生きていやがった。」


ニヤニヤと邪悪な笑みを張り付けながらエギルは語る。


「だが、こいつは魔女を脱獄させた大罪人、咎人とがびとには裁きが必要だろう?」


そう言ってエギルは1本のナイフをステイシーに投げ渡した。


「お前の手でパーシアを殺せ。さもなくば大罪人を匿った背教者として町人を皆殺しにする。」

「っ!?」(そんな!)

「貴様!それでも民を護る聖騎士か!?」

「はぁ?魔女を匿ったコイツ等は、どのみち処刑対象だ。だが、優しい俺様が温情で生き残るチャンスを与えてやっているんだぜ?」(まぁ、どのみちステイシーの存在を知られた時点で皆殺しは確定だけどな。)


ステイシーの絶望に染まった表情を見て、エギルは満足そうに笑う。


「なぁステイシー、俺だって本当はこんな事はしたくねえんだ。だけどよぉ、お前がいけないんだぜ?」

(なんで、何で私が―――)

「だってよぉ、お前が逃げさえしなければ、パーシアも町人も巻き込まれずに済んだんだ。だから、お前には二度と俺達に反抗する気が起きないように、仕置きが必要だろ?」

「ふざけるな!この下種ゲスが!」

「あははは!いいねぇ、その屈辱に塗れた表情、そして絶望の涙!・・・・さぁ選べ」


エギルの言葉にステイシーの顔はみるみると青ざめていく


(そんな、無理よ!選べるはずがない!)

「ステイシー様・・・大丈夫です。私は恨んだりはしませんから」

「っ!?」


パーシアはステイシーを救うため、己の命を差し出す覚悟を決めた。


その瞳を見て、ステイシーは投げ渡されたナイフを拾い上げる・・・しかし


(ダメ!そんな事は絶対にダメ!)


一度は手にしたナイフを手放してしまう。


「はいザンネン!折角のチャンスを不意にした悪い子にはお仕置きだぁ!」


打ち震えるステイシーを見て、エギルはニヤリと笑い部下に指示を下す。


「全員皆殺し!」

「やめろ!こんなこと、神が許すハズがない!」

「あはははは!この期に及んで、まだそんな事を言っているのか?俺様は、その敬虔なる神のしもべ!聖騎士様だ!」

「―――ッ!―――ッ!」(やめて!お願い!やめて!)


ステイシーは、声にならない声で必死に泣き叫ぶ


「・・・やめろよステイシー。お前みたいな魔女が泣いても気持ちが悪いだけだ。」


エギルの部下たちが次々に抜刀する。


(主よ、どうか御救い下さい!主よどうか!)


絶望の中、少女は願う。


祈りよ届けと天上の神に救いを求め続ける。


「・・・殺せ」


町人達の叫び声が響き渡るなか、ステイシーは祈り続ける。この世界にきっとあるハズの奇跡よ起これと・・・・だが、決して彼女の祈りが神に届くことは無かった。


(誰か!誰でもいい!この穏やかに暮らす町の人々を!私を救おうとしてくれた女性を助けて!私の命なんか要らない!だから・・・・どうか!)


『ならばその命、儂が貰おう!』


絶望が支配する町に、男の声が響き渡った!



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